貯金のプロが教えるネット銀行活用術
【第1回】 2015年6月9日 八ツ井慶子

銀行の金利やサービス内容には意外と差がある!
銀行の基本的な業務内容を改めて確認して
お得なネット銀行を活用する方法を考えよう!

「貯金・貯蓄のプロが教えるネット銀行活用術」が今回からスタート! 誰もが利用しながら意外と知らない銀行のサービスを紹介。さらに、銀行の比較・活用方法を徹底解説! 教えてくれるのは、銀行業界出身のファイナンシャルプランナー・八ツ井慶子さん。実は“銀行マニア”でもある八ツ井さんのレクチャーで、賢く銀行を活用する方法を学ぼう!

 私たちにとって身近な存在である銀行。お金を全部家で「タンス預金」にしておく人はあまりいないでしょうから、国民の大部分は銀行を活用しているはずです。ちなみに、日本人のタンス預金は30兆~80兆円以上にも上るといわれます。背景には、預金金利が超低水準であることや、金融機関の破綻リスクへの懸念などがあるのでしょう。しかし、タンス預金には火事などの災害で消失したり、盗難に遭うリスクもあるので、注意が必要です。

 銀行を選ぶ際ですが、深い理由もなく決めて、何となく利用しているケースが大半ではないでしょうか? しかし、それではあまりにももったいないです。銀行のサービス内容は、どれも似ているように見えて、意外に各行で差があるからです。

 私はファイナンシャルプランナーですが、以前は銀行業界の信金に勤めていたこともあって、銀行好きです。多くの銀行サービスをウォッチしていますが、世間であまり知られることなく埋もれている便利なサービスが、まだまだたくさんあると感じます。この連載では、少しずつそれらの銀行サービスを紹介していくつもりです。

 今回は初回なので、私と銀行との関わりをもう少し掘り下げましょう。そもそも、私は学生時代から、銀行業界に関心がありました。銀行は国民生活に不可欠な存在ですから、そんな銀行に入って、多くの人に必要とされる仕事をしてみたいと思ったからです。

引き出しを探ると、通帳がザクザク出てくる人も多いのでは?※写真はイメージです。

 一時は、さまざまな銀行、信金に口座開設するという、マニアックな趣味を持っていたこともあります。元々は、アルバイトする度に勤務先からバイト料の振込口座を開設するよう命じられ、いくつも銀行口座を持つようになったのがきっかけです。そこから収集欲が芽生え、好んで口座開設をするようになりました。習慣は信金に勤めだしてからも続き、近隣の金融機関ばかりでなく、旅先で見つけた地銀や信金にも口座を作りました。

 ただし、じきにその熱は冷め、今や大量の通帳が引き出しから取り出されることはありません。いちいち口座を解約して回ってはいないので(本当はしたほうがいいですが)、その多くが「休眠口座」と化しています。各金融機関の皆様にはご迷惑をおかけして、本当に申し訳なく思っています。

取引のない口座の管理は銀行にとって大きな負担
通帳一冊を発行するだけでもコストがかさんでいく

 休眠口座とは、長期間引き出しや預け入れなどの取引が行われていない口座のことです。通常、10年を超えて取引がないと、原則的に休眠口座と見なされます。1万円以上の預入があると、預金者にその旨を通知する書類が届きますが、預入が1万円未満の場合には、通知もされません。

 その後、休眠口座に入っていたお金は、帳簿上銀行の“利益”としてカウントされます。つまり、銀行には休眠口座のお金を自由に使える権利があるのです。とはいえ、後から請求すれば全額返してはもらえますし、休眠口座と見なされていた期間分も利息は支払ってもらえます。よって、休眠口座にしてしまうこと自体が、大きなリスクというわけではありません。口座の存在さえ忘れなければOKです。

 話を戻しましょう。銀行からすると、口座管理にはコストがかかります。通帳だって、銀行にとってはタダではありません。改めてよく見ると、通帳は丈夫で特殊な紙で作られています。メジャーなキャラクターをデザインに採用している場合も多いので、コストがかさむのは当然です。逆に、ネット銀行には基本的に通帳がないので、コストがかからない分金利を高くしたり、手数料を引き下げたりできるのです。

 よって、私のようにほぼ使わないとわかっていながら口座を作る客は、銀行からすると、ムダなコストを発生させる迷惑な存在です。銀行に迷惑をかけるばかりでなく、やみくもに口座を開設すると自分の管理が大変になるので、おすすめはしません。ですが、多くの金融機関に興味を持ち、調べてみること自体は、決して悪いことではないと思います。