世界投資へのパスポート

【米国有名企業の決算】マクドナルドは本格回復も
グーグルの親会社アルファベットは低調など、
成長株に陰りが見える中での今後の投資戦略とは?

【第415回】 2016年4月25日公開(2017年11月17日更新)
広瀬 隆雄
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事
印刷向け表示

 米国企業の決算発表が相次いでいます。そこで今回は先週の決算発表の中で特に印象に残ったものを紹介します。

グーグルの親会社アルファベットは
「成長率が10%台の下の方」の会社になりつつある

アルファベット(ティッカーシンボル:GOOGL)は、グーグルの親会社です。同社の第1四半期決算は、悪い内容でした。

 EPS(一株当たりの利益)は予想7.96ドルを大幅に下回る7.50ドルでした。売上高も予想の203.8億ドルを下回る202.6億ドルに終わりました。

 今期の売上高成長率は17.4%でした。デジタル広告市場の7割は、グーグルとフェイスブック(ティッカーシンボル:FB)の2社が牛耳っています。その関係で、グーグルがこれ以上、マーケットシェアを伸ばすのは、かなり困難だと思います。

 一方で広告主の予算は儲けに応じてしか増えないので、デジタル広告市場のパイそのものは、10~15%程度の成長率にとどまると思います。

 グーグルの場合、モバイル広告が広告売上高に占める割合が高いのです。モバイル広告はTAC(トラフィック・アクイジション・コスト=パートナー企業への割り戻し)の割合が高く、モバイルへの移行が進めば進むほど、コスト増になるというわけです。

 今期のTACは+18%でした。つまり売上高より費用の方が速いペースで増えてしまっています。今期のEPS成長率が+14%と、売上高成長率を下回った一因は、そこにあるのです。

 アルファベットは、これまで野放図に費用の増大を許してきました。現在、同社では6万4000人の従業員が働いています。その社員の多くがクラウドならびにアプリ開発に投入されています。しかし同社の売上高に占めるクラウドの貢献は、微々たるもので、R&D(研究開発)の生産性は低いのが現状です。

 アルファベットは将来の新規事業を「アザー・ベッツ」というカテゴリーにまとめています。そのアザー・ベッツは、大赤字です。同部門は利益に直結しない長期的な事業ばかりを集めているので、赤字なのは驚くに値しませんが、それも程度問題です。今期のアザー・ベッツの営業赤字は8億ドルでした。

 つまりアルファベット自体が「10%台の下の方」の成長率の会社になろうとしているのに、いつまでも道楽のような事業で大赤字を垂れ流しているわけには行かなくなっているのです。

 先日、同社が「蹴られても倒れないロボット」の事業を処分すると決めたのはそのためです。

 アルファベット株は現在、過去12ヵ月のEPSに基づくPERで、31倍で取引されています。これは「10%台の下の方」の成長率に照らして割高です。

>>アルファベットの最新株価はこちら(SBI証券のサイトへ移動します)

ポイント・サービス・プログラムを“正しく”改変した
スターバックスは来期以降の決算に注目

スターバックス(ティッカーシンボル:SBUX)の第2四半期(3月期)決算も、いまひとつでした。

 EPSは予想と一致する39セントでしたが、売上高は予想50.3億ドルを下回る49.9億ドルにとどまりました。売上高成長率は前年比+9.4%でした。

 注目された既存店売上比較は、予想+6.7%に対し+6%でした。内訳は+4%がチケット(顧客単価)、+2%がトランザクション(来店客数)でした。

 同社は先ごろ、ポイント・サービス・プログラムの内容を変更しました。これまでは一度の購入金額に関係なく、10回買い物をすると1ドリンクが無料になるというシステムでした。

 しかしこれだと1回の来店で、わざと2回に分けて買い物する客や、単価の安いドリンクを注文することで回数を稼ぐ客などが出ます。

 そこでポイント・サービス・プログラムを金額ベースに修正したというわけです。

 この改変は、金額の高いドリンクやフードを沢山購入するカネ離れの良い来店客を厚遇することになり、「スターバックスの利益」という視点からは、まことに正しい戦略です。

 しかしそれは「おこづかいが限られているファンを、ないがしろにしている」という批判を浴びる結果となっています。

 今回のポイント・サービス・プログラムの改変は、当然、来店客数を圧迫し、顧客単価の伸びを助長するという効果があると予想されます。その片鱗はすでに今回の決算にもうかがわれます。

 来期以降、この微妙なバランスが失われてしまわないかどうかに注意を払う必要があると思います。

 ちなみにスターバックスは今回の決算発表に際して、今後の見通しを少しだけ下げています。具体的には第3四半期はEPS予想49セントに対し、新ガイダンス48~49セントが提示されました。

 また2016年通年EPSは予想1.89ドルに対し、新ガイダンス1.88~1.89ドルが提示されました。さらに2016年通年売上高は予想215.4億ドルに対し、新ガイダンス215億ドルが提示されています。

>>スターバックスの最新株価はこちら(SBI証券のサイトへ移動します)

本格的な業績回復を証明したマクドナルド
来店客の満足度指数も改善中

マクドナルド(ティッカーシンボル:MCD)の第1四半期決算はこのところの同社の業績回復が本物であることを物語る、良い内容でした。

 EPSは予想1.17ドルを上回る1.23ドル、売上高は予想58.2億ドルを上回る59億ドルでした。また既存店売上比較は予想+4.5%を上回る+6.2%でした。

 「オールデイ・ブレックファスト」が寄与したことに加え、バリューを強調した「マクピック2」の導入が寄与しました。

 来店客の満足度指数は改善中です。

 マクドナルドは自社所有店舗をフランチャイズへ譲渡することを押し進めています。ゆくゆくは店舗の95%をフランチャイズ化する計画です。去年は700店舗をフランチャイズへ譲渡しました。

 特に中国、韓国、香港では現在、70%が自社店舗となっており、これらの地域でのフランチャイズ化を急ぐ計画です。

>>マクドナルドの最新株価はこちら(SBI証券のサイトへ移動します)

リストラ真っ最中のゼネラル・エレクトリック
継続事業部門の決算は良い内容だった

ゼネラル・エレクトリック(ティッカーシンボル:GE)の第1四半期決算は良い内容でした。

 同社は現在リストラクチャリングの真っ最中であり、決算の評価に際しては、今後の継続事業である工業ならびに垂直事業部門の業績だけが重要となります。

 そのベースでみるとEPSは予想19セントを上回る21セントでした。売上高は予想279.7億ドルに届かない276億ドルでした。売上高成長率は前年比+6.4%でした。

 同社の新しいコア事業のうち発電のビジネスは出荷が下半期に集中すると見込まれます。買収したアルストームの統合は上手く行っており、引き合いは増えています。

 航空機エンジンのビジネスは長期の上昇トレンドに入っており、今後も息の長い需要が見込まれます。

 現在の全社受注残は3160億ドルで、これは前年比+18%でした。

 2016年通年のEPSは予想1.50ドルに対し、これまでのガイダンス1.45~1.55ドルを堅持します。

 GEキャピタルの売却は、1660億ドルの資産のうち、これまでに1460億ドル完了しています。売却で受け取ったキャッシュは、自社株買戻しと配当に投入されます。

>>ゼネラル・エレクトリックの最新株価はこちら(SBI証券のサイトへ移動します)

【これからの投資戦略】オールド・エコノミーの株、
素材、エネルギー、工業株などに注目

 これまでの決算では上で紹介したアルファベットやスターバックスに代表されるように、成長株の決算が芳しくない例が目立ちました。これらの株は去年までヘッジファンドが好んで投資する投資先でした。その関係で、「買われ過ぎ」になっているという指摘もあります。

 このところナスダック銘柄から資金の流出が顕著で、その資金の一部はバリュー株へと流れています。

 したがって、引き続きオールド・エコノミーの株、素材、エネルギー、工業株などをオーバー・ウエイトすべきです。

【2019年12月3日時点】

「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社

◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税抜)
3500銘柄以上 約定代金の0.45%
最低手数料0米ドル、上限手数料20米ドル
【マネックス証券のおすすめポイント】
米国株取引に力を入れており、取扱数5400銘柄以上! 成行注文や指値注文のほか、逆指値注文、連続注文、ツイン指値(OCO注文)など、多彩な注文方法が使えるのも魅力だ。取引手数料もお得で、米国株なら最低手数料0ドルから購入可能。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税抜)だ最大3万円がキャッシュバックされる。また、米国ETFの中で「ゼロETF」対象銘柄は実質手数料無料(キャッシュバック)で取引ができる。しかもNISA口座なら、日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株(海外ETF含む)の購入手数料も全額キャッシュバックされ、実質無料になるのもメリット!
【関連記事】
◆【マネックス証券おすすめのポイントは?】日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
【米国株投資おすすめ証券会社】マネックス証券の公式サイトはこちら
◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税抜)
2600銘柄以上 約定代金の0.45%
最低手数料0米ドル、上限手数料20米ドル
【楽天証券おすすめポイント】
米国株だけではなく、中国(香港)やアセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア)の株もラインナップ。海外ETFの取り扱い数も、米国ETF約300本を含む、約360本と業界トップクラス! 2019年7月の値下げにより、米国株式の取引手数料は最低0米ドルからになった。米国株式の注文は、最大90日先まで指値注文が有効で、「約定通知メール」サービスとあわせて利用すると便利。NISA口座なら買付手数料が無料(売却時の手数料は必要)なのもメリットだ。また、取引から情報収集までできるトレードツールの元祖「マーケットスピード」が有名で、数多くのデイトレーダーも利用。ツール内では日経新聞の記事を無料で読むこともできる。
【関連記事】
【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実!
◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい!
【米国株投資おすすめ証券会社】楽天証券の公式サイトはこちら
◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税抜)
2300銘柄以上 約定代金の0.45%
最低手数料0米ドル、上限手数料20米ドル
【SBI証券のおすすめポイント】
2019年7月の値下げにより、米国株は手数料が最低0米ドルから取引可能になった。あらかじめ設定した金額か株数(口数)で定期的に買付する「米国株式・ETF定期買付サービス」が便利。 NISA口座なら、日本株の売買手数料だけでなく、海外ETF(米国・中国・韓国)の買付手数料も無料に。また、米国株の情報入手には、各企業情報が1ページにまとまったレポート「One Pager」、米国株・米国ETFをテーマで検索できる「米国テーマ・キーワード検索サービス」、さらに銘柄検索やソートができる「米国株式決算スケジュールページ」が使いやすい。
【関連記事】
◆【SBI証券のおすすめポイントは?】IPOの多さ&夜間取引、銀行との連携など独自サービスも充実!
◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社!
【米国株投資おすすめ証券会社】SBI証券の公式サイトはこちら
本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。

【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2019年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2019年の最強クレジットカード(全7部門)を公開!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2019年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2019年の最強クレジットカード(全7部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは? 高いスペック&ステータスを徹底解説!アメリカン・エキスプレスおすすめ比較 おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証 最強のマイル系クレジットカードはこれだ!専門家2人がおすすめするクレジットカード ふるさと納税なら「ふるなび」!公式サイトはこちら SPGアメリカン・エキスプレス・カード 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! ANAアメックスならANAマイルが無期限で貯められて還元率アップ! じっくり貯めて長距離航空券との交換を目指せ! 近江八幡市のふるさと納税はこちら!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

連続増配株&高配当株
年金世代1万人大調査
IPO株 トレード術

1月号11月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

増配株&高配当株であんしん老後

何歳からでも始められる
増配株&高配当株であんしん老後
[Prologue]目指せ! じぶん年金づくり
[投資先1]日本の高配当株43銘柄
●高利回り株●連続増配株●10年配当株
[投資先2]Jリート5銘柄
[投資先3]米国の高配当株20銘柄
[投資先4]毎月分配型投信13銘柄

仕組み化するだけ!IPO申込み&売買ワザ
儲け方[1]上場前の株の当選を目指す
儲け方[2]上場後の株の再上昇を取る
10倍期待の株は64銘柄!
2018年~2019年上場の全151銘柄の買売を分析

年金生活のリアル
金持ち老後と貧乏老後の差を徹底解剖!

年末までラストスパート
駆け込み!ふるさと納税72
上限額や災害支援のことなどふるさと納税のキホン
カニ・おせち・温泉など冬の3大返礼品!
おいしいものだけ!返礼品別カタログ

●自腹でガチンコ投資! AKB48「株」ガチバトル
●AKB48武藤十夢のわくわくFX生活
●株入門マンガ/恋する株式相場! 
●本誌崖っぷち部員の同時進行ドキュメント
定年退職までのロードマップ

【別冊付録】
毎月配当カレンダー2020年1月⇒12月

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

【重要なお知らせ】
>>定期購読の価格改定について


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2019】 クレジットカードの専門家が選んだ 2019年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 山本潤の超成長株投資の真髄で、成長株投資をはじめよう!(ザイ投資戦略メルマガ)

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報