IPO株の当選確率を上げるコツをIPOの達人が紹介! 申し込み方法や抽選割合など、IPOを取り扱う証券会社を徹底比較する!
ダイヤモンド・ザイの大特集「今買う10倍株 ベスト67」では、株価10倍も夢じゃない、高い成長力を持った有望銘柄を厳選して取り上げている。
今回は、同特集の「IPOで10倍株をゲットせよ!」から一部を抜粋。IPO株を取り扱う証券会社の申込方法を熟知して、IPO株の当選確率アップを狙おう!
「ブックビルディングのときに資金が必要か」、
「抽選が先か後か」が重要!
「IPO株の抽選に多く参加するには、資金管理が重要」と力説するのが、IPO株をメインに取引する、公務員投資家の三船達也さんだ。
上の図が、上場が決まってからIPO株を入手するまでの流れ。一律に論じがちだが、証券会社によって、資金が必要になる時期と、ブックビルディング(BB)から後の流れが、違う点に注意したい。ポイントは、「BB時に資金が必要かどうか」と「抽選と申込のどちらが先か」だ。
そして、その2つのポイントを整理したのが上の図の中にある、A~Dと書かれた表。矢印が長いほど資金拘束が長い。
【申込パターン】
A:ブックビルディング時に資金は不要+抽選が先
B:ブックビルディング時に資金は不要+申込が先
C:ブックビルディング時に資金が必要+抽選が先
D:ブックビルディング時に資金が必要+申込が先
Aタイプの会社なら、抽選に当たらない限り資金が不要だが、DだとBB時から上場直前まで、ずっと口座に資金を入れておかなければならない。特に10~12月はIPOが集中するので、CやDタイプの会社ばかりだと資金が枯渇しがちだ。
Aタイプの証券会社としては岡三オンライン証券やライブスター証券があり、CはSBI証券やマネックス証券、Dはカブドットコム証券や楽天証券がある。
億超えの個人投資家で、IPOに詳しいJACKさんは、CタイプのSBI証券は「資金力がものを言う会社」と言う。
「多くの証券会社は、申込者1人に対して、抽選権を1つ与える『1人1票制』だが、SBI証券は申込単元数が多いほど、当選確率が上がる『1単元1票制』を採用。つまり、たくさんの資金をSBI証券に集め、できる限り多くの株数を申し込んだ方が当たる確率が上がる」(JACKさん)
また、SBI証券に家族名義の口座を持つ三船さんも「一番現金の多い口座が当たりやすい気がする」と言う。
IPOの取り扱い数や、抽選枠の割合などを比較!
先ほどから説明している、資金の拘束期間や、抽選タイプなどをまとめたのが、下の表だ。
まず注目してほしいのが、IPOの取り扱い数。当たり前だが取り扱い数が多いほど、申し込めるチャンスが多いということだ。
次にチェックしたいのが、抽選への配分。店頭証券だと、抽選以外に、優良顧客(頻繁に取り引きしていたり、保有資産が多い客)に優先的に割り当てる枠があり、そちらがメインになる。一方、ネット専業の証券会社は、割り当てられたほとんどの株を抽選に回している。
ただし、配分の割合だけで判断するのは間違いと三船さんは指摘する。「野村證券や大和証券など大手の会社は、主幹事が多く、会社に割り当てられる母数自体が大きい」からだ。
上場時は主幹事、(平)幹事、委託の順で多く株が割り当てられる。配分割合は会社によるが、多くは半数以上、場合によっては9割近い株数を主幹事が取る。であれば、割り当て5%の委託証券で100%の抽選を選ぶより、主幹事証券で10%の完全抽選枠に賭ける戦略も大アリだ。
ちなみに主幹事に野村證券、大和証券が多いのは事実だが、実はSMBC日興証券もトップ級で、先の2社に勝るとも劣らない取り扱い数だ。
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もう一つ、当選したらやったほうがお得な技があると三船さんは言う。
「当選したIPO株はNISA口座に入れられるんです。値上がり益が非課税になるメリットは大きい」
NISA口座は一つしか開けないので、都合よくそこで当たるとは限らないが、運よく当たったら、忘れずNISA口座を指定しよう。
【IPO株の取り扱い証券会社を徹底比較!】 | |||||
IPO取り扱い実績(※1) | 申込 パターン |
NISA 利用 |
|||
2015年 | 2016年 | 2017年 | |||
ネ ッ ト 専 業 |
◆SBI証券 | ||||
81 | 76 | 46 |
C ※2 |
○ | |
【抽選への配分】抽選70%、ポイント抽選30% 【抽選方式】1単元1票 【優遇抽選】落選ポイント | |||||
◆岡三オンライン証券 | |||||
10 | 6 | 5 | A | ○ | |
【抽選への配分】抽選10%以上、優遇抽選90%未満(※3) 【抽選方式】1人1票 【優遇抽選】取引実績 | |||||
◆カブドットコム証券 | |||||
18 | 20 | 15 | D | ○ | |
【抽選への配分】抽選100%(100%でない場合は事前にHPで公表) 【抽選方式】1人1票 | |||||
◆GMOクリック証券 | |||||
1 | 2 | 0 | B | ○ | |
【抽選への配分】抽選100% 【抽選方式】1人1票 | |||||
◆松井証券 | |||||
16 | 11 | 10 | B | ○ | |
【抽選への配分】抽選70%、その他30% 【抽選方式】1人1票 | |||||
◆マネックス証券 | |||||
65 | 52 | 30 | C | ○ | |
【抽選への配分】抽選100% 【抽選方式】1単元1票 | |||||
◆ライブスター証券 | |||||
0 | 0 | 3 | A | ○ | |
【抽選への配分】抽選100% 【抽選方式】1人1票 | |||||
◆楽天証券 | |||||
10 | 8 | 5 | D | × | |
【抽選への配分】抽選100% 【抽選方式】1単元1票 | |||||
IPO取り扱い実績(※1) | 申込 パターン |
NISA 利用 |
|||
2015年 | 2016年 | 2017年 | |||
店 頭 あ り |
◆岩井コスモ証券 | ||||
41 | 25 | 25 | B | × | |
【抽選への配分】抽選(ネット)10%、店頭&電話90% 【抽選方式】1人1票 | |||||
◆SMBC日興証券 | |||||
72 | 62 | 45 | C | ○ | |
【抽選への配分】抽選10%、その他90% 【抽選方式】1人1票 | |||||
◆大和証券 | |||||
39 | 34 | 22 | C | ○ | |
【抽選への配分】抽選15%、優遇抽選5%(※4)、その他80% 【抽選方式】1人1票 【優遇抽選】取引実績 | |||||
◆野村證券 | |||||
44 | 30 | 23 | A | ○ | |
【抽選への配分】抽選10%以上、その他90%未満 【抽選方式】1人1票 | |||||
◆みずほ証券 | |||||
65 | 52 | 37 | C | ○ | |
【抽選への配分】抽選10%以上、その他90%未満 【抽選方式】1人1票 | |||||
※五十音順。※1 2017年の取り扱い実績は、9月末上場の銘柄まで。※2 正確には、BB時には不要だが抽選までには入金が必要。※3 預かり資産や取引実績でSとAの2階級あり。Sのみの抽選約45%、S+Aの抽選約45%。※4 取引実績や株主優待でもらえるポイント、または預かり資産などで分類のステージがいい人を優遇。 |
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【2024年12月2日時点】
|
◆SMBC日興証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
19社 52社 |
24社 47社 |
26社 80社 |
10%:1人1票の平等抽選 最大5%:「ステージ別抽選」※1 |
345万 |
【ポイント】 大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。 ※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。 |
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◆SBI証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
21社 91社 |
13社 89社 |
21社 122社 |
60%:1単元1票の平等抽選 30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分 10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分 |
1245万 ※ |
【ポイント】 ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる。当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。 ※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。 |
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。 |