成長する米国&世界に投資する最強のFIRE計画(プロジェクト)

「推奨ポートフォリオが2024年に約60%上昇」ポール・サイの投資術は、AIで市場が悲観的になった時に買う! 市場が過熱している時は売るか待つ

2024年12月20日公開(2024年12月20日更新)
ポール・サイ
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事

「推奨ポートフォリオが今年1年で約60%上昇」という成績を残したポールさんが教える、とっておきの投資術とは?

 2024年12月17日(火)、米国・シアトルからメルマガ&オンラインサロン「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている元フィデリティ投信トップアナリストのポール・サイさんが、ストックボイス社が手掛ける経済・マーケット番組「WORLD MARKETZ」(TOKYO MX 月~金 22時~23時)に生出演した

ポール・サイさんプロフィール

 前回の放送では、バリュー投資家として有名なある教授が「マグニフィセント・セブンに調整があるなら買った方がいい」と発言したことや、イーロン・マスクがトランプ政権の中に入る可能性が高く、テスラ株が上昇している点に注目した。
【※関連記事はこちら!】
割安銘柄を好むバリュー投資家の著名人が、割高なマグニフィセント・セブンの押し目買いをオススメするワケは? イーロン・マスクが政治力を高めテスラ上昇

 今回の放送では、ポールさんがメルマガで推奨するポートフォリオが今年1年で約60%上昇したことを報告。2025年のアメリカは少しインフレになる可能性が高く、その場合の投資行動をさまざまなケースで検討。加熱した市場への向き合い方など、ポールさん流の投資術を教えてくれたので早速チェックしていこう。

メタやエヌビディアなどAI関連の大型株のパフォーマンスがよかった

 番組は、ポールさんの出演が年内最後となったことをアシスタントの木村カレンさんが紹介し、「今日は最初にズバリお聞きします。ポールさんの今年(2024年)1年の運用パフォーマンスはいかがだったでしょうか?」と、鋭く切り込むところから始まった。

 ポールさんは12月18日(水)の当コラムでも書いたとおり、メルマガ「米国株&世界の株に投資しよう!」の推奨ポートフォリオが今年1年で約60%上昇し、S&Pの29%上昇を31%上回るいい成績だったと報告。「2年間の成績で見ても似たようなパフォーマンスで、割と良かったです」と胸を張った。
【※関連記事はこちら!】
推奨ポートフォリオの2024年年間パフォーマンスは約60%上昇! S&P500の約2倍のリターンを上げたポール・サイが予想する2025年の経済環境、株式市場は?

ここ2年のポール・サイメルマガ推奨ポートフォリオ(オレンジ色のライン)とS&P500連動ETF(赤色のライン)のパフォーマンス(12月18日コラムより抜粋)

  すると、番組MCの渡部一実さんが、ポールさんの推奨ポートフォリオはどんなところをメインに構築して、好パフォーマンスにつながっているのかを質問した。

 「この番組でも話しましたが、AI関連の銘柄が多かった」とポールさん。AIと原子力発電銘柄、2年ちょっと前に組み入れた石油銘柄の3つのセクターの比重が大きく、直近ではメタやエヌビディアなどAI関連の大型株のパフォーマンスがよかったようだ。
【※関連記事はこちら!】
AIに国家レベルの重要性があると信じるなら、NVIDIAの決算が悪くても、どんな理由でも下がっているときに買うべき! 決算が良いと確認して買うのは遅い

気候変動問題対処のため脱炭素を目指すエネルギー転換の流れ。投資家の注目が集まるのは再生可能エネルギーだが、そこにある多くの課題とは?

2025年のアメリカは少しインフレになる可能性が高い。現金をある程度持ちながら、市場が悲観的になるタイミングで投資するといい

 続いて、来年(2025年)の経済と投資の話に。

 一昨年(2022年)はインフレ退治のためにFRBが政策金利を引き上げ、昨年(2023年)は金利が高止まり、今年は金利を少し下げ始めたけれど、来年の金利やインフレをポールさんはどう見ているのか、渡部さんが聞いた。

 ポールさんはまず、インフレはそんなに低下せず、少しインフレになる可能性が高いと結論付けた。

 なぜかというと、トランプ政権を経済の需給バランスで分析したとき、ビジネスを中心に規制緩和や減税、投資促進などが行われ、需要が増える一方、移民送還や関税の導入で供給は減るため、インフレにつながりそうだから。

 そうなると、FRBは利下げに対して前向きな姿勢でなくなり、金利も中長期でそんなに下がらなくなるようだ。

 これを受けて、渡部さんが「インフレが下がらないとなると、投資行動はどうすればいいでしょうか」とヘルプを求めると、ポールさんはさまざまなケースを検討し始めた。

 まず、インフレが長期で継続するなら、現金を長くたくさん持つのは良くないそう。

 一方で、トランプ政権は不確定要素が大きく、株式市場はボラティリティが高い可能性があるほか、米国株が他の市場と比べて割高になっている面から考えると、現金をある程度持って投資する機会を待つ方がいいという。

 もっとも、マーケットが下がるのを待つために、株を全部売るのもおすすめできないとのこと。米国株がこれまで上がったのはAIなどの裏付けがあるからで、完全に投機的な上昇でもないからだ。

 そうすると、問題は手持ちの現金をいつ投資に回せばいいのかということになるが、ポールさんは「トランプ政権の不確定要素でボラティリティが高まったとき」と、「市場が悲観的になるタイミング」で投資するといいと考えている。

 特に、「市場が悲観的になるタイミング」を説明するのにいい例がメタだ。

 ザッカーバーグが仮想現実に投資すると言った時、市場はメタをすごく悲観して株価が下がったそう。ただ、同時期にメタはエヌビディアのサーバーにたくさん投資しており、AIのテーマが出てきたときにメタも上昇した。

 インターネットの誕生より上位のテーマであるAIで、市場が悲観的になった機会を取るというのがポールさん流の投資術のようだ。

メタ 月足 (出所:TradingView)

暗号資産は投機的なもの。市場が過熱しているときは追いかけない。楽観的になり過ぎたら売るか、買わない

 次は、トランプ政権の1期目と2期目の違いと、暗号資産(仮想通貨)の話題に。

 トランプ政権1期目と2期目の違いを渡部さんに聞かれたポールさん。1期目がまさかの誕生となったとき、街中でデモが発生したり、経済界の要人が反抗したけれど、2期目の今回は規制緩和や減税、投資促進を歓迎している人が多く、協力的になっているところが違うと解説した。

 渡部さんは続けて、2期目が決まって以降、暗号資産が盛り上がっているけれど、ポールさんは暗号資産をどう見ているのか質問した。
【※関連記事はこちら!】
トランプ氏の米大統領選勝利から急上昇している暗号資産(仮想通貨)。そこで何が起こっている?フィラデルフィア連銀の研究結果から見えてきたものとは?

 ポールさんは2011年くらいから暗号資産に初めて注目して、ビットコインに興味を持った同僚と一緒に買わなかったのが間違いで、後悔しているそう。

 ただ、その当時も今もポールさんの中で変わらないのが「暗号資産は投機的なもの」という考え方だ。

 企業の場合、ビジネスで収益を出している裏付けを把握できるため、信念を持って株を保有し続けることができる。

 一方、暗号資産は取引に広く使われているわけではないし、価値の裏付けが企業のようにないため、ボラティリティが高く、信念を持って保有し続けるのが難しいとポールさん。2011年にビットコインを買って、今日まで持ち続けられる人は多くないことが、ある意味それを表しているようだ。

ビットコイン/米ドル 月足 (出所:TradingView)

 つまり、投機的なもので儲けられないわけではないけれど、儲けるのは難しいというのがポールさんの認識だ。

 最後に、「推奨ポートフォリオが今年1年で約60%上昇」という成績を残したポールさんが、盛り上がっている暗号資産を題材にとっておきの投資術を教えてくれた。

 「市場が過熱しているときに追いかけないのは1つポイントかもしれない。みんなが楽観し過ぎているときに売るか、買わず、中長期でいいと思えば、みんなが悲観しているときに買うこと」

  ここまで、12月17日(火)放送の「WORLD MARKETZ」に出演した、ポールさんのマーケット解説を中心にお届けした。

 冒頭でも紹介したとおり、ポールさんはメルマガ&オンラインサロン「ポール・サイの米国株&世界の株に投資しよう!」で情報配信をしている。登録後10日間は無料だ。米国株投資をしてみたい、すでにしているけどもっと現地からの情報が欲しい、ポールさんが推奨する個別銘柄やポートフォリオ(直近2年で100%近い上昇)を見てみたいという人は、こちらをぜひ登録してみてほしい。また、動画配信も予定しているので、こちらも注目だ。


ザイアナリストの2人がやさしく、わかりやすく、徹底解説!ダイヤモンドZAiのオンライン講座「株の学校」
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2023年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2021年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! 【マイルの貯まりやすさで選ぶ!高還元でマイルが貯まるおすすめクレジットカード!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

「株」全予測
人気株500激辛診断
優待年末年始

2月号12月20日発売
定価780円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

[「株」全予測/人気株500激辛診断]
◎新春特別企画
2024年に儲けた株&損した株も大公開!
桐谷さんのゆく年くる年

2025年も全力優待ライフ
◎第1特集
2年目NISAの必勝法!
112人のプロに聞いた!
2025年「株」全予測&儲け方

●日経平均は5万円へ!日本株の高値・安値予測
●生成AIブームも半導体は苦戦!
上がる株・下がる株
●国内利上げで銀行・金融が有望!
上がる業種&テーマ
●中央銀行の買いが継続!金(ゴールド)
●トランプ政権下でも下落傾向!原油
●ドル円は年後半に140円台に!為替
●オルカンの次に買う1本も!投資信託

◎第2特集
買っていい10万円株は97銘柄!
<2025新春>人気の株500+
Jリート14激辛診断

●投資判断に異変アリ!
買いに躍進!》トヨタ自動車、ホンダ…など
強気に転換!》ソニーグループ…など
●儲かる株の見つけ方[1]旬の3大テーマ
通期で上ブレ期待/AI関連で恩恵他
●儲かる株の見つけ方[2]5大ランキング
PBRが低く改善に期待の株/アナリストが強気な株/配当利回りが高い株
●2025年新春のイチオシ株
10万円株/高配当株/株主優待株/Jリート
●気になる人気株
大型株/新興株/Jリート

【別冊付録】
増益割安株は1178銘柄
上場全3916社の最新理論株価

◎第3特集
トランプ政権下でどうなる!?
人気の米国株150診断
●S&P500指数をプロが大予測

●Big8を定点観測!GAFAM+αを分析!
●買いのオススメ株
トランプ株/高配当株
●人気の124銘柄を徹底診断
ナスダック/ニューヨーク証券取引所

◎第4特集
ザイクラブ拡大版!2024年はどうだった?
ザイ読者の悲喜こもごも&2025年の投資戦略
ザイ編集部員のプチ反省&自慢大会も!


◎連載も充実!

◆目指せ!お金名人
◆10倍株を探せ!IPO株研究所2024年10月編
◆おカネの本音!VOL.29兒玉遥さん
◆株入門マンガ恋する株式相場!
◆マンガどこから来てどこへ行くのか日本国
◆人気毎月分配型100本の「分配金」速報データ!


>>「最新号蔵出し記事」はこちら!


「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2023】 クレジットカードの専門家が選んだ 2023年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 太田忠の日本株「中・小型株」アナリスト&ファンドマネジャーとして活躍。「勝つ」ための日本株ポートフォリオの作り方を提案する株式メルマガ&サロン

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報

ザイFX!のお役立ち情報

ダイヤモンドZAiオンラインαのお役立ち情報