東京市場まとめ
1.概況
日経平均は119円高の50,527円と、続伸して寄付きました。前日はクリスマス祝日で米国市場が休場でしたが、国内では12月の権利付き最終売買日とあって、配当や株主優待の権利獲得を目的とした買いが入り、堅調な出だしとなりました。
前場は一進一退ながらも底堅く推移し、509円高の50,916円で終えました。後場も寄付きから高値圏での推移となり、12時43分には534円高の50,941円をつけ、本日の高値を更新しました。その後は利益確定売りに押されてやや伸び悩みましたが、節目の5万円台を大きく上回る水準を維持し、最終的には342円高の50,750円と、続伸して取引を終えました。
TOPIXは5ポイント高の3,423ポイントで続伸し、取引時間中の史上最高値を更新。新興市場でも東証グロース250指数が1ポイント高の677ポイントと、4日続伸となりました。
2.個別銘柄等
富士通(6702)は0.8%高の4,263円をつけ、反発となりました。26日付の日本経済新聞が『ソフトバンク(9434)などが進める次世代メモリー開発に富士通が加わる』と報じました。同社はメモリー生産からは撤退していますが、量産化や品質管理における豊富な知見を持っているとされ、AI向け高性能メモリー需要の拡大を背景に、日本勢主導の開発体制強化に期待した買いが入りました。
クスリのアオキホールディングス(3549)はストップ高水準となる19.1%高の4,362円をつけ、大幅反発となりました。25日、発行済み株式総数の6.32%にあたる600万株(上限240億円)の自社株買い実施を発表したほか、会社設立40周年の記念配当(40円)もあわせて発表し、株主還元姿勢の強化が強く好感されました。
象印マホービン(7965)は4.3%安の1,573円をつけ、大幅反落となりました。25日、2026年11月期(今期)の純利益が前期比19.7%減の48億円にとどまり、年間配当も前期の82円から46円へ大幅な減配を計画していることが判明し、大幅な減益・減配見通しを嫌気した売りが膨らみました。
エイベックス(7860)は4.9%高の1,271円をつけ、大幅高となりました。25日、サンリオ(8136)との合弁会社の株式をすべてサンリオに譲渡すると発表し、これに伴う特別利益約10億円の計上に加え、足元の業績動向を反映して2026年3月期の純利益予想を従来の12億円から28億円へ上方修正したことが買い材料となりました。
ミタチ産業(3321)は一時12.9%高の2,195円をつけ、年初来高値を更新しました。25日に発表した2026年5月期の中間決算で、自動車向け半導体の販売好調を背景に、純利益が前年同期比70.8%増の12億円と大幅な増益を達成したことが高く評価されました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は週間で2.5%高、TOPIXは同1.2%高と、年末らしい堅調な値動きで取引を終えました。本日は年内の権利付き最終日という特殊要因もありましたが、指数が節目の5万円台で安定したことは投資家心理の改善に寄与しています。
週明け29日は「権利落ち日」にあたるため、配当落ち分による指数の下落が予想されますが、2025年の最終取引に向けて5万円の大台を守りきれるかが焦点となります。また、29日には12月の日銀金融政策決定会合における「主な意見」が公表される予定です。追加利上げに対する政策委員の姿勢が改めて確認されることとなり、金利や為替の動向に注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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