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2020年8月4日 ザイ編集部

投資のプロ・村上世彰さんは今のコロナ禍をどう見て
いるのか? プロからしても「コロナ・ショック」後の
株価の反発は想定外で、当面難しい相場環境が続く!

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“モノ言う株主”としてその名を知られた投資のプロ・村上世彰さんは、今のコロナ禍に何を思うのか?――緊急インタビューの内容を一部抜粋してお届け!

発売中のダイヤモンド・ザイ9月号は、投資のプロ・村上世彰さんの最新インタビューをまとめた特集「コロナ禍での投資の心構え」を掲載! これまでに、日本企業の資本効率の悪さを指摘し、改善を促してきた村上世彰さん。今回は、そんな村上世彰さんが今のコロナ禍に何を思うのかをインタビュー。株式市場の現状をどう見ているか、投資するにあたってどんな心構えを持つべきか。さらに、今後の経済回復において必要なことは何か、などを直撃した。

今回は、インタビューの前半部分を抜粋。投資のプロの目から見た株式市場の現状や、こんなときに投資家がとるべき行動などについて語っているので、参考にしてほしい!
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各国の中央政府による大量の資金供給で、株価は劇的に上昇!
ただし、村上さんは2月の時点でかなりの保有株を売っていた


投資家・村上世彰さん 【投資家・村上世彰さん】1959年大阪府生まれ。通産省(現・経産省)などを経て2006年までファンドを運営。シンガポール在住。現在は子どもたちへの金融教育に注力。著書に『生涯投資家』(文藝春秋)、『いま君に伝えたいお金の話』(幻冬舎)、『世界で一番カンタンな投資とお金の話』(西原理恵子さんと共著・文藝春秋)など。

 世界中で新型コロナウイルスが蔓延した2月以降の株式市場の動きは、正直に言って私の想定外でした。2月の時点で「これは経済がひどいことになるぞ」と思ったので、私自身はかなりの保有株を売りました。

 ところが、3月に多くのマーケット参加者と意見交換したときには、「劇的に上がるよ」という意見がとても多かった。なぜなら、各国の中央政府がものすごい量の資金を市場に供給するからです。

 私は実体経済が悪くなると思っていたから、株式市場が上がるという予想には懐疑的でした。でも、3月の中旬に米国が異例の量的緩和とゼロ金利の復活を決めて、その後に量的緩和の目標量も撤廃。日銀も国債やETFの買い入れなど、金融緩和を強化しました。この大量のマネーサプライが出た瞬間、市場は上昇。今の株式市場は、私にとっては予想外の動きをしています。

 これまでに私は、日本企業の内部留保(社内に蓄積している利益)の多さについて指摘し、改善を求めてきました。そのせいか、今回のコロナ禍で「内部留保があるから、日本企業は新型コロナウイルスによる経営ダメージを乗り越えられるのでは?」という質問をよく受けます。

 私の投資先でも、コロナ禍で自己株取得について見合わせている会社が多い。この動きに対して、今は少し待ってみようと思っています。

 ただ、今のこのジャブジャブの資金をどうするのか。私が主張しているのは、「株主にお金を返せ」ということではありません。「資金を使う目的を明確にして、資金効率を上げてほしい」ということです。だから、コロナ禍でも「内部留保を貯めておいてよかったね」という考えにはなりません。株主にとっての企業の価値が、内部留保によって上がるのか、株主に還元したほうが上がるのか、そこが重要だからです。

 足元の株式市場の上昇について自分の予想が当たらなかったので、今後のマーケットを論じるには失格の人間だと思っています。とにかく、今は先行きが見えないというのが正直なところ。でも、個人投資家は、そんなときは手を出さないのが一番だと思います。
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新型コロナウイルスの状況次第で株価は再度の暴落もあり得る
どうなるかわからないときは、いったん株を手放すのも一つの方法

村上世彰さんインタビュー

 ウイルスの正体については、今はまだよくわかっていません。今後、新型コロナウイルスが進化して、ものすごく強力になれば、世界はめちゃくちゃになる。そうなれば株は当然下がります。ウイルスが大したことなくても、回復にはそれなりの時間がかかるでしょう。なぜならば、今回はみんながものすごく恐れているからです。経済指標は4~6月期も、7~9月期も回復せず、V字型回復は見込めないと思います。

 それなのに、なぜ今、株式市場が上がっているかというと、冒頭にも言ったように、過剰な資金が市場に供給されているから。これだけ資金をバラまけば、理論的にはインフレ(お金の価値が下がってモノの価値が上がること)を招きますが、インフレにはなっていない。よくわからない状況です。

 ウイルスのさらなる感染拡大の波が来たら、株式市場は暴落する可能性が高いし、もっと言えば破綻する国が新たに出てもおかしくない。だから、上がっている今のうちに一度手放すのも手だと思うのです。


 さて、ここまでダイヤモンド・ザイ9月号に掲載している、村上世彰さんの最新インタビューの前半部分を抜粋した。インタビューの後半では、ウィズコロナ時代に村上世彰さん自身が取り組んでいることや、非常時に投資で失敗しないための「リスク管理」などについても触れているので、続きは誌面でチェックしてみてほしい!
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ザイ9月号

 今回は、発売中のダイヤモンド・ザイ9月号の特集「コロナ禍での投資の心構え」から、一部を抜粋してお届けした。

 ダイヤモンド・ザイ9月号の大特集は「継続こそ企業の実力!【10年連続株】」! この特集では、10年以上にわたって「高配当を継続」「増配を継続」「増収を継続」「金融資産の保有割合が高い状態を継続」という条件を一つでも満たす銘柄を「10年連続株」と命名。これまで日本株市場はさまざまな国難に翻弄されてきたが、「10年連続株」には危機を乗り越える“底力”を持った銘柄が多い。そこで、特集では「10年連続株」の条件を満たす注目銘柄を、先の4条件の下に分類してピックアップ。ダイヤモンド・ザイ独自の基準でスコアを付け、ランキング形式で紹介しており、投資の参考になるはずだ。

 ダイヤモンド・ザイ9月号では、ほかにも読みごたえのある特集を多数掲載! 10年間好成績をキープする投資信託をセレクトした「10年ずっと成績がいい投資信託ベスト15」や、コロナ禍の中で開催された株主総会のレポートをまとめた「2020年【株主総会】事件簿」、「ウィズコロナ時代の【株主優待】新常識&カタログ47」など、盛りだくさんな内容となっているので、ぜひチェックを!