東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日ぶりに反発となりました。前日の米国市場にてハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が2%高と反発した流れを引き継ぎ、日経平均は256円高の39,273円で取引を開始しました。9時7分に431円高の39,448円をつけ、本日の高値を更新しました。
その後は半導体関連銘柄の買いの勢いは続かず、日経平均も伸び悩み、前場は215円高の39,232円で前引けとなりました。後場は上げ幅を縮小して始まり、12時34分に112円高の39,129円をつけ本日の安値を更新しました。
その後は持ち直し、最終的には397円高の39,414円で取引を終えました。新興市場では、東証グロース250指数が続伸、1.3%高となりました。
2.個別銘柄等
ソニーグループ(6758)は一時5.1%高の3,527円をつけ上場来高値を更新しました。トランプ大統領の関税を巡る発言に市場の警戒感が高まる中、ゲーム等のコンテンツ関連事業を多く手掛ける同社には影響が相対的に小さいといった見方から買いが集まりました。
日清製粉グループ本社(2002)は3.5%安の1,743円をつけ3日ぶりに反落となりました。28日の第3四半期決算で、通期の営業利益は510億円で従来から据え置かれたものの、第3四半期の営業利益が人件費や物流費等が重荷となり前年同期比5.8%減の394億円となったことで、業績の下振れ懸念が意識され軟調に推移しました。
日東電工(6988)は2.7%高の2,827.5円をつけ、反発して取引を終えました。外資系証券が目標株価を引き上げたことが買い材料となりました。同社は27日、発行済み株式総数(自己株式を除く)の4.84%に当たる3,400万株、金額にして上限800億円の自社株買いを発表していますが、毎年同規模の自己株式取得能力は十分にあるとの評価がされています。
高機能ゴム・樹脂製品メーカーの住友理工(5191)は一時16.2%高の1,836円をつけ、昨年来高値を更新しました。今期の当期純利益の見通しが従来予想を27億円上回る249億円(前期比33.6%増)となることや、また期末配当を従来の29円から36円に引き上げると、本日12時に発表したことが買い材料となりました。
セラミックメーカーのMARUWA(5344)は2.2%安の40,900円をつけ、4日続落となりました。本日10時に第3四半期決算を発表し、通期の営業利益見通しを従来予想から36億円引き上げたものの、市場の期待に届かなかったことで売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は1.0%高で4日ぶりに反発となりました。前日に急落した半導体関連銘柄が反発し、指数を押し上げました。明日に向けて、今晩の米国ではFOMC(米連邦公開市場委員会)にて政策金利が発表され、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が記者会見を行う予定です。
政策金利は据え置きが見込まれていますが、足元の米経済への評価に注目が集まります。また、大型テック株のメタ・プラットフォームズ[META]、マイクロソフト[MSFT]、テスラ[TSLA]の決算発表が予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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