「こういうパターンになると、その後上がりやすい」とか、「この売買サインはかなり高い確率のものだ」というチャートのパターンやサインは経験上いくつも知られています。それらを実践で使いこなすためには、ある程度深い理解と実践的な慣れが必要ですが、使いこなせるようになればかなり強力な投資の武器になります。その際に、一番重要なのは“だまし”への対処法です。そのことについて今回は実例を見ながら少しじっくりと考えてみましょう。
<連載1回目>
株価チャートの向こうから見えてくるものとは?
チャートのトレンドとその背景を意識しよう!
<連載2回目>
移動平均線を見ればリーマンショックは回避できた!
~移動平均線でトレンドや転換点を捉えるコツ~
ガンホーに出現した強烈な“だまし”=売りサイン
“だまし”というのは、チャート的な売買サインが出たのに、その後サインと反対方向に行ってしまうことです。
チャートのパターンやサインは100%の確率で当たるものではないので、どうしても一定程度の割合で“だまし”が出現してしまいます。
“だまし”に関して大切なことは、
(1)“だまし”の動きになったことを認識すること
(2)認識した後にきちんとそれに即した売買をすること
(3)そもそも“だまし”にひっかからないように注意すること
の3点です。
この中でまず(1)と(2)について見ていきましょう。
下のチャートを見てください。これは、ガンホーオンラインエンターテイメント(3765)の2013年5月7日~7月30日までの日足チャートです(図1)。

a地点ではもみ合いから上放れる形になっています。出来高も急増しているので、かなり強い上昇サインが出たように思われるところでした。実際にこの動きを買いサインと見て買ってしまった投資家も多かったことと思います。
しかし、この動きはその後続かずにすぐに反落して、サイン点灯の直前の水準(a地点の前日の水準)を割り込んでしまいます。この動きでa地点の動きは完全に否定されたことになり、「aの動きは“だまし”だった」と認識できることになります。
この時の動きは、a地点の直前のもみ合いの水準を一気に下放れる動きになっており、かなり強烈にa地点の動きが否定されたことになります。
このように、売買サインが出る前の水準を超えて反対方向に行く動きになったら、その売買サインは“だまし”だったと認識してほぼ間違いないといえるでしょう。
もう少し具体的にいうと、
・買いサインが出た後に、買いサイン出現前の水準よりも下に下落する
・売りサインが出た後に、売りサイン出現前の水準よりも上に上昇する
などの動きが、“だまし”と認識する動きです。
このように、“だまし”の動きが出ると、その前の売買サインとは逆方向へのトレンド発生の強力なサインとなります。つまり、
・買いサインが“だまし”になった時・・・強力な売りサイン
・売りサインが“だまし”になった時・・・強力な買いサイン
となります。
ですから、上のガンホーオンラインエンターテイメント(3765)の例では、強烈な売りサインが点灯したことになります。保有株を売却するだけでなく、信用売りを仕掛けてもいいくらいの動きといえるでしょう。残念ながら、この時同銘柄は信用売りできる銘柄ではありませんでしたが・・・。
株価はその後、実際に半値程度に下落していくことになりました。
“だまし”を見抜く方法
それでは、a地点の上放れの動きがそもそも“だまし”であったと見抜く方法はなかったのでしょうか。
実は、株価チャートをよく見ると、a地点の上放れが“だまし”になる兆候はいくつか見られました。下は当時のガンホーオンラインエンターテイメント(3765)の少し長い期間の日足チャートです(図2)。

まず、X地点に至るまでに株価は数十倍に上昇して、X地点では「急騰→急落」という動きになりました。大幅上昇した後の急騰→急落の動きは、典型的な天井形成の動きです。
その後、Y地点では天井よりもやや低い位置でもみ合いの動きに入り、1200円前後水準がかなり強い抵抗ラインになっていることが分かります。この1200円前後の水準に来ると株価が下落するという動きを何度繰り返していることからそのことがわかります。
さらに、25日移動平均線は下向きの動きになっています。
これらの3つの兆候から、ガンホーオンラインエンターテイメント(3765)の株価はX地点で天井を打ってから下降トレンドに入っていて、25日移動平均線(1100円前後)と1200円前後が大きな抵抗ラインとして意識されることがわかります。
a地点のリバウンドの動きは、ちょうど25日移動平均線のところまで到達していますが、その水準か、あと100円上の1200円の水準から株価が押し返されてしまう可能性が高いと考えられるところでした。
以上のように、
・移動平均線の向きやチャートパターンで下降トレンドが確認され
・上値抵抗ラインが近い
などの場合には、上放れなどの買いサインが“だまし”に終わる可能性が高くなります。
「急上昇→調整→改めて高値更新」は強力な上昇転換サイン
次にスタートトゥデイ(3092)の週足チャートを見てください。

A、B、Cの3つの地点では力強く上昇して、「上昇転換か」と思わせるような動きになりましたが、いずれも“だまし”の動きになって、その後下降トレンドが続いていきました。
これら3つの地点では、
・移動平均線が下向いている
・移動平均線に上値を押さられそう
という2つの理由で、“だまし”になることが十分に予測できるところでした。
D地点も同じ理由で“だまし”になる可能性が高いのではないかと疑うべきところだったと思います。
しかし、E地点ではD地点の高値を更新し、その後大きな上昇トレンドに入りました。
このE地点のように、「力強い上昇の後にいったん調整して改めて高値を更新する動き」というのは、かなり信頼性の高い上昇転換サインになります。
E地点よりD地点で買った方が安く買えるわけですが、チャート的な判断としてはD地点までの動きでは“だまし”の可能性を疑わざるを得ず、E地点の動きまで確認してから買った方が確率高くスムースにトレードができる可能性が高いです。
実際にスタートトゥデイ(3092)はその後8か月で2.5倍の上昇になりました。
リーマンショック、アベノミクス相場の前にも強烈な“だまし”があった
最後にもう一つ“だまし”にまつわるお話をしたいと思います。
今度は相場全体の動向に関する話なのですが、25日騰落レシオという指数があります。
たとえば、ある日の東証1部に関して値上がり銘柄数が1000で値下がり銘柄数が500の場合、値上がり銘柄数は値下がり銘柄数の2倍です。%表示すると200%です。これを騰落レシオ200%といいます。
25日騰落レシオというのは、「25日間の値上がり銘柄数の合計を、25日間の値下がり銘柄数の合計で割ったもの」です。
この指数はだいたい60~150%くらいの範囲で推移しており、60%割れは全体相場の「大底近し」、150%は「天井近し」というかなり強力なサインになります。
1~2年に1度程度しか出現しないサインなのですが、それだけにかなり強力なサインになります。過去20年間を振り返っても、このサインはほぼ大底と天井を捉えています。
しかし、例外もあります。
2008年1月には25日騰落レシオが50%台になったのですが、わずかに反発しただけでその後日経平均は安値を更新していってしまいました。この時の強力な買いサインは結局“だまし”になってしまったのですが、その後リーマンショックに至る大暴落につながっていきました(下図参照)。

2012年12月には25日騰落レシオが160%台になったのですが、株価はその後もするすると上昇を続け、6割程度上昇してしまいました。いわゆるアベノミクス相場というすさまじい短期的な上昇相場になっていったのです(下図参照)。

25日騰落レシオはかなりおおざっぱな指標なので、ある程度タイムラグなどもおおらかに考える必要がありますが、1カ月程度しても反転の動きに入らなければ、“だまし”であった可能性が高まってきます。
以上のように、強力な売買サインが打ち破られて“だまし”に終わると、逆方向の強力なサインになります。そうした場合には売りと買いの方針を転換する柔軟性も必要になります。このように“だまし”に際しての判断や対処にも慣れて柔軟な売買ができるようになってくると、初心者を脱して上級者への扉を開くことができます。
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