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5500億ドルの対米投資の「第1号案件」として
「人工ダイヤモンドの生産事業」が浮上!
2026年1月27日、日米関税合意に基づく5500億ドルの対米投融資の第1号案件として「人工ダイヤモンド」を米国内で生産する計画が有力候補になっていると報道されました。
そもそも日本と米国の両政府は2025年7月、日本の対米輸出品に課される関税、いわゆるトランプ関税を25%(自動車は27.5%)から15%に引き下げる一方、日本は5500億ドル(約85兆円)の対米投資を実施することで合意。対米投資の具体的な内容については、日米が取りまとめたファクトシートを見ると、ソフトバンクグループ(9984)との連携による大規模電力インフラの建設といった「重要エネルギーインフラ」や「AIインフラ」「重要鉱物」などが投資対象として挙げられていました。
そして今回、その第1号案件のひとつとして、発電関連事業など複数のプロジェクトと並んで「人工ダイヤモンドの生産事業」が有力候補になっているとのことです。報道によれば、早ければ、3月下旬をめどに検討している高市首相の訪米を待たずに発表される可能性もあるとしています。
ダイヤモンドといえば宝飾品のイメージを持つ人も多いと思いますが、人工ダイヤモンドは半導体の超精密研磨や量子デバイスの製造、軍事用レーダーの部品などに不可欠な素材で、経済安全保障上の重要物資です。現在は中国が世界生産の6割超を占めているとの報告もあり、レアアース同様に輸出管理対象とされています。
米国も半導体製造向けの人工ダイヤモンドの多くを中国からの輸入に依存しており、その安定的な確保は重要な課題です。その解決策として、米国政府は日本企業と協力して人工ダイヤモンドの内製化を進め、中国が介在しない独自のサプライチェーンの構築を目指しています。
人工ダイヤモンドを基盤に使用する「ダイヤモンド半導体」は、
高温・高電圧・高放射線量でも動作可能な“究極の半導体”!
そんな重要物資である人工ダイヤモンドの用途として、最近注目されているのが「ダイヤモンド半導体」です。これは人工ダイヤモンドを基板に使用する半導体で、現在主流のシリコン半導体などと比べて高温や高電圧でも動作が可能なのが特徴。さらに、放射線量の高い環境でも半導体としての性質を失わない、使用時の発熱が少なく放熱性が良いなど、“究極の半導体”として実用化が期待されています。
例えば、2022年創業の大熊ダイヤモンドデバイスは、放射線センサー向けのダイヤモンド半導体デバイスを開発。福島第一原子力発電所の廃炉作業などに活用予定で、2026年には福島県大熊町に世界初のダイヤモンド半導体の商用量産工場を稼働させる予定です。
また、2025年2月に設立された佐賀大学発のスタートアップ・ダイヤモンドセミコンダクターは、佐賀大学や宇宙航空研究開発機構(JAXA)とともに、通信用途のダイヤモンド半導体の社会実装に向けた動きを本格化させています。
対米投資の「第1号案件」のひとつとして「人工ダイヤモンドの生産事業」が決まれば、ダイヤモンド半導体への市場の関心が高まることが予想されます。そこで今回は「ダイヤモンド半導体」関連銘柄に着目しました。
「ダイヤモンド半導体」関連としては、人工ダイヤモンドの単結晶を製造・販売するイーディーピー(7794)や、研究施設向け光学機器などを手掛ける大阪大学発のベンチャー企業・ジェイテックコーポレーション(3446)、ダイヤモンド工具メーカーの旭ダイヤモンド工業(6140)、ダイヤモンド複合材などを手掛けるテクニスコ(2962)、子会社のダイヤマテリアルが人工ダイヤモンドの製造を手掛ける住石ホールディングス(1514)などが中核銘柄として、よく名前が挙げられます。
しかし今回は、あえてそれら中核銘柄以外の「隠れた関連銘柄」を紹介します。
【住友電気工業(5802)】
多結晶ダイヤモンドをトランジスタの基板として活用
住友電気工業(5802)は2025年3月、科学技術振興機構(JST)の共同研究プロジェクトにおいて、大阪公立大学と共同で2インチの多結晶ダイヤモンド基板上で窒化ガリウムトランジスタ「GaN-HEMT」の作製に成功したと発表。通信分野における基幹デバイスの大容量化や低消費電力化を実現する重要なステップになるとしています。株価は強い上昇トレンドのなか、上場来高値の更新が続いています。短期的な過熱感が警戒されやすいため、押し目を狙いたいところです。
住友電気工業(5802)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【JVCケンウッド(6632)】
佐賀大学とダイヤモンド半導体の社会実装に向けた共同研究を開始
JVCケンウッド(6632)は2025年4月、佐賀大学とダイヤモンド半導体の社会実装に向けた共同研究を開始。佐賀大学はダイヤモンド半導体に関して世界最先端の研究を行っており、JVCケンウッドが強みとする無線通信機器への活用などを見据えて共同研究を進めていくとのことです。株価は、1月20日につけた高値1343円をピークに足元で調整を見せていますが、直近で200日移動平均線を割り込んでおり、ここからのリバウンドが期待されます。
JVCケンウッド(6632)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【本田技研工業(7267)】
ダイヤモンドパワー半導体による社会全体の消費電力の削減を目指す
本田技研工業(7267)は、ダイヤモンドパワー半導体について素材から実装技術まで一貫した研究を行うことで、社会全体の電力消費の大幅削減を目標に設定。現在、産業技術総合研究所との共同研究により、ダイヤモンドMOSFET(金属酸化膜電界効果型トランジスタ)デバイスの開発を進めています。株価は、足元で200日移動平均線割れからのリバウンドを見せており、1月15日につけた戻り高値1657.5円の突破と、そこからのさらなる上昇に期待したいところです。
本田技研工業(7267)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【日本電子(6951)】
佐賀大学へ電子ビーム描画装置と走査電子顕微鏡を納入
日本電子(6951)は、ダイヤモンド半導体の実用化を進める佐賀大学に対し、電子ビーム描画装置「JBX-8100FS」と走査電子顕微鏡「JSM-IT800」を納入。ダイヤモンド半導体の集積回路の描画や、半導体デバイスの内部確認などの用途に活用されているとのことです。株価は、2025年12月下旬以降、強い上昇トレンドが続いており、2024年5月高値の7546円が射程に入ってきました。
日本電子(6951)チャート/週足・2年(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます拡大画像表示
【マイポックス(5381)】
ダイヤモンドウェハの加工技術に強み
マイポックス(5381)はコア技術である「塗る」「切る」「磨く」を組み合わせ、精密研磨分野において製品提供や受託加工などを手掛けています。ダイヤモンド半導体に用いられるダイヤモンドウエハは加工が難しい素材とされますが、その研磨・加工技術に関して強みを持ちます。株価は、直近でストップ高を交えて上昇。短期的に過熱感が警戒されるため、押し目狙いのスタンスで臨みましょう。
マイポックス(5381)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【ビーマップ(4316)】
米国における人工ダイヤモンド・モジュールの開発
ビーマップ(4316)は2月2日、人工ダイヤモンドの生産・応用技術に強みを持つ国内のベンチャー企業Spicy Companyと共同で、米国市場において人工ダイヤモンドを活用した高機能観測モジュールの開発および販売事業を開始すると発表。ビーマップは、米国市場向け人工ダイヤモンド・観測モジュールの設計・開発、現地ニーズを踏まえた製品仕様の最適化、販売活動を担当するとしています。株価は調整トレンドが続いていますが、今後、上値抵抗線として意識されている25日・75日移動平均線を明確に上抜けてくるようだと、上昇トレンドへの転換が期待できます。
ビーマップ(4316)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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以上、今回は「ダイヤモンド半導体」関連銘柄を発掘しました。
なお、日米間の投資に関する共同ファクトシートには、「人工ダイヤモンド」のほかに「原子炉・SMR(小型モジュール原子炉)」や「AIデータセンター向け発電所システム」「光ファイバーケーブル」「天然ガスパイプライン」「アンモニア・尿素肥料製造施設」「米南部の港湾および水路の改修」などが投資対象として挙げられています。
対米投資は5500億ドルと巨額なため、これらの投資プロジェクトが現実化した際には投資テーマとしての盛り上がりが大いに期待されるので、他の投資対象についても注目していきたいと思います。
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