2018年3月期までに債務超過を解消しなければ上場廃止という瀬戸際にあった東芝が「半導体事業の売却中止を決めた」という報道がありました。6000億円の第三者割当増資で債務超過状態を脱出できたためですが、それによって東芝はさらなる火種を抱え込むことに…。東芝の闇を追い続けてきた刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』の解説です。
6000億円の第三者割当増資で債務超過解消
虎の子の半導体事業売却も中止になったが…
東芝の半導体事業売却は、中国の独禁法を巡る審査が長引いて、債務超過解消の期限であった「2018年3月期まで」に間に合わなくなる恐れが出ました。
そこで、ゴールドマン・サックスが昨年11月に総額6000億円にも上る第三者割当増資をまとめ上げ、半導体事業会社が売却できなくても債務超過が解消される状況になったのです。この第三者割当増資がなければ東芝は、上場廃止が確定的になっていたはずです。
「半導体事業会社の売却中止」の報道に対し、東芝はお決まりの「当社が決定した事実はない」とのIRを発表していますが、アドバルーン記事(東芝側がリークして書かせた記事)で世間の反応を確かめているものと思われます。
本紙は半導体事業会社を海外ファンドなどに安直に売却することには大反対で、多少無理をしてでも資本増強をして債務超過を解消すべきと主張していました。そのため、この展開は本紙の主張通りとも言えなくはないのですが……。
問題は6000億円の第三者割当増資を引き受けたのが、約60社にも上るオフショアファンドだということです。その中には世界的に著名な「物言う株主」も複数含まれています。
大株主に海外の手強いファンドが勢揃い
6月の株主総会でどんな難題が飛び出るか
東芝の現在の発行済み株数は65.2億株です。これには昨年11月の6000億円の第三者割当増資分、22.8億株(約35%)が含まれています。一部はすでに売却されているかもしれませんが、大半はまだ「物言う株主」の手中にあります。
また6000億円の第三者割当増資の以前にも、いくつかの「物言う株主」が市場で東芝株を手当てしていたはずで、場合によっては30億株近い東芝株が海外ファンドに保有されている可能性があります。
さすがに過半数をこえていることはなさそうですが、彼らの利害がまとまると会社提案が否決されたり、彼らの株主提案が可決してまうかもしれません。株主提案は株主総会開催の8週間前までに会社に届かなくてはならないので、そろそろ締め切りの時期です。すでに東芝にはそうした株主提案が届いているかもしれません。
東芝は多数の「物言う株主」が半分近い株数を保有する、世界でも珍しい「物言う株主の会社」になっています。株主総会でどんな要求が飛んでくるか全く想像できませんし、どのように経営監視が行われるかもわかりません。6月下旬の定時株主総会は、大いに注目すべきものとなります。
ここから先は有力な海外ファンドの動向や思惑によって、事態が大きく変わっていく可能性があります。一難去ってまた一難……東芝の歴代経営陣がひた隠しにしてきたずさんな経営の後始末は、まだまだ終わりそうにありません。刺激的なメールマガジン『闇株新聞プレミアム』はこれからも各方面からの情報を精査して、東芝の行方について独自の予想をしていきます。
闇株新聞PREMIUM |
|
【発行周期】 毎週月曜日・ほか随時 【価格】 2,552円/月(税込) | |
闇株新聞 週刊「闇株新聞」よりもさらに濃密な見解を毎週月曜日にお届けします。ニュースでは教えてくれない世界経済の見解、世間を騒がせている事件の裏側など闇株新聞にしか書けないネタが満載。 |
|
●DPM(ダイヤモンド・プレミアム・メールマガジン)とは?
金融・経済・ビジネス・投資に役立つタイムリーかつ有益な情報からブログに書けないディープな話まで、多彩な執筆陣がお届けする有料メールマガジンサービス。
初めての方は、購読後20日間無料!
世の中の仕組みと人生のデザイン |
|
【発行周期】 隔週木曜日 【価格】 864円/月(税込) | |
橘 玲 金融、資産運用などに詳しい作家・橘玲氏が金融市場を含めた「世の中の仕組み」の中で、いかに楽しく(賢く)生きるか(人生のデザイン)をメルマガで伝えます。 |
|
堀江 貴文のブログでは言えない話 |
|
【発行周期】 毎週月曜日、水曜、ほか随時 【価格】 864円/月(税込) | |
堀江 貴文 巷ではホリエモンなんて呼ばれています。無料の媒体では書けない、とっておきの情報を書いていこうと思っています。メルマガ内公開で質問にも答えます。 |
|