犯罪歴があるとベトナムで証券口座を開けない。なので警視庁と外務省、大使館で証明してもらった！最新版！ベトナムで証券口座開設タイヘン記（下）

現地で証券口座を作る！と、ホーチミンに飛んだザイ編集部の副編イシカワだったが、国内での書類が揃わず、結局は、SSI証券の担当者に挨拶しに行ったようなものだった（前編：ベトナムで証券口座を開設するには まず警視庁に行くべし！？ ）。とほほ。とはいえ、ベトナムの雰囲気を肌で感じることができたので、まぁいいとしよう。次は、国内での書類集めを完遂させねば。

無事に犯罪者ではないことが証明できるか？

　まずは無犯罪者証明を取りに、再び警視庁へGOである。

　申請した時と同じように笑顔で迎え入れられ、受付で引取票を渡すと、左手の小部屋で待つようにと言われた。15人ほど先客がいただろうか。10分ほどで係りの人が顔をだし、書類が渡された。

　茶封筒の表面に名前などが欧文で印字され、裏面には締印が押され、しっかりと封がされている。「開けたら無効ですから」と何度も言われ、丁重に受け取る。これで“罪なきもの”のお墨付きを得た！？

　話は逸れるが、待っている間、トイレに行きたいというサラリーマン風男子がいたのだが、受付の女子は「少々お待ちください」といってガードマンを呼び、ガードマンに付き添われてトイレへ。さすがは警視庁なのである。

さらに認証申請をする

　お次は外務省だ。警視庁の2軒となりにある。

　無犯罪者証明をさらに外務省で認証してもらうのだ。こっちの警備員のほうが、眼光鋭いわけじゃないけど、ちょっと厳しい。

　門の前に一人、入ったところで一人、外の通路を歩いて行ったところに一人いて、それぞれに行く先を説明してくれる。

 「公証班は2番ね」と言われ、2番窓口へ。先客は2人。すぐ順番が来た。申請書は外務省のHPからダウンロードできるのが、現地でも記入できるので、わざわざ準備していくほどでもない。

　しかし、発行者の欄に「警視総監って書いてください」と言われ、一瞬、文字が浮かばず、ドバっと汗が・・・。「警視のしは視力のしです」「監は幹事長のかんです」ってそれは違うじゃないか。「監督のかんです」。あ、そうそう。ふう、やっと書けた。文字はＰＣかケータイでしか打たないから、すっかり書き文字は書けなくなっていく。編集者の恥、である。ああ、恥ずかしい。

　無犯罪者証明を渡し、身分証明（免許証とかパスポートなど）になるものを見せ、受領票を受け取って終了。ちなみに申請は9時15分～12時、13時15分～16時の間。引取りは翌日以降。受領時間は9時～12時15分、13時15分～17時。

外務省は難なくクリア

　翌日の午後、取りに行く。今回も、門の前に一人、入ったところで一人、外の通路を歩いて行ったところに一人、同じようにいて、それぞれに「受領証」を見せて進む。

　最後の人には「あ、昨日来た人ね」と言われてしまい、どきっ。一言言葉を交わしただけなのに、本当に覚えているのかなぁ。今日は先客もおらず、すぐに渡されて、終了。一度封を開けて、また閉じました、という風体の封筒。

　次はベトナム大使館。さらにさらに認証してもらうのだ。

ベトナム大使館が見つからない！

　ベトナム大使館は小田急線代々木八幡駅から徒歩10分程度のところにある。

　住宅街を行くのでちょっとわかりにくいが、iPhone片手にテクテクと。大使館の住所にたどり着いたものの、大使館らしい建物はない！　地図が古い？　まさか？　道路工事のガードマンに聞いてみると、この辺のはずですよ、外人さんの出入りが多いから。なるほど。

　よくよく見てみると、マンションの一角に「ベトナム大使館」のプレートが貼ってある、これか！　門も、裏門みたいな簡単な門扉で、これじゃぁ気づかない。

　先客は7～8人程度。受付で認証をお願いしますと、パスポートと無犯罪者証明を手渡す。待つこと1時間くらい。名前を呼ばれて出来上がり。認証は1通5000円。パスポート認証は2通必要だったので、計1万5000円なり。

　待っている間、50歳くらいの男性が受付で「結婚するんですが、この手紙を翻訳してもらえませんか」。おおっ！　そんなこともしてくれるのか、すごいですねぇ。

　ま、そんなこんなで、ようやく必要書類が用意でき、郵便局からEMSで郵送。こちらは900円なり。あとは、SSI証券からの返信を待つばかりだ。
しかし、意外とコストはかかってしまった。最低この分は株で取り返さないと！

まだ、完了ではなかった！

　すっかり安心していたら、タオさんから「無犯罪証明書のベトナム語訳がついてません！」とのメールが。

　ああ、すっかり忘れてた。ベトナム大使館でお願いをしなければいけなかったのだ。「こっちでやると30万ドンくらいかかりますけど」と書いてある。
また1万円以上かかっちゃうのかー。ええぃ、わざわざ送りなおしてもらうのも面倒だ、「そちらでお願いしてします」と返信する。

　あとで、計算しなおしたら、30万ドンは1200円くらいでした。なーんだ、ビビって損した。

　にしても、ベトナムドンは数字が大きくなるから、気をつけなくちゃ。これで、今までかかったお金は2万円弱。ここまで時間とお金を使ったのだから、真剣にやるっきゃない！　よし、準備開始。

　改めて、資料を読み直してみたら、「最初の保証金：５千ドール（証券口座番号ができたら1ケ月以内に送金しなければならないこと）」と書いてある。

　へっ！　５千ドールって40万円ってこと？　聞いてないよぉ（見逃してただけだけど）。でもまぁ、2万円以上の利益を出すのに、このくらいは必要ってか。ホントに本気でやらなくちゃ。本気度ＭＡＸのイシカワである。

　まずは、タオさんに教えてもらった６銘柄の中から物色しよう。ここで、”タオ銘柄”をおさらいしてみる。

＊サイゴン証券（SSI）
＊リー冷蔵電気工業（REE）
＊サコム開発投資（SAM）
＊フンブオン水産（HVG）
＊ホアン・アイン・ザーライ（HAG）
＊ベトコムバンク（VCB）

　ホーチミンはとにかく暑かったから、エアコンや冷蔵庫を扱うリー冷蔵電気工業に注目。

　同社の12年第1四半期の税引後利益は、前年同期比+177.6％増、約2.8倍と大幅増益というニュースを発見。6月15日にはDB X-Trackers FTSE Vietnam Indexの組み入れ銘柄から外れる、という情報もゲットしたが、チャート的にはそれほど反応していないようなので、業績を重視。

　株価（7/9）は1万5800ドン。10株から買えるので、616円程度から。1000株くらいから始めようか。　

　あとは、スーパーの乳製品売り場で所狭しと並んでいたビナミルク（VNM）、大手商業銀行のベトコムバンク（VCB）、お世話になってるサイゴン証券（SSI）あたりをウォッチ銘柄にしてみよう。

　この結果はまた改めて！

（取材・文・撮影／石川絵美）