約7年で、元手60万円から資産3億円を築き上げた個人投資家は、どんな基準で銘柄を選んでいるのか⁉
ダイヤモンド・ザイでは、特集「普通の会社員や主婦が成功した株で億を作るマル秘ワザ!」で、8人の個人投資家にそれぞれの勝ちワザを聞いている。彼らは元々はごく普通の会社員や主婦だが、仕事や家事の合間にコツコツ投資の研究をし、大成功をつかみ取っているのだ。
今回は、そんな8人の中の一人である、個人投資家・堀哲也さんの記事を抜粋して紹介。堀さんは、約7年で60万円の資金を3億円にし、その成功談を記した著書『日本株 独学で60万円を7年で3億円にした実践投資法』もヒット。ここでは、堀さんの売買タイミングの決め方や、注目銘柄を紹介するので、投資の参考にしてみてほしい。
「億」の資産を短期で築くには、リスクをとった集中投資が必要!
「数年で億の資産を築くにはどうすればいいか──」。考え抜いた末、見事に約7年で資産3億円を達成したのが、堀哲也さんだ。その方法は、高い成長性や値上がり材料があり、今の株価と期待できる株価の間に「ギャップ」がある企業への集中投資だ。
堀さんは社会人3年目から投資を始め、一時は元手を約5倍にした。だがリーマンショックで損失を出し、資金は1500万から約60万円に減少。普通であれば、投資から一旦離れてもおかしくなかった。
だが堀さんは、この60万円を軍資金に、リーマンショック後に割安だった不動産株や、企業買収で急成長が見込めた「Jトラスト(8508)」などへ集中投資し、資産を一気に増やした。
「大きな値幅を狙わなければ、数年で億超えの資産は築けません。安易な損切りもNG。当時の私は会社員で給料もあったことや、2億円の資産を築くという強い目標があったため、集中投資でリスクは大胆にとりました」(堀さん)
大型株は除外し、「ギャップ」がある株に注目して銘柄を探す!
投資する株を探す際は、大化けが狙いにくい日経225の採用銘柄や、時価総額1000億円超の大型株、また、すでに株価が急上昇した株などは最初に除外する。
「そして、ビジネスモデルが盤石なのに割安、赤字だけど新技術があるなど、『ギャップ』がある株を会社四季報で物色します。そこで目を付けた株は、営業利益や従業員数が伸びているか、財務が安定的か、チャートの形はよいか、などを一点ずつ見ていきます」
企業業績の分析が中心だが、移動平均線やボリンジャーバンドなど、多くの人が参考にするテクニカル指標もチェックするという。
「成長株への投資は多くても5~6銘柄。しっかり分析し、日々のニュースを追うと、この程度の銘柄数が限度です」
ゲーム関連株は、人気順位やIRニュースを日々チェックする!
近年、堀さんが注目するのはゲーム関連株だ。たとえば、スマホゲーム買い取りの「マイネット(3928)」や、ソーシャルゲームの「アカツキ(3932)」、VRにも投資する「gumi(3903)」など、成長性や新技術といった材料で値上がりが期待できる。
「一段深い分析をするために、IRニュースのほか、アプリの人気順位などを毎日チェックします。順位から売上を推測し、月次や四半期決算よりも早く、売上の動向を把握しようとしています」
ランキングの推移を見続けてきた強みから、予測が当たることが多いという。株価4000円弱のときに購入した「アカツキ」は、いまや1万200円台だ(※8月23日時点)。
デイトレやスイングトレードもするが、長期投資分として一度買った成長株は、買い理由が崩れない限り保有を続ける。反対にいうと、その理由が無くなったり、ビジネスモデルが怪しくなれば、好業績で財務に問題がなくても売ってしまうのだ。
「2017年7月末に、スマホゲーム買い取りの『マイネット』を、ほとんど利益確定しました。安いところで買い集めて長期で成長を見守ろう、という考え方で、2016年1月頃から1株850円前後で購入していきました。安定した売上のゲームを買い、コストを削減して利益を出すビジネスモデルでしたが、2017年7月に出た会社四季報の記事と7月末のIRニュースで、今後の買い取りに苦戦する可能性が拭えなくなり、買いの理由が崩れたことで売却しました」
こうした高収益が得られる集中投資より、配当をじっくりもらう投資がいい人もいるかもしれない。だが、堀さんは「投資で本当に達成したい目標は何か。数年で億の資産を築くなら、強い意志とリスクをとることが必要です」と話す。
ゲーム関連株に注目する堀哲也さんが、いま注目している銘柄は?
最後に、そんな堀さんがいま注目している銘柄を一つ教えてもらった。やはりゲーム関連株の「サイバーステップ(3810)」だ。
「サイバーステップ」はオンラインゲーム会社。決算も需給も悪く株価下落中だが、業績予想は保守的で、上方修正が見込める。主力の「トレバ(ブラウザークレーンゲーム)」の稼働台数が落ちない限り、株価底打ちを確認後に買うのもあり。稼働台数が不調なら見送ったほうが無難だろう。
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