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対米投資に関する日米協議が進むなか、第1号案件の有力候補として
「データセンター向けガス火力発電」への関心が高まる
高市首相は衆議院の解散総選挙に打って出て大勝を収めました。その選挙期間中にトランプ大統領が「(高市政権を)完全かつ全面的に支持する」とSNSで投稿するなど、現在の日米は蜜月と言ってよい状態です。
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今後、日米関税合意に基づき、総額5500億ドル(約80兆円)の対米投資が実行されていきますが、すでに観測報道として「第1号案件」の有力候補が報じられています。先週の当コラムでは、そのうちのひとつである「人工ダイヤモンド」と、その派生として「ダイヤモンド半導体」関連銘柄に注目しました。
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その対米投資の第1号案件として、「人工ダイヤモンド」と並んで挙げられているのが「データセンター向けガス火力発電」です。実は、生成AIブームで半導体業界やデータセンター業界が盛り上がっている裏で「ガス発電」への関心が高まっています。再生可能エネルギーなどと比べると一見時代に逆行するイメージを持たれがちな「ガス発電」ですが、今後そのニーズが拡大していく可能性は高いと見ています。
比較的建設期間が短く、安定供給が可能な「ガス発電」は、
データセンターと併設して必要な電力を供給することも可能
無数の最先端半導体が稼働するAI向けデータセンターは膨大な電力を必要とします。電気が来なければ最新鋭のサーバーもただの巨大な箱でしかありません。そのためデータセンター需要の増加は電力需要の急増に直結していますが、世界的に電力インフラの整備が追いついていないのが現状です。
かといって大規模な火力発電所や原子力発電所は、建設地が限られるうえ、建設期間も非常に長くなるため、すぐに増設して電力供給を増やすことは現実的ではありません。また、風力発電や太陽光発電なども、24時間稼働を続けるデータセンター向けの電源としては安定性に課題が残ります。そこで注目されたのが、建設期間が短く、安定供給が可能なガスによる火力発電所です。
今後、巨大データセンターを建設する際は、同時に電源の確保が必須となりますが、ガス発電であれば、同じ敷地内にデータセンターと発電所を併設するといったことも比較的容易だとされています。
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例えば、東京ガス(9531)のグループ会社である東京ガスエンジニアリングソリューションズは1月16日、事業用不動産を扱うシービーアールイーおよび事業開発会社のラ・クレ・ドゥ・ジョワと、データセンター開発支援に関する3社協定を締結しました。今後、都市ガスなどを燃料とするガス発電システムを活用してデータセンター向け電力を確保する「電源ハイブリッド型DCソリューション」を開発。データセンター立ち上げ時における立地選択肢の拡大や早期建設に貢献するとしています。
そこで今回は「ガス発電」関連銘柄のなかから、注目企業をピックアップしました。
【三菱重工業(7011)】
長年に渡ってガスタービンの開発に取り組む中核銘柄
三菱重工業(7011)は、長年に渡ってガスタービンの開発に取り組んでおり、最新の空力設計技術や冷却設計技術、材料技術などを融合し、高効率・高信頼性な製品を開発。最新鋭のJAC形ガスタービンでは、タービン入口温度1650℃級で世界最高クラスの高効率を実現しています。株価は1月下旬にかけて一時調整していましたが、上向きで推移する25日移動平均線を下値支持線としたリバウンドから直近で過去最高値を更新。さらなる上昇が期待されます。
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三菱重工業(7011)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【放電精密加工研究所(6469)】
三菱重工業の関連会社で、ガスタービンや蒸気タービンを手掛ける
放電精密加工研究所(6469)は、三菱重工業(7011)の持分法適用関連会社です。「放電加工」の技術を生かし、さまざまな部品、精密金型、高精度プレス機などを製造し、多角化を推進。エネルギー分野では、ガス発電所で用いられるガスタービンや蒸気タービンなどの部品を供給しています。株価は、1月14日につけた高値3720円をピークに調整していましたが、25日移動平均線での攻防を経て足元でリバウンドを見せ、直近で1月14日以来の高値を更新。ダブルトップ(2点天井)突破からの一段の上昇に期待したいところです。
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放電精密加工研究所(6469)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【岡野バルブ製造(6492)】
発電インフラに欠かせない高温高圧バルブを製造
岡野バルブ製造(6492)は、発電インフラの重要部品である高温高圧バルブを手掛けています。また、主力事業の火力発電や原子力発電の分野以外にも、船舶関連のエンジンメーカーや水素装置メーカーなどを新たなターゲットに需要の掘り起こしを進めています。株価は調整が続いていましたが、1月28日につけた安値6590円をボトムにリバウンド。直近ではマドを空けての上昇を見せ、75日移動平均線を突破。このまま同線を明確に上抜けてくるようだと、2025年8月につけた高値9800円が意識されそうです。
岡野バルブ製造(6492)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【川崎重工(7012)】
高効率・低NOxの「カワサキグリーンガスエンジン」を開発
川崎重工(7012)は、ガスタービン・ガスエンジンから船舶、鉄道車両、航空機、モーターサイクル、ロボットまで幅広い分野を手掛けています。「ガス発電」関連としては、高効率・低NOx(窒素酸化物)をコンセプトに「カワサキグリーンガスエンジン」を開発。同出力クラスで世界最高クラスの高効率を実現した発電設備を提供しています。株価は、25日移動平均線を下値支持線とした上昇が続くなか、直近で1月26日につけた高値を明確に上抜けており、上昇の勢いが強まっています。過熱感が警戒されるため、週足のボリンジャーバンドの+2σ辺りを目安に押し目買いを狙いたいところです。
川崎重工(7012)チャート・ボリンジャーバンド/週足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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【中部電力(9502)】
関連会社のJERAが発電所構内にデータセンター整備を検討
中部電力(9502)は2015年、東京電力ホールディングス(9501)との共同出資により、両社の火力発電事業と燃料事業を統合した燃料・発電会社としてJERAを設立。そのJERAは2025年6月、電力インフラと連携したデータセンターの新設に向けた検討に関する基本合意書をさくらインターネット(3778)と締結。JERAのLNG(液化天然ガス)火力発電所の構内において、さくらインターネットによるデータセンター整備について検討を進めるとのことです。株価は、上向きで推移する26週移動平均線辺りでの底固めを経てリバウンド。直近で13週移動平均線を上抜け、昨年来高値を更新しました。中長期的には、2007年3月につけた戻り高値4510円が射程に入ってきそうです。
中部電力(9502)チャート/月足・20年(出典:SBI証券公式サイト) ※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます拡大画像表示
【日本製鋼所(5631)】
発電用の各種部材の製造や発電所設備の検査サービスを展開
日本製鋼所(5631)は原子力、火力、水力、風力、地熱発電用の各種部材の製造や、各発電所設備の検査サービスなどを展開。また、天然ガスなどの輸送用配管部材であるクラッド鋼材や、水素輸送用の水素蓄圧器、燃料用タンクに使われる中空成形機などを手掛けています。株価は、200日移動平均線を下値支持線としたリバウンドにより、直近で25日・75日線を明確に突破。1月の高値1万5円、さらに2025年10月の高値1万475円が射程に入ってきました。
日本製鋼所(5631)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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以上、今回は「ガス発電」関連銘柄を発掘しました。
なお、赤沢経済産業大臣は、前述した対米投資を巡る協議のために訪米しており、2月14日までデータセンター向けのガス火力発電所や、人工ダイヤモンドの製造施設の建設といったプロジェクトについて協議を行う予定です。また、3月19日に予定されている日米首脳会談でも対米投融資に関する話し合いが進められると見られます。
今後、日米首脳会談が近づくにつれ、今回取り上げた「ガス発電」や先週の「ダイヤモンド半導体」など、関連銘柄を探る動きが強まる展開に期待したいところです。
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