【日本株】8月5日の“植田ショック“で大暴落したあとに株式市場で注目されている銘柄や業種を解説!
発売中のダイヤモンド・ザイ11月号の巻頭特集は「植田ショック後の【日本株】の狙い目」。8月の上旬は、日経平均株価がたった1日で4451円も下落するなど、歴史的な大暴落相場となった。この特集では、大暴落の真相を分析すると同時に、新局面における有望な投資先や投資戦略を紹介しているので、投資の参考になるはずだ。
今回はその中から、8月5日の日本株の大暴落以降に株式市場で人気化している銘柄の傾向を紹介!
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「植田ショック」以降、買われているのは「円高メリット株」
米国の利下げで今後も円高に強い株が注目される!
2024年8月の初旬、直前の7月31日に決定された日銀の利上げが引き金となり、日本株は大暴落。「植田ショック」として歴史に刻まれるほどの大暴落相場となった。その後、株式市場で買われる銘柄は暴落前と比べて変化が生じている。具体的にどのような変化があるのか、大和証券・日米株チーフストラテジストの坪井裕豪さんに分析してもらった。
まず目立ったのが、7月まで好調だった輸出企業に代わって、円高が業績にプラスになる「円高メリット株」が買われるようになったこと。
「大暴落した8月1~5日より少し前、日経平均株価が最高値を更新した7月11日から変化はありました。この頃から、日銀の利上げが議論され始めたためです」(坪井さん)
下のグラフから、その兆候が読み取れる。海外売上高の比率が高い「円安メリット株」は、7月11日を境に株価が軟調になり、大暴落した8月5日以降は低迷したまま。これとは逆に、円高メリット株は暴落時に資金の逃避先となり、それ以降も好調に推移している。
「日本企業は海外売上高の比率が高まり、円高がメリットになる企業が少なくなりました」(坪井さん)
そんな中で、今の代表的な円高メリット株として挙げられるのは、ニトリホールディングス(9843)や日清製粉グループ本社(2002)、東京ガス(9531)など。いずれも原材料の海外調達比率が高く、円高になると調達コストが抑えられて利益が上ブレしやすい。今後、米国は利下げ基調、日本は利上げが見込まれ円高に動く可能性が高いだろう。このため、円高メリット株が買われる傾向は続きそうだ。
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大暴落以降は景気に左右されにくい「ヘルスケア株」や、
優良企業の証とも言える「連続増配株」「高ROE株」などが人気!
円高メリット株以外に、大暴落以降で買われているのはどのような業種や銘柄か。坪井さんが挙げたのは「ヘルスケア株」「連続増配株」「高収益株」「DX関連株」だ。共通点は「景気が悪い時も業績が安定していること」(坪井さん)だという。
まずは、医療や医薬品といった「ヘルスケア株」。景気が悪くなっても薬を飲まなくなるわけではないので、製薬メーカーは景気に左右されにくい業種の代表格だ。また、医療機器や検査機器メーカーは、とりわけ大暴落した8月5日以降に株価の動きが強くなっている。
同様に「連続増配株」も景気後退局面での耐性が強い。毎年配当額を増やせるということは、好不況にかかわらず事業が安定しているということ。今回は7月中旬から株価の動きが強くなる傾向が見られた。
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なお、同じ配当狙いでも対照的なのが景気敏感の高配当株。配当利回り4%以上の株に多くみられる銀行や鉄鋼は景気の影響を受けやすいため、暴落以降は株価の動きが鈍くなった。こうした点からも、相対的に連続増配株の魅力が増している。
ROE(自己資本利益率)が高い「高収益(クオリティ)株」は、稼ぐ力が強い優良企業と見なされ、逆境に強い。日本では2023年~今年前半は東証改革でPBR1倍割れの株が人気化していた半面、高収益株はあまり買われていなかった。それが、7月から見直されて買われ始めている。
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さらに注目すべきなのは、DX関連株。坪井さんは、日銀短観の日本企業の設備投資計画でソフトウェアへの投資がずば抜けて高いことに注目しており、この先も強い需要を期待している。さらに、顧客が国内企業のため、為替の影響をあまり受けない点も有利だ。
今後も米国の大統領選挙を控え、値動きを読みづらい展開が続くので、今回の記事を参考にしながら銘柄選びをしてみてほしい!
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