・トランプ次期大統領が中国などへの関税強化を発表し、日経平均は一時700円安…
・6月期第1四半期決算の振り返りで営業利益進捗率ランキングを点検
・コラムはインド株投資信託について
【1】今日の株式
トランプ氏の関税発言で一時700円安
日経平均株価は3日ぶり反落! 25日の米国市場で主要株価指数はそろって上昇。トランプ次期政権の財務長官に、金融に精通したスコット・ベッセント氏の起用が発表されたことが好感され、NYダウは連日で最高値を更新した。S&P500指数は一時節目の6000を回復、小型株から構成されるラッセル2000指数も大きく上昇して最高値に迫った。一方、今日の日経平均株価は下落スタートすると、一時は3万8020.08円(-760.06円)まで下げ幅を拡大。トランプ米次期大統領が中国やカナダ、メキシコに対して関税を強化すると発表したことを契機に投資家心理が悪化し、半導体株からハイテク株、景気敏感株まで幅広く売られた。取引終盤にかけては下げ渋ったが、外国為替市場で円高・ドル安が進んでいたこともあり、戻りは限定的だった。
個別では、レーザーテックやフジクラなどの半導体株・生成AI関連株のほか、川崎重工業などの防衛関連株の下げが大きかった。今晩の米国ではコンファレンス・ボードによる11月の消費者信頼感指数などが発表される。
【日経平均】38442.00円↓(-338.14円)
【グロース250】635.47↓(-2.71)
【NYダウ】44736.57ドル↑(+440.06ドル、25日)
【ナスダック】19054.835↑(+51.184、25日)
■日経平均株価チャート/日足・6カ月
【2】今日の注目株!
第1四半期進捗率ランキング、朝日インテックなど
今日は発表が一巡したばかりの7~9月期を第1四半期とする、6月期決算の企業の営業利益進捗率ランキングを下表にまとめた。業績が会社計画に対して順調か、また上方修正を期待できるかという点で、第1四半期決算は最も重要視される。第1四半期が高進捗の企業は、その後、株価パフォーマンスが好調な傾向もあるため、表掲載銘柄の決算内容を点検しておこう。
血管内治療に使用されるカテーテルやガイドワイヤーで世界トップクラスを誇る朝日インテックは、第1四半期営業利益の通期計画に対する進捗率が38.6%と巡航速度の25%を大きく上回る。前年同期のハードルが高く、第1四半期は減益が予想されていたが、営業利益は20.9%増と好発進。症例数が回復している中国を中心に医療用器具の販売が好調で、一過性要因があったとはいえ、粗利益率は前年同期の64.9%から69.0%へと大幅に改善した。
「ドン・キホーテ」などを運営するディスカウントストア最大手のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスも、営業利益は24.9%増と好スタート。コスト発生の期ずれなど一過性要因はあったが、それを差し引いても会社計画を上振れているもよう。生活防衛意識の高まりを背景に、今後も好業績が期待できそうだ。土木資材などを手掛ける前田工繊は、能登半島災害復旧や防衛等を背景に防災・減災のためのソーシャルインフラ事業が好調だ。
一方、製造業向けの技術者派遣などを行うテクノプロ・ホールディングスやオープンアップグループは業績堅調ではあるが、人手不足による採用競争の激化や離職率の拡大など事業背景が厳しく、株価もやや冴えない。決算は見た目の数値だけでなく、内容まで精査しておこう。
■朝日インテック株価チャート/日足・6カ月
【3】火曜連載「ザイ編集部発! 週イチ『投資信託ニュース』」
日本人は米国株の次にインド株が好き!?
2024年10月末時点のインド株型投資信託の残高は3兆8800億円と過去最高の記録を更新中。これは他の国に投資する投信と比べると…? BNPパリバ・アセットマネジメント藤原延介さんの連載を、ダイジェスト版でお届け。
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インド株に投資する投資信託への資金流入が続いています。新興国の株に投資するタイプの投信の中で、インド株は一人勝ちの様相を強めていると考えられます。そこで、インドと他の単一の国に投資する投資信託の残高を比較してみましょう。
投信評価を行うモーニングスターのデータによれば、9月末時点の外国株式型の残高は67.6兆円。その過半は世界に分散して投資するグローバル株式型です。一方、単一国株型で残高が最も大きいのが、米国株型投資信託で、合計残高は22.1兆円に達しています。その次に続くのが、インド株型投資信託で3.8兆円です。3位以下の残高は非常に小さく、豪州株型が2500億円程度、ベトナム株型が1600億円程度、中国株型(中華圏含む)が1400億円程度にとどまります。なお、インド株ファンドは9月末時点で41本まで増加していますが、1本あたりのファンド残高が900億円を超えていることからも、他の新興国の単一国ファンドとの人気の差が際立っています。
ちなみに、日本の株式に投資する投資信託の残高は16.9兆円。じつは日本株型は米国株型を残高で下回っています。米国が極めて人気の高い投資先であることがわかります。つまり、投資信託の残高から見ると日本の個人投資家に人気なのは、米国株、日本株、インド株の3カ国ということ。単一国でより高い成長を狙う資金は、先進国では米国へ、新興国ではインドへ向かう傾向が強まっていると言えそうです。
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