大型ハイテク株の値上がりにより
ナスダックが急伸
先週10月27日(金)、ナスダック総合株価指数が+2.2%急伸しました。これは去年の大統領選挙投票日前日の11月7日以来の上げ幅です。上げの中心は大型ハイテク株でした。
ナスダック総合株価指数チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます。
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ナスダックが急伸した理由は、木曜日に発表されたアマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)、アルファベット(ティッカーシンボル:GOOG)、マイクロソフト(ティッカーシンボル:MSFT)、インテル(ティッカーシンボル:INTC)の決算が、どれも予想を上回ったことによります。
今回の決算発表シーズンでは、これまでにS&P500指数採用銘柄のうち55%が決算発表を終えています。そのうち、普段より多い76%の企業が、事前予想より高いEPSを発表しました。
全体としての利益成長率は前年同期比+4.7%です。中でもハイテク・セクターは91%の企業が予想を上回るEPSを出し、とりわけ好調でした。同セクターのポジティブ・サプライズ幅は平均すると+11.3%でした。
【アマゾン】
赤字予想を覆して黒字を達成
アマゾンは、金曜日+13.2%と急騰しました。出来高も普段の4倍もありました。
アマゾン(AMZN)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます。
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アマゾンの第3四半期決算は、EPSが予想-1セントに対し52セント、売上高が予想422.6億ドルに対し437億ドル、売上高成長率は前年同期比+33.7%でした。なお、今期売上高には買収したホールフーズの13億ドルが含まれています。これを除いた売上高成長率は、+29%でした。
アマゾンの売上高は、北米が+34%、海外が+29%、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)が+42%とバランスが取れていました。
一部の投資家は、アマゾンがホールフーズを買収した後で、ホールフーズで売られている生鮮食料品の価格を大胆に値下げしたので、「マージンが悪くなるのではないか?」という懸念を持っていました。しかし、マージンは予想より高かったです。
同様に、AWSに関しても一部価格戦略が変更されたため、それがマージンに与える悪影響を心配する声がありました。こちらもマージンは予想を上回りました。
結果として、コンセンサス予想では赤字が予想されていたのが、52セントの黒字という大きなポジティブ・サプライズになったというわけです。
【アルファベット】
アグリゲート・ペイド・クリックが前年同期比で+47%を達成
アルファベットも金曜日は+4.3%と急伸しました。出来高は普段の2倍でした。
アルファベット(GOOG)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます。
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同社の第3四半期決算は、EPSが予想8.40ドルに対し9.57ドル、売上高が予想271.7億ドルに対し277.7億ドル、売上高成長率は前年比+23.7%でした。
アグリゲート・ペイド・クリックは、前年同期比+47%、前期比+6%でした。アグリゲート・ペイド・クリックとは、「自社運営のグーグル・ウェブサイトにおけるペイド・クリック(広告クリック数)」とアドセンス広告など「メンバー・サイトにおけるペイド・クリック」という2つの要素を足し上げ(アグリゲート)した独自の指標です。
グーグル・プロパティ(YouTubeなど)におけるペイド・クリックは、前年同期比+55%、前期比+7%でした。広告単価を示すアグリゲート・コスト・パー・クリックは、前年同期比-18%、前期比+1%でした。これらの経営指標が、いずれも前期(第2四半期)と比べて改善していることを投資家は好感しました。
営業マージンも去年の第3四半期の26%から、今期は28%へ改善しました。
これらの好業績が、アルファベットが買われた理由です。
【マイクロソフト】
クラウド関係、中でも「アジュール」が高成長を見せる
マイクロソフトは、金曜日+6.4%でした。
マイクロソフト(MSFT)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます。
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マイクロソフトの第1四半期(9月期)決算は、EPSが予想72セントに対し84セント、売上高が予想235.7億ドルに対し245億ドル、売上高成長率は前年同期比+11.7%でした。
マイクロソフトが力を入れているクラウド関係のビジネスは、おしなべて好調でした。特に「アジュール」が+90%と高い成長率を示しました。
【インテル】
IoT部門など、コア以外のビジネスが順調に成長
インテルは金曜日+8%で、出来高は普段の3倍でした。
インテル(INTC)チャート/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます。
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同社の第3四半期決算は、EPSが予想80セントに対し94セント、売上高が予想157.3億ドルに対し161.5億ドル、売上高成長率は前年同期比+2.4%でした。
インテルの場合、コアのクライアント・コンピューティング部門は低成長ですが、それ以外の部門は、IoT売上高+23%、メモリー売上高+37%、プログラマブル・ロジック売上高+10%と、どれも良い感じで成長しています。
第4四半期のEPSは、予想83セントに対し、新ガイダンス81〜91セントが提示されました。売上高は、予想161.1億ドルに対し、新ガイダンス158~168億ドルが提示されました。
【今週のまとめ】
ハイテク株がこぞって好調なことで
アメリカの株高は好業績に支えられていることを証明
第3四半期の決算発表は、いま佳境を迎えています。今回はハイテク・セクターの好調が目立っています。アメリカを代表するアマゾン、アルファベット、マイクロソフト、インテルといった企業が、続々と好決算を発表し、絶好調であることを印象付けました。
つまり、現在のアメリカの株高は好業績に裏打ちされているのです。
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