2022年11月に新規上場した「IPO株」5銘柄のうち、アナリストがもっとも注目するのは「tripla」!
ダイヤモンド・ザイ2023年2月号の連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」では、IPO株の専門家であるダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの小林大純さんが、2022年11月に新規上場した「IPO株」全5銘柄を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価している。さらに、その中でもっとも注目すべき有望株1銘柄もピックアップしているので、投資の参考にしてほしい!
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11月に新規上場した「IPO株」は全部で5銘柄!
公開価格割れもあれば、初値が公募価格の5倍超になった銘柄も!
11月の新規上場は5社。例年、駆け込みIPOラッシュとなる12月の前ということもあり、数としては少なめだった。
公開価格に対する初値の騰落率は、全般に好調。ベースフード(2936)は7月以来の公開価格割れとなったものの、上場前から注目を集めていたウェルプレイド・ライゼスト(9565)は、期待をさらに上回って5.3倍を記録した。これは2020年10月以来の上昇率だ。
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米国の10月のインフレ率(CPI)が市場予想を下回り、金利上昇が一服したことが、株式市場全体への追い風となった。ただし、インフレ率と金利の低下は米国の景気減速が要因のため、「景気敏感株は買われにくく、内需系の成長株に資金が集中している」と、ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの小林大純さんは指摘する。
実際、日経平均株価と比較して、マザーズ指数の10~11月の上昇率は高い。この傾向は当面続きそうだ。
「11~12月初旬の状況から見ると、投資家の需要は堅調のようです。IPOラッシュとなる12月は、投資家の資金が分散することによる株式需給の悪化が懸念材料ですが、同月も良好な結果となれば、2023年の新興株も期待できるでしょう」(小林さん)
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2022年11月の【IPO株】5銘柄を徹底診断! |
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上場日 | 公開価格 | 初値 (騰落率) |
株価 (12/5) |
PER (PBR) |
今後1年の 高値予想 (安値予想) |
投資判断 |
15日 | ◆POPER(5134・東G) | |||||
700円 | 1110円 (+58.6%) |
755円 | ー倍 (7.93倍) |
1100円 (650円) |
中立 | |
【分析コメント】教育業界向け業務管理クラウド。教育ICT市場の拡大で売上を伸ばし、23年10月期は黒字転換へ。ただ、公開価格の1.5倍以上で、一部の上場前株主の売却制限が解除されることが重し。 | ||||||
15日 | ◆ベースフード(2936・東G) | |||||
800円 | 710円 (-11.3%) |
540円 | ー倍 (105.68倍) |
800円 (400円) |
中立 | |
【分析コメント】完全栄養食を手掛ける。パン、パスタ、クッキーなどが話題で、売上は急伸だが赤字。公募・売出規模がやや大きく、当初の想定価格から仮条件を引き下げたことも悪印象で、軟調な発進。 | ||||||
22日 | ◆ティムス(4891・東G) | |||||
670円 | 919円 (+37.2%) |
993円 | ー倍 (18.29倍) |
1000円 (500円) |
中立 | |
【分析コメント】東京農工大発のバイオ創薬。急性期脳梗塞の治療薬は日本で前期第2相試験が完了。赤字先行だが、今後の開発進展に伴う米国の契約企業からのマイルストーン(新薬の開発進捗に応じて開発企業に支払われる一時金)受領に期待。 | ||||||
25日 | ◆tripla(5136・東G) | |||||
800円 | 1620円 (+102.5%) |
1419円 | 159.4倍 (46.54倍) |
2200円 (900円) |
強気 | |
【分析コメント】ホテルや旅館の予約エンジン、問い合わせ対応のAIチャットボットを提供。自社サイトを作ってオンライン旅行会社への依存を減らしたい業界ニーズを取り込み、高成長。 | ||||||
30日 | ◆ウェルプレイド・ライゼスト(9565・東G) | |||||
1170円 | 6200円 (+429.9%) |
7250円 | 190.0倍 (105.81倍) |
7500円 (2000円) |
強気 | |
【分析コメント】カヤックの子会社。eスポーツ専業の上場という目新しさと、公募・売出規模が小さかったことで初値高騰。過熱感が強く、すでに始まった23年10月期の業績動向を見極めたい。 | ||||||
※データは2022年12月5日時点。 |
アナリストが5銘柄の中でもっとも注目するのは「tripla」!
大幅増収に加えて黒字化も高評価の要因に!
ここからは、11月のIPO株の中で、小林さんが特に注目するtripla(5136)を紹介していこう。
triplaは、ホテルや旅館の予約エンジン、問い合わせ対応のAIチャットボットを提供している企業。自社サイトを作ってオンライン旅行会社への依存を減らしたい業界ニーズを取り込み、高成長を遂げている。すでに23年10月期の大幅な増収増益予想を開示している点に安心感があり、小林さんの投資判断は「強気」と高評価。また、上場前株主の売却一巡で、株価は見直される見通しだ。
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【2024年11月1日時点】
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◆SMBC日興証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
19社 52社 |
24社 47社 |
26社 80社 |
10%:1人1票の平等抽選 最大5%:「ステージ別抽選」※1 |
345万 |
【ポイント】 大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。 ※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。 |
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◆SBI証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
21社 91社 |
13社 89社 |
21社 122社 |
60%:1単元1票の平等抽選 30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分 10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分 |
1245万 ※ |
【ポイント】 ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる。当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。 ※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。 |
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。 |