闇株新聞[2018年]
2018年2月23日 闇株新聞編集部

ベネズエラが国家として仮想通貨「ペトロ」を
発行した衝撃の理由とは?

闇株新聞が見る「仮想通貨バブルの沸点」

闇株新聞プレミアムメールマガジン 20日間無料!

ベネズエラが、仮想通貨「ペトロ」を発行しました。国家のお墨付きがあり、1ペドロ=埋蔵原油1バレルという資産の裏付けも保証されています。なぜベネズエラは仮想通貨を発行することになったのでしょうか? 刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』が解説します。

ベネズエラが国家として仮想通貨「ペトロ」を発行した衝撃の理由とは? 闇株新聞が見る「仮想通貨バブルの沸点」

自国通貨の価値はこの1年で96%減
苦し紛れに繰り出された外貨獲得策

  ベネズエラは南米北部の社会主義国。世界一の石油埋蔵量を誇る産油国ですが、急進的な反米政策で米国陣営から貸出禁止などの経済制裁を受けています。政権中枢の汚職が絶えず、経済は破綻状態。インフレ率は実に2600%以上(物価が25倍になった)で、通貨「ボリバル」はこの1年で96%も価値が下がりました。

  これだけでもう経済的にはメチャクチャな国であることが、おわかりいただけたと思います。そうした中、マドゥロ大統領は2月20日に経済立て直しの切り札として、独自の仮想通貨「ペトロ」の発行を発表したのです。

  現在ある仮想通貨はどれも「国家のお墨付きがない」「資産の裏付けがない」ものですが、ペトロにはいちおう国家のお墨付きがあり、資産の裏付けも「1ペトロ=埋蔵原油1バレル」と約束されています。

  ペトロはドル/ユーロ/日本円/人民元など世界の主要通貨で買うことができますが、ボリバルでは購入できません。それを許すと国民が交換に殺到して、ボリバルがさらに下落するのは目に見えているからです。

  要するにベネズエラは、ボリバルの価値が急落し、経済制裁によって米ドルが調達できず、国際金融市場における資金調達の手段、あるいは輸入代金の支払い手段として苦し紛れに「ペトロ」を考案したわけです。

  ちなみにベネズエラには3000億バレルの原油埋蔵量がありますが、同国政府はペトロの発行上限を「1億ペトロ」に限定しました。原油価格は現在1バレル=約60ドルですから、うまくいけば1億ペトロ=約60億ドルが調達できる算段でした。

  ところが、実際には1ペトロ=24ドルのオファーでしか買い手がつかず、思惑通りにはいかなかったようです。そもそもベネズエラという国家に信用がありませんし、「原油価格に相当する」とはいえ原油との交換が約束されているわけではなかったからでしょう。

国のお墨付きや資産の裏付けなど付けず
匿名で発行したほうが儲かった?

  とはいえ、「ペトロ」は(不完全ではあるが)埋蔵原油を裏付けとし、中央政府主導で発行される世界最初の仮想通貨になります。

  同じように米国陣営から経済制裁を受けているロシアも、本年1月に独自の仮想通貨「クリプトルーブル」を法廷通貨にするための法案を提出しています。米国による経済制裁で米ドルを自由に使ったり保管することを禁じられた国々が、仮想通貨を発行して資金調達を図るケースはこれからも出てくるでしょう。

  ベネズエラは仮想通貨に政府のお墨付きと資産の裏付けという付加価値を載せて(載せたつもりで)売り出したのでしょうが、現実には6割引でしか買い手がつきませんでした。ここでもし、最初からベネズエラ政府が表に出ず、埋蔵原油の裏付けなどもなしに、ごく普通の「仮想通貨」として発行していたなら、どうなっていたでしょう。

  恐らく当初価格の5~10倍、あるいはそれ以上の価格で買われたのではないでしょうか? いまの仮想通貨市場では、国家や価値の裏付けがあるよりも国籍不明で何で買われるのかわからない「謎の仮想通貨」であるほうが、はるかに人気化するからです。

  しかし、我々は本当にそれでいいのかも考える必要がありそうです。わけのわからない集団がわけのわからない仮想通貨を売り出して、よくわかっていない投資家が殺到するようにそれを買う。その仮想通貨は未熟で最低限のモラルも持ち合わせていない業者が預かって、よからぬ集団にあっさり奪われてしまう――それがここのところの仮想通貨市場の実態です。

  そろそろ冷静になって仮想通貨バブルを警戒するべきではないでしょうか?

闇株新聞プレミアムメールマガジン 20日間無料!

コインチェック事件以降、熱狂状態は落ち着いた感のある仮想通貨市場ですが、相変わらずテレビなどでは盛んにコマーシャルなどが打たれています。もちろん自己責任において誰でも自由に売買できるものですが、自分に仮想通貨投資が必要なのか、合っているのかいないのかを落ち着いて考えてみてもいいのでは? 刺激的な金融メルマガ「闇株新聞プレミアム」では皆様に投資のセカンドオピニオンを提供する、濃くて・深くて・ためになる記事を毎週配信しています。