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株主優待名人・桐谷広人さんが、「板」の読み方を解説!
ダイヤモンド・ザイの別冊付録「『株』の買い方ギモン解消BOOK」では、株主優待名人・桐谷さんが、口座開設から注文方法まで、株初心者に向けてやさしく丁寧に解説している。
今回はその中から、「板」の読み方についての解説を抜粋。板とは、その株を買いたい人・売りたい人がどれだけいるかをリアルタイムで表示するもの。注文を指値にするか成行にするかを判断する材料になり、その株の人気度合いもわかる。板の読み方にイマイチ自信がない人は、桐谷さんの解説を参考にしてみてほしい!
「板」を見れば、今の株価や注文株数のボリューム感がつかめる
株を買うときは、気になる銘柄の株価をチェックする。証券会社のサイトやアプリで銘柄名を検索すれば、株価はすぐにわかるが、そこで見かけることになるのが、右のような数字が並んだ表が載る画面。これを「板」と呼ぶ。
板は、実際の注文動向をリアルタイムで表示するもの。中央列の数字が、注文が出ている株価で、左右にあるのが、注文株数。左が売りで、右が買いだ。また、中央列の真ん中あたりで、色が変わっている数字が、直前に約定した株価、すなわち現値(げんね)になる。
右の画像だと、現値は1407円。同額の1407円で、売り注文が300株残っている状態だ。1円安い、1406円で買いたいという注文は、500株分ある、と読める。
成行注文と指値注文は、板にどのように反映されるのか
基本の読み方がわかったら、次は、板の表示がどう動くのかを知ろう。まずは以下を見てほしい。
この図では、板が(1)の状態の時に、成行注文、指値注文を出したら、それぞれ板はどう表示され、株はいくらで買えるのかを表している。
【※注文方法に関連する桐谷さんの解説記事はこちら!】
⇒株主優待名人・桐谷さんの「日本株の買い方」入門!指値注文と成行注文の違いから、注文の優先順位、アプリでの注文方法まで、株初心者は要チェック!
例えば(1)の状態で、成行注文で100株買うと101円で約定する。板からは、101円の売株数の欄にあった200株が、約定により100株減る。一方、成行注文で300株買う場合だと、101円の200株では足りず、102円の100株まで買うことになる。
一方、(1)の状態で、指値で「100円で100株買う」と注文すると、100円で売りたい人がいないので、買い株数の板に積み重ねられる。その後100円で100株売りたい人が現れたら、先に注文した人から順に約定していく仕組みだ。
板は投資家の気持ちを映す「相場の鏡」でもある!
また、板からは値動きだけでなく、人気の度合いも読み取れる。ここまで例に挙げた板を再び見てほしい。株価の間隔が飛ばずに、1円刻みで並んでいることがわかるはずだ。これは、その株の注目度が低くなく、取引量が安定していることを表す。
逆に、注目度が低く、取引量が安定していない銘柄だと、板はスカスカになる(右図参照)。
右図の場合、注文が出ている株価が108円、101円などと間隔が空いている。たとえば「現値の95円と同額程度で買えるだろう」と考え、200株の成行注文を入れるた場合、101円の100株と、108円の100株を買ってしまうことになる。
つまり、軽はずみに成行注文をすると高値掴みになってしまうので、板を事前にしっかり確認しないと損するリスクが高いのだ。
ストップ高・ストップ安が起こるしくみも一目瞭然!
また、板は左右の数のバランスが取れていると、人気が安定しているということになる。もし、右側、つまり買いたい側の株数が、売りたい株より多ければ、買いたい人がたくさんいて、この先株価が上がることが予想できる。
もちろん逆もある。以下の例を見てみてほしい。
左上の板は、売り側の株数が極端に多い。つまり、売りたい人が殺到しているのだ。こうなると、株価はあっという間に下がっていく。
急落により、1日の制限値幅の下限にタッチすると、今度は膠着状態が起こり、取引所は取引を停止させる。この状態を「ストップ安」と呼ぶ。取引所は、売買双方のバランスが取れるまで、取引を再開しないので、注文はたまる一方になる。普段は、注文が出た瞬間に約定するため、板に載らない成行注文も、ストップ安の間は、注文数が載る。
このように、板が読めるようになると、いくらで約定するかだけではなく、なんでこうなったのか、という状況も理解できるようになる。
「私は、証券会社のアプリの銘柄登録の機能を使って、気になる株の値動きを監視しています。PCなら板を並べて比べられます。板は、人気のバロメーター。慣れると状況が手に取るようにわかって、面白いですよ」(桐谷さん)
株の注文はまだちょっと、という人も、眺めているだけでも勉強になる。まずは口座を開いて、気になる銘柄の板を見ることをおすすめする。
【※関連記事はこちら!】
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