ザイスポ!
2014年1月28日 渡辺 一朗

何度も大損失を繰り返してきたベテラン投資家が
アベノミクスで資産を10倍・4億円にできた理由(前編)

どの銘柄を買うかより
どのタイミングで売るかが大事

――タイミング重視で、ファンダメンタルズについてはあまり厳密には見ていないということですか?

 そうですね。私、買うときは衝動買いでもいいと思うんです。最低限、数年間に渡って増収増益基調が続いていて、かつチャートが右肩上がりのきれいな上昇トレンドを描いている銘柄を選んでおけば、そんなに大失敗はしないものです。それよりも利益が出たときにどういうタイミングで売るか、あるいは売らないか――それが成否を分けるのです。

 私のトレードルールは、買った銘柄が首尾よく上昇トレンドに乗って評価益が増え、ピークから10%以上減じたら降りる(利益確定する)というもの。もちろん、売ったところが絶好の押し目で、そこから反発して上げていってしまうこともあるでしょう。「売らずに持っておけば儲かったのに…」と考えると悔しい。けれど「勝ちで終われたのだからよしとしよう」と考え、そこからは追いかけるべきじゃありません。

 日本には4000社ちかい銘柄が上場しているのですから、ほかにも増収増益基調で上昇トレンドを描いている株はたくさんあります。銘柄に固執して、ストーカーになってはいけない。なにより大事なのは「大損しない」心掛けです。儲け損なったくらい、どうということはありません。

 一方で株価が高値をつけてからいったん下げに転じても、評価益のピークから10%以上減らないうちは、手放しません。「利を伸ばす」ことも、また大事だと思うからです。買った銘柄がびっくりするくらい上昇しても、トレンドが継続しているかぎりは売らず、とことん食らい付いていくべきです。

――よく「チャートが高値をつけてから10%以上下げたら売る」という売買ルールを使っている人はいますが、新村さんの場合はご自分の評価益が基準になっているんですね? また、買ってすぐ含み損になった場合はどうされているのですか?

 はい。私の利益確定のルールは「チャートが高値のピークを売ってから10%下落したら売る」というのとは違います。あくまでも自分の含み益を基準としています。というのも私は上昇の途中でも状況を見ながら買い増しもしているわけです。

 買い増した株数が多ければ、そのぶん平均買値も引き上がるので「評価益のピークから10%減」のポイントも底上げされます。早く10%ポイントに達するということは、それだけ自分がその銘柄に対し、熱くなっているということでもあります。

 利益確定を客観的なチャートではなく自分の評価益を基準としているのは、銘柄と自分の投資スタンスとの関わりを気にしているからです。

 買ってすぐに下げ始めるという場合もありますね。その場合は……良いか悪いかは別として、押し目だと思ってどんどん買ってしまいます。自分の判断が誤っていたことを認めたくないという心理もあるのでしょうが、悪材料も出ていないのに下げた場合はなおさらです。

それでいつの間にか泥濘に嵌り、身動きがとれなくなっていた失敗も多いですよ。そういう場合、最後はやっぱり投げ売りになってしまいます。そして、自分が投げたところが底だったというのもよくあることですが、それは仕方がありません。(後編に続く

(取材・文/渡辺一朗)

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