ゴールドが1300ドルを巡る攻防から
新波動に入る可能性が
ゴールド(金)は最近、ビットコインの華々しい値動きの陰に隠れて、影が薄いです。しかし先週金曜日は久しぶりに火花を散らしました。
それというのも、ちょうどジャネット・イエレンFRB議長がジャクソンホール・シンポジウムでスピーチを始める時間に合せて、1分間に200万オンスにも相当する巨大なトレードが成立したからです。
金価格は1300ドルがこのところのトレーディング・レンジの上限を形成しており、ここを抜けて新波動に入ることができるかどうかの瀬戸際にあります。
金(現物 1oz.あたり)チャート/日足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
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現時点では、まだどっちに転ぶかはわからない状況です。
大きな出来高は、今後の方向性が決まれば、
強いトレンドが出ることを示唆
今回のように大きな出来高が記録されたということは、この次に現れる「上抜け」、ないしは「反落」のどちらのシナリオが起こるにせよ、その後の値動きはハッキリした、力強いものになることを示唆しています。
従ってトレード戦略としては、もしゴールドが下降に向かうのであれば果敢に売りたいし、逆に1300ドルの上値抵抗線をハッキリと超えたなら、アグレッシブに買うべきです。
さて、ジャクソンホール・シンポジウムでは、ジャネット・イエレンFRB議長も、マリオ・ドラギECB総裁も、金利政策に対する具体的言及は一切、ありませんでした。
そのことは、しばらくの間、現状維持が続くことを示唆しています。
これは、金価格にとって支援的材料だと思います。とりわけFRBのバランスシート圧縮に関し、今回、何も言及が無かったことは、ゴールドにとって良い材料です。
レンジ・ブレイクなら
金鉱株にもトレーディング・チャンスが到来!
さて、金価格がボックス圏を上放れた場合、金価格に対しパフォーマンス的に劣後がいちじるしい金鉱株にもトレーディング・チャンスが回ってくると予想されます。
具体的には、ニューモント・マイニング(ティッカーシンボル:NEM)に妙味があります。同社は米国屈指の産金会社で、年間生産高500万オンスを誇っています。
同社は、1916年にウイリアム・ボイス・トンプソンによって創業された老舗の産金会社です。1961年にネバダ州のカーリンで、金粒のサイズが1ミクロン以下(=肉眼はもとより普通の顕微鏡でも見えない大きさ)の金を含む鉱床を発見しました。これは、それまでの金山の概念を打ち破る革命的な発見と言えます。
現在でも、カーリン鉱床は同社の中核です。それに加えて、北米では、ツインクリーク、フェニックス、ロング・キャニオンなどの金山を持っています。同社はオーストラリアでも積極的に事業展開しており、ボディントン、タナミなどの金山があります。
同社の金山開発プログラムは、パイプライン(=将来の生産予備軍)が充実しています。可採年数(Operating Reserve life)は11.8年で、業界平均の9.9年を上回っています。
ニューモント・マイニングは負債の圧縮に成功しており、純負債は5年前の48億ドルが、現在は15億ドルに下がっています。純負債対修正EBITDA比率は、僅か0.6倍です。
2016年は、非戦略事業を分離した際に計上した特別損があるので、赤字となっていますが、営業キャッシュフローは極めて健全であることがわかります。
また、同社はコーポレート・ガバナンスがしっかりしており、2007年に金鉱株として最初に「ダウジョーンズ・サステイナビリティ・ワールド・インデックス」に採用されたことからもわかるとおり、社会的責任を果たすことに心を砕く経営をしています。
【今週のまとめ】
金価格がチャート的な節目に
ゴールドや出遅れ感の強い金鉱株に注目!
金価格がチャート的な節目に来ています。先週金曜日には大きなトレードがあり、関係者を驚かせました。このため、上放れるにせよ、反落するにせよ、今後はハッキリとしたトレンドが出る可能性があります。トレードに際しては、柔軟なスタンスで臨みたいと思います。
なお、金価格が上放れるシナリオでは、出遅れ感の強い金鉱株にも妙味が出ます。ニューモント・マイニングがとりわけしっかり経営されていると思います。
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