成長する米国&世界に投資する最強のFIRE計画(プロジェクト)

S&P500に大差をつけた
「バーベル戦略」の片翼を担った石油株。
中期ではいいけれど、長期でなぜ持ってはいけない?

2023年3月9日公開(2023年3月7日更新)
ポール・サイ
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事
1

元フィデリティ投信のアナリスト、ポール・サイ氏。彼がメルマガで配信した銘柄で組んだポートフォリオは約半年で、S&P500 ETFに対し為替込みだと約24%、為替を含まない米ドルベースだと約28%もの差をつけた。以下のパフォーマンスを示すグラフでは、赤のS&P500 ETFに対し、黄色のポール氏のポートフォリオが着実に差を広げてきたのがよくわかる。

ポール・サイ氏ポートフォリオとS&P500ETFのパフォーマンス推移

そんなポール氏の人物像と好パフォーマンスのヒミツに迫る本記事シリーズ、第3回は総悲観であっても買ってはいけない銘柄やポール氏がとる「バーベル戦略」の片翼を担った石油株について取り上げる。

[第1回の記事]
米国株なら何でも儲かると聞き2022年の下落で損した投資家必見! S&P500に28%もの差をつけたポール・サイ氏のポートフォリオ、好成績のヒミツとは?
[第2回の記事]
ネットフリックス(NFLX)やメタ(META)を総悲観の中で果敢に買いに出られたワケとは? S&P500に28%もの差をつけたヒミツに迫る!

大きく下落している株を何でも買えばいいわけではない。ビヨンド・ミートは買いに出ない選別眼

 本記事シリーズでは、ネットフリックス(ティッカー:NFLX)、メタ(ティッカー:META)と市場が悲観視していた銘柄をうまくポール氏がポートフォリオに組み入れてきたことについて紹介してきた。

 「悲観視されているところにこそチャンスはある」とポール氏は言う。じゃあ、大きく下落している株を何でも買えばいいかといえば、もちろん、そんなことはない。生半可な知識で中途半端にマネすれば、痛い目にあうこともある。これまでも紹介してきたように、その企業の強みが失われていないか確認することが大切だとポール氏は説く。

 ここで、強みが失われてしまったとポール氏が判断した例も挙げておこう。

 ビヨンド・ミート(ティッカー:BYND)である。代替肉を製造する食品テクノロジー企業として一時期、かなり話題になった企業だ。

 ポール氏はザイ・オンラインの連載記事で、買ってはいけない株としてこのビヨンド・ミートを取り上げたことがある。その時、ポール氏はこんなふうに書いていた。

 ビヨンド・ミートが成功するかどうかは、次の1つの仮説に集約することできます。

 仮説「ビヨンド・ミートの代替肉を好きで食べる人はたくさんいるか?」

 この仮説の正否によって、ビヨンド・ミートの将来の株価は決まります。

 結論から言うと、最初、消費者は興味本位で、ビヨンド・ミートの製品を試しました。でも、その目新しさが色褪せたら、消費者たちは買わなくなりました。それで株価は暴落しました。

 ビヨンド・ミートの代替肉を好きで食べる人がたくさんにならない限り、株価は二度と上がらないでしょう。

[参考記事]
話題のビヨンド・ミート(BYND)は買えるのか? ピーク時から94%も株価が下落! 植物性代替肉は投資家の夢をかなえてくれるのか?

 強みの失われてしまったビヨンド・ミートは株価が大きく下落していても、買いとは言えないわけである。

ビヨンドミート 週足ビヨンドミート 週足 出所:TradingView

 ポール氏のやり方では、投資家の悲観度合い、株価の下落度合い、それに対して、その会社の強みは揺らいでいないのかどうか、そのあたりの絶妙なバランスを推し測り、買いかどうかを判断する必要がある。

 ポール氏は株価が下がっているからといってアップルやマイクロソフトを漫然と購入することはなく、ネットフリックスやメタは果敢に買いに出て、ビヨンド・ミートには手を出さなかったのだ。

大学時代に株式投資を開始。低利の学生ローンを借りて、投資に回した

 台湾からアメリカへ移住し、小学校5年生から始まったポール氏のアメリカでの生活に話を戻そう。

 ポール氏は、高校生になる頃には、アジアとアメリカの架け橋になるのが自分にとって一番いいことだと考えるようになっていた。この時点で中国語はもちろん、英語も使えるようになっていたポール氏は、あとは日本語もマスターすれば、アジアの主要言語がすべて使えるようになると考え、日本語も学び始めた。

 大学はUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)に入った。専攻は機械工学。アジアには製造業が多いというのが機械工学を選んだ理由の1つだった。アメリカで過ごしていたが、生まれた地域、アジアへ向ける視線をいつも持っていた。

UCLA公式サイトUCLA公式サイト

 日本語がある程度できたので、交換留学で東京大学工学部へ留学。その時はマイクロマシンの研究を行った。日本へ留学したことで、日本語はさらに上達した。

 大学時代には初めて株式投資にも足を踏み入れた。学生ローンを借りる必要はなかったが、学生ローンは低利なので、あえて借りて、その分を投資に回すのが良いと父から言われ、実践したのだ。ポール氏はネット証券のイー・トレードに口座を作り、経済紙、ウォール・ストリート・ジャーナルを読むようになった。

 大学を卒業してから、就職したのはモービル石油(現エクソン・モービル)だった。そこでエンジニアとして働いた。

[参考記事]
私の歩んできた道(1) ネットバブルに乗り、バブル崩壊前に株を売り切った! バブルを若いうちに実感できた方がいい理由とは?

※メルマガ「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」募集中! 米国株&世界の株分析毎週届き、珠玉のポートフォリオの提示も! 登録から10日以内の解約無料。


ダイヤモンドZAi 2024年6月号
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

配当&株価が10倍株!
NISA投信グランプリ
ふるさと納税

6月号4月19日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[配当&株価が10倍になる株!]
◎第1特集
配当&株価が10倍になる株!
10年持ちっぱなしで「配当が10倍」になる株や「株価10倍」になる大型優良株を発掘
・誰もが知ってる大型株・優良株で実現
・新興国に進出/AI・半導体/
高齢化・人手不足/環境・EV
・番外編:1年で株価2倍になる株


◎第2特集
ダイヤモンド・ザイ
NISA投信グランプリ2024

2回を迎える、投資信託のアワードを発表!
NISAの投信選びや保有投信のチェックに最適

・NISAで運用できる投資信託のみが対象
・個人投資家が選びやすいよう、本数は30本のみ!
・個人投資家がわかりやすい部門で表彰


◎第3特集
ふるさと納税 日本3大グルメ&生産地
返礼品60 

日本3大和牛、3大地鶏、といったブランド食品や、日本3景、3名泉のベストグルメ、大注目の魚介、フルーツの3大産地の返礼品などを紹介

◎第4特集
FXで1億円!
年億稼ぐトレーダーの「神トレ」大公開!

ドル/円が34年ぶりの安値更新など、活況の為替市場。
FX界隈では、1年で「億」を稼ぐ「年億」の個人投資家が続々誕生しています。その手法を、わかりやすくお届け


◎【別冊付録】

いつまでたっても始められない人に贈る
新NISA「超ラク」スタートBOOK
完ペキさを求めてなかなか始められないより、「ラク」に「早く」始めたほうが、結果的にオトク
なかなか始められない人向け、ぐうたら指南書


◆出遅れJリートに投資チャンス! 利回り4~5%台投資判断&オススメJリート 
◆おカネの本音:渋澤 健さん
◆10倍株を探せ! IPO株研究所
◆マンガ恋する株式相場「コンビニがGAFAの一角に!?」
◆マンガ「昭和のボロ空き家はそのまま貸せばいい!?」
◆人気毎月分配型投信100本の「分配金」速報データ!


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!



「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報