今期、増収増益が期待できて、PERが低い「割安株」ベスト5を発表!
ダイヤモンド・ザイの大特集「3年で2倍を狙う!儲かる株ランキング」では、全上場銘柄から「成長性」「割安度」「配当」の3つの視点で7つのランキングを作成している。
今回はその中から、「低PER株ランキング」をピックアップ! 単にPERが低いだけでなく、今期の会社予想が増収で、営業利益が5%以上増益などの条件でしぼった、おすすめの「割安株」上位5銘柄を紹介する。
株価が実力に対して安すぎる銘柄を選べ!
割安株をみつけるランキングは、PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)という、割安度を判断する代表的な2つの指標から作成した。
株価は一時的に極端な割高や割安になっても、中長期では妥当な価格に収れんしていく。成長イメージの強いAI(人工知能)やロボット関連の人気株でも、株価が実力以上に評価されていれば、いったん調整する可能性が高く、地味な業態でも実力に対して割安であれば、そこに儲けるチャンスがある。
株価を利益と比較したのがPER。株価を今期予想の1株当たりの利益で割って計算する。一方、株価を保有資産と比較したのがPBRで、株価を1株当たりの資産で割って算出。どちらも数字が小さいほど割安で、現時点では日本株の平均PERは約15倍、平均PBRは約1.25倍。この数字よりも低いことが、割安株の大前提となる。
“条件”を追加することで、「割安の罠」を避けられる
ただし、いくら株価が割安に見えても、業績が減益トレンドで、業態にも会社にも魅力がない銘柄を買うのはNG。そんなバリュートラップ(割安の罠)にはまらないために、低PERランキングの作成にあたっては様々な条件をつけた。
特に重視したのは、業績がジリ貧になっていないか。具体的には、今期の会社予想が増収で、営業利益が5%以上増益の銘柄に絞った。また、前期が赤字の銘柄は業績予想の信頼度が低いということで除外した。
当期利益が営業利益よりも大きい銘柄もランキングから外した。なぜなら、株式や土地の売却益など、本業以外の儲けにより一時的に利益がかさ上げされて、PERが低くなっている可能性が高いからだ。
[スクリーニングの条件] |
これら条件を元に作成したのが、利益に対して株価が安すぎる低PER株のランキングだ。ダイヤモンド・ザイでは60位まで掲載しているが、ここでは上位5銘柄を抜粋する。
注目の「低PER株ランキング」の上位5銘柄は
PER6倍台の安定成長株!
増収&5%以上利益が伸びる「低PER株ランキング」 ベスト5 | ||||
順位 | PER | PBR | 業種 | 最新の株価 |
1位 | ナラサキ産業(東2・8085) | |||
6.0倍 | 0.65% | 卸売業 | ||
2位 | サカイオーベックス(東1・3408) | |||
6.2倍 | 0.68倍 | 繊維製品 | ||
3位 | ノダ(東2・7879) | |||
6.8倍 | 0.82倍 | その他製品 | ||
4位 | 伊藤忠商事(東1・8001) | |||
6.8倍 | 1.13倍 | 卸売業 | ||
5位 | トーモク(東1・3946) | |||
6.9倍 | 0.58倍 | パルプ・紙 |
上位5銘柄中2銘柄が卸売業、つまり商社がランクインしたが、大手商社は資源価格によって利益がブレやすいため低PERになりやすい。同じく、専門商社も大手に準じて低PERになりやすい。ランキングは厳しい条件を加えて作成したが、5位までPERが6倍台と低PERの割安株が出揃った。下記の2銘柄はその中でもイチオシの「本命」銘柄だ。
1位の「ナラサキ産業(8085)」はPER6倍台、PBRも0.65倍と間違いなく割安。北海道が地盤で、三菱電機代理店業務を軸とする企業だ。主力の電機関連以外に、建材・燃料、海運、建機など事業を多角化。電機関連は生産設備関連のレーザー加工機、建設設備の空調冷熱設備が順調で、ASEAN地域も拡充。営業利益は急回復している。ROE10%超で3期連続の増配で、配当利回りも3.2%と高い。
もう一つの本命は2位の「サカイオーベックス(3408)」。織布からの一貫体制に特色がある精練染色加工の大手で、電子機器など多角化も行っている。PER6.2倍、PBR0.68倍という割安感だけでなく、営業利益は2ケタの増益を見込んでおり、ROEも11%と収益性が高い。染色加工ではユニホーム用途が堅調。筆頭株主の東レと緊密で、軽くて強く、腐食しない炭素繊維の開発を推進中。自社株買いなど株主還元にも前向きだ。
発売中のダイヤモンド・ザイ10月号では60位までの低PERランキングの中から、上記2銘柄のほかに「本命」銘柄を3銘柄紹介している。また、60位までの銘柄の中には、最高益を更新見込みの銘柄が18社もランクインしている。
利益が伸びている割安株の魅力は、いったん注目されれば1株利益の伸びとPERの水準の変化の両面から株価が上昇すること。仮にPER10倍の割安株が、市場平均並みの15倍まで評価されれば、それだけで50%も株価が上昇。さらに利益が年率2ケタ程度で伸びていけば、3年で株価2倍は十分に射程圏となる。ぜひチェックしてみてほしい。
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