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サラリーマンは給与でなく配当で収入増を目指せ!
給与は1997年をピークに減少が続き、
企業からの配当はバブル期に比べると10倍に!

2016年5月30日公開(2017年8月16日更新)
ザイ編集部
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なぜ今、サラリーマンは「株主になる」必要があるのか。過去30年の間に変化した「社員」と「株主」のポジション関係をひも解けば、その理由が見えてきた。年齢が上がっても、業績がよくても給料が増えない。この状況を打破して収入が年々増えていく生活を送るためにこそ、サラリーマンは株を買うことが重要なのだ。

【~1980年代】
業績好調で増えた利益は社員に還元され給料は増加!
年収が右肩上がりの会社員にとっての黄金時代

 今から遡ること27年。1989年の年末、日経平均は3万8957円の史上最高値をつけ、日本はまさにバブルの真っただ中にいた。地価は高騰し、モノの値段も上がったが、一方で会社員の給料も右肩上がり。新卒でも新車が買えるほどのボーナスが出ることも珍しくなく、さらに多くの企業が社宅や寮を完備していた。社員旅行は海外、接待やタクシーなどの経費も大盤振る舞いで、好景気を会社員が当然のように実感できた時代だった。

 一方で配当はどうか。当時の日経平均の構成銘柄の配当総額は5654億円と現在の1割にも満たず、企業は利益が増えても株主には分配していない。

  1980年代の日本企業は完全に社員重視。株主から見れば不当な状況だが、これが許されていた背景にあったのが株の持ち合いだ。当時は、取引銀行やグループ会社で互いの株を持ち合うのが主流で、株主といっても形だけ。株主総会も波風が立たない状態で、お互いに配当を出す意味もなかったのだ。つまり、会社の利益を存分に受けとれる、サラリーマンにとって最も幸せな構造だったのだ。

【1990年代】
バブル崩壊で業績が悪化し社員は収入減やリストラへ!
給料が減り続ける状況に漂い始めた慣れと諦め

 日経平均は、最高値の1年後の1990年年末には2万3000円台まで急落。数年後には不動産価格も大幅下落、ついにバブル崩壊が始まった。企業業績は悪化、会社員の年収も減少し、新卒の採用は見送られ、多くの企業でリストラが行なわれる本格的な不況時代への突入だった。

 実際に、バブル期と比べどのぐらい収入が減ったのかは、新卒から60歳までの年収の伸び率を見れば明らかだ。22歳の年収を100とした60歳の年収は、1985年では373と約3.7倍だ。これがバブル崩壊後の1995年には328、1999年には264と縮小。この流れは今も継続中だ。生涯年収も1997年をピークに凋落後、現在までほぼ横ばいが続く(図を参照)。不満がありながら、「不景気だから仕方ない」と、会社員にも諦めの空気があったのも事実だ。

 しかし、バブル崩壊後ずっと企業業績が悪かったのかといえばそうではない。確かに、不動産価格の下落により、不良債権問題が表面化したことで、1997年には山一證券が、1998年には日本長期信用銀行が破綻するなど、日本経済はバブル崩壊のツケを払うのに時間を要したが、徐々にだが日本企業の業績は立ち直りを見せていった。

 ただ、企業業績が立ち直っていく中で、立ち直る気配すら見えなかったものがある。それが会社員の年収だ。そう、1990年代の終わり頃から、会社員の年収は企業業績に比例して上がることがなくなったのだ。

 なぜ、こうした大転換が起こったのか。その理由は、株の持ち合い解消にある。持ち合いの中心となっていた金融機関の破綻や弱体化に加え、日本株の大幅な下落により、株の持ち合いが困難になったのだ。そして、日本企業が会社員重視から株主重視へとさらに変化する2000年代へと時代は移っていく。

【2000年~】
増えた利益は株主の配当に回り社員への配分は後回し!
株主への配当は年々増加し今やバブル期の約10倍に

 2000年代に入るとITバブルもあり、日本企業の業績も持ち直しを見せ始める。にもかかわらず、かつてのように社員の給料は一向に増えない。なぜなのか。

 1990年代後半の株の持ち合い解消から起こった、「物言う株主」と呼ばれる外国人投資家による日本株の保有だ。企業が利益を生まない状況で現金や不動産を保有するのを許さない外国人投資家が、日本株を買った理由の一つは多くの日本企業がそうした資産(社員向けの社宅や寮もその一つ)を多く持っていることに気づいたからだ。

 そして、株主総会で、利益から見た時の配当の低さに加え、無意味な資産を売却し配当に回す要求を経営陣に突きつけた。その結果、経営陣は社員(給料)より株主(配当)を重視した利益配分を始めたのだ。

 では、実際どの程度、配当額が増えたかと言えば、配当推移のグラフで一目瞭然だ。2004年頃から配当総額はどんどん上昇し始め、2015年にはついに6兆円を突破。バブル期の1980年代と比べると、その規模はなんと約10倍になった。

日経平均株価を構成する225社の配当総額は、一時リーマンショックで減少したが、一貫して右肩上がりが継続している。特に2000年以降の配当総額の伸びは目覚ましい。日本企業が、ここまで配当を重視するのであれば、サラリーマンも株主になって配当を収入の一部として受け取るべきだ。
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 この30年余りで、株主と社員の立ち位置は大きく変わった。この構造の変化に気づけば、なぜ今「株主になる」ことが、サラリーマンにとって意味を持つかがわかるはずだ。

 企業が握る利益という水を流す蛇口は社員用と株主用の2つ。社員用の蛇口の水はドンドン減り、株主用の蛇口の水は増える一方。それならサラリーマンは社員用に加え株主用の蛇口も確保し、年々増え続ける利益(配当)を受け取るべきなのだ。

 さらに、株の利益はNISA口座なら非課税、一般口座でも税率は約20%と、所得が増えた場合の所得税に比べるとはるかに低い。

 サラリーマンが、給料と配当を合算して年収を考える世の中はすでに始まっており、早く始めた人ほどその恩恵を授かることができるのだ。

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