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経済危機でも破綻リスクが少ない“金持ち株”3銘柄!「自己資本比率」だけでなく「金融資産比率」も確認し、現金などを潤沢に保有し続ける“10年金持ち株”を探せ

2020年7月30日公開(2022年9月22日更新)
ザイ編集部
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経済危機に強い「10年金持ち株」の3銘柄を紹介!"現金などの金融資産が潤沢な状態”を10年以上にわたって続ける“リッチな会社”に投資するとどんなメリットがあるのかも、わかりやすく解説!

発売中のダイヤモンド・ザイ9月号は、大特集「継続こそ企業の実力!【10年連続株】」を掲載! この特集では、10年以上にわたって「高配当を継続」「増配を継続」「増収を継続」「金融資産の保有割合が高い状態を継続」という条件を一つでも満たす銘柄を「10年連続株」と命名。これまで日本株市場はさまざまな国難に翻弄されてきたが、「10年連続株」には危機を乗り越える“底力”を持った銘柄が多い。そこで、特集では「10年連続株」の条件を満たす注目銘柄を、先の4条件の下に分類してピックアップ。ダイヤモンド・ザイ独自の基準でスコアを付け、ランキング形式で紹介している。

今回はこの特集から、"現金などの金融資産が潤沢な状態”を10年以上継続している、「10年金持ち株」について抜粋! 誌面では、総資産に占める金融資産比率が高い順に、ランキングを作成しているが、ここでは金融資産比率が高いだけでなく、業績が好調で、株価の上昇も期待できる3銘柄をピックアップするので、投資の参考にしてほしい!
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「10年配当株」ランキング第1位は、20年超も“減配”していない塩野義製薬! 第2位で業績の成長と増配が続く日産化学とともに、長期投資に最適な安定配当株

不良在庫を大量に抱える企業も「自己資本比率」は高くなる!
本当の「金持ち株」を見極めるには「金融資産比率」をチェック

「金持ち株」を探すには金融資産比率が重要!

 「コロナ・ショック」後、改めて注目を集めるようになったのが、現金をたっぷり持っている「金持ち株」だ。一般的に「金持ち株」と見なされているのは、「自己資本比率」の高い株だろう。「自己資本」とは、返済の必要がない資本のこと。反対に、銀行などから借入れて、いずれ返済しなければならないものを「他人資本」と呼ぶ。自己資本と他人資本を合算した「総資本」のうち、自己資本の比率が高ければ、借金が少ない企業と見なすことができる。

 ただし、自己資本にはその企業が保有している設備や工場、在庫なども含まれるため、必ずしも「自己資本比率が高い=現金や有価証券といった『金融資産』が潤沢で、お金持ち」とは言い切れない。売れ残りの不良在庫を大量に抱えている場合も、自己資本比率は高くなる。

 設備や工場、在庫などの資産価値は、徐々に劣化していく恐れもある。そのため、本当の「金持ち株」を探すのであれば、自己資本比率だけでなく、現金や有価証券といった「金融資産」をどれだけ持っているか(金融資産比率)もチェックする必要があるのだ。

 金融資産比率が高い銘柄には、2つのメリットがある。まずは、企業体力があって倒産のリスクが低いこと。事業を存続させるためには、たとえ金融危機に見舞われても、人件費や家賃といったコストを支払い続ける必要がある。しかし、金融資産が少ないと、想定外の事態に直面した際、すぐさま資金繰りで行き詰まるリスクが出てくるだろう。その点、金融資産が潤沢な企業であれば、蓄えの中からコストを支払うことができるため、簡単には資金繰りが悪化しない。よって、倒産のリスクも低くなるというわけだ。

 2つ目のメリットは、金融危機の最中でも、投資家からの買いが入りやすいこと。今回の「コロナ・ショック」のように先行き不透明な局面では、安全な株が買われる傾向にあるため、金融資産比率が40%以上の「金持ち株」は注目されやすい。実際、新型コロナウイルスの影響が深刻化した2020年3月以降、「金持ち株」の成績はTOPIX(東証株価指数)を上回った。

 ダイヤモンド・ザイでは、そんな金融資産比率が高い「金持ち株」のなかでも、10年以上の長期にわたって金融資産比率が高い状態を維持し続けている銘柄を「10年金持ち株」と命名。「10年金持ち株」は今後も“金持ち”であり続ける確率が高く、コロナ禍による二番底の懸念が根強いなかでも、安心して投資することができそうだ。
【※関連記事はこちら!】
日経平均株価は「二番底」をつけるのか、「バブル化」するのか? 株式市場の今後のシナリオと、株価を左右する新型コロナ、米中の対立激化などの懸念材料を解説

 もっとも、現金をたっぷり持っているということは、株主還元や投資に消極的な企業かもしれない。そうした企業は、市場では過小評価されがちで、好財務であっても株価があまり上がっていかないことがある。だが、仮に今後方針を転換して、株主還元や投資に力を入れる姿勢を見せれば、評価は一変するはずだ。あるいは、潤沢な現金を駆使して、不況下でのお得な買収を行うことなども期待できるため、いずれにしても長期で保有しておく価値はあるだろう。

業績もピカイチの「10年金持ち株」3銘柄を紹介!
図研、兼松エレクトロニクス、NSDは業績も堅調!

 ダイヤモンド・ザイ9月号では、金融資産比率が「直近10年間40%以上」「自己資本比率50%以上」「時価総額300億円以上」という条件を満たす全62銘柄を対象として、金融資産比率が高い順にランキングを作成している。以下では金融資産比率が高いだけでなく、業績の伸びも評価できる3銘柄をピックアップしてみよう。

「金融資産比率」が直近10年間40%以上で、業績も伸びている
注目の「10年金持ち株」を3銘柄ピックアップ!

  金融資産比率 最低投資額 時価総額 自己資本比率 最新の株価
20位 図研(6947・東1)
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【コメント】CAD/CAMシステムの大手。今期は1円増配の予定。下期には新型コロナウイルスの影響が薄れる想定で、5G向けなどの需要拡大に期待大。
24位 兼松エレクトロニクス (8096・東1)  
61.1% 41万円 1160億円 73.6%
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【コメント】兼松傘下のSIer。テレワークやセキュリティ需要が増え、クラウド型サービスの提供も開始。業績は堅調で、株価も底堅く推移する。
31位 NSD(9759・東1)
59.1% 19万円 1753億円 82.5%
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【コメント】独立系のソフト開発会社。テレワーク支援システムの構築などが好調で、遠隔健康支援サービスも展開。株価も堅調に推移する。
 ※データは2020年7月6日時点。
 ※銘柄コメントはグローバルリンクアドバイザーズの戸松信博さん、経済ジャーナリストの和島英樹さん。

 全62銘柄のランキングの全貌は、ダイヤモンド・ザイ9月号の誌面をチェックしてほしいが、全体を通して見えた傾向は、ITやネット系を中心に、工場などの固定資産が少ない銘柄が多かったことだ。上の表で紹介した3銘柄も、揃ってIT関連の事業を展開。これらの企業は、多額の設備投資をすることなく、効率的に稼げる事業で、現金を継続的に積み上げていると見られる。

 そのほか、研究開発などにまとまった資金をすばやく投じることができるよう、手元資金を厚くする傾向が強い医薬関係や、特定の業界でシェアが高い商品を持つニッチな製造業の企業なども「10年金持ち株」には多く見られた。IT関連は栄枯盛衰が激しいが、大手の医薬関係やニッチ業界の企業は比較的安定感があり、長期投資に向いている。ぜひ、誌面の「10年金持ち株」のランキング結果も併せてチェックしてほしい!
【※関連記事はこちら!】
「配当利回りランキング」高配当ベスト50銘柄を公開!【2020年最新版】会社予想の配当利回りランキングと一緒に、株主優待の有無や連続増配期間もチェック!

コロナ禍で不透明な相場環境の中でも注目すべき株とは?
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 今回は、発売中のダイヤモンド・ザイ9月号の大特集「継続こそ企業の実力!【10年連続株】」から、一部を抜粋してお届けした。

 ダイヤモンド・ザイ9月号では、ほかにも読みごたえのある特集を多数掲載! 有名個人投資家の座談会や、注目の株主優待株をカタログ形式で紹介する「ウィズコロナ時代の【株主優待】新常識&カタログ47」、10年間好成績をキープする投資信託をセレクトした「10年ずっと成績がいい投資信託ベスト15」は必見だ。

 さらに、コロナ禍の中で開催された株主総会のレポートをまとめた「2020年【株主総会】事件簿」、「村上ファンド」としてその名を知られた村上世彰さんに聞く「コロナ禍での投資の心構え」も見逃せない!

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