IPO株の銘柄分析&予想

「ヤプリ」のIPO情報総まとめ!スケジュールから幹事証券、注目度、銘柄分析、他のアプリ開発・運用プラットフォーム運営企業との比較や予想まで解説![2020年12月24日 情報更新]

2020年11月13日公開(2022年3月29日更新)
ザイ・オンライン編集部
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会社名 ヤプリ
市場・コード/業種 東証マザーズ・4168/情報・通信業
上場日 12月22日
申込期間(BB期間) 12月4日~12月10日
おすすめ証券会社 大和証券野村證券SBI証券マネックス証券DMM.com証券
フィスコ分析による
市場の注目度
★★★最高★5つ
初値(初値騰落率) 5240円(+65.82%)
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】

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ヤプリが12月22日にIPO(新規上場)!

「ヤプリ」の公式サイトより

 ヤプリは、2020年11月13日、東京証券取引所に上場承認され、2020年12月22日にIPO(新規上場)することが決定した。

 ヤプリは2013年2月14日に設立された。アプリ開発技術がなくてもノーコード(プログラミング不要)でネイティブアプリを開発、運用できるクラウド型のアプリ運営プラットフォーム「Yappliシステム」の企画・開発・販売を行っている。

【目次】(クリックで該当する情報へ移動します)
▼いつ申し込んで、いつ購入する?(ブックビルディング期間、上場日など)
▼どこの証券会社で申し込める?(幹事証券会社)
▼いくらで買える?(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)
▼発行株数・単元数・公開規模は?

▼どんな会社?
▼業績データ/業績コメント
▼企業の詳細情報/銘柄紹介
▼投資のポイント

 

ヤプリのIPOは、いつ申し込んで、いつ購入する?
(ブックビルディング期間、上場日など)

■スケジュール
仮条件提示 12月2日
ブックビルディング(抽選申込)期間 12月4日~12月10日
公開価格決定 12月11日
購入申込期間 12月14日~12月17日
払込日 12月21日
上場日 12月22日

ヤプリのIPOは、どこの証券会社で申し込める?
(主幹事証券会社・幹事証券会社・委託販売証券会社など)

■取り扱い証券会社(2020年12月14日時点。割当は変更になる場合があります)
証券会社名
(※青文字はクリックで詳細ページへ)
引受シェア 口座開設
大和証券(主幹事証券)
[最短翌日に取引可能]
14.8
公式サイトはこちら!
野村證券 1.3
公式サイトはこちら!
SBI証券
[最短翌日に取引可能]
0.9
公式サイトはこちら!
マネックス証券
[最短翌日に取引可能]
0.4
公式サイトはこちら!
DMM.com証券
※委託販売の配分がなかったため取扱中止
 
みずほ証券(主幹事証券) 82.6  

ヤプリのIPOは、いくらで買える? 割安/割高?
(仮条件・公募価格・予想PER・初値・初値騰落率など)

■価格情報
想定発行価格(※1) 2960円
仮条件
[予想PER(※2)
2960~3160円
倍~倍]
公募価格 3160円
初値 5240円
初値騰落率 +65.82%
予想トレーディングレンジ(※3) 2500円~5000円
最新チャート 【クリックで最新チャートへ】
※1 有価証券届出書提出時。※2 予想EPS=今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数、から計算したもの。※3 期間は上場後1年を想定。
■類似会社2社の予想PER(2020年12月1日終値の株価と会社側予想から計算)
会社名 ※クリックで最新チャートへ 予想PER
【2社平均】 93.9倍
BASE<4477> 倍(連)
サイボウズ<4776> 93.9倍

 予想EPSから割り出した仮条件の予想PERと、類似会社3社の平均PERと比較すると、本銘柄の公開価格は赤字予想のため割安度を判断できない。

ヤプリの発行株数・単元数・公開規模は?

■株数などに関する情報
発行済株式数(上場時) 1166万3600株(予定)
公開株式数 公募35万株  売出449万5400株
(オーバーアロットメントによる売出72万6600株)
想定公開規模(※1) 164.9億円(OA含む)
※1 有価証券届出書提出時における想定発行価格で計算。

ヤプリはアプリ開発プラットフォーム運営

 スマホアプリの開発・運用・分析をノーコード(プログラミング不要)で提供するアプリプラットフォーム「Yappli」の運営を行う。ドラッグ・アンド・ドロップなど直感的な操作でデザインの設計、変更、機能の登録、プッシュ通知の送信などiOSとAndroidの2つのネイティブアプリの開発、運用が同時に可能。9月末時点での契約アプリ件数は527件。

 IT人材の不足が社会問題となるなか、同社の事業はユニークな存在として注目されそうだ。一方、公開規模がマザーズ上場案件としてはかなり大きい。契約アプリ数などは順調に伸長しているものの、先行投資で今期も赤字見通しのため、業績への評価が分かれる可能性はある。

 公開規模については160~170億円程度となる見込み。また、12/22はウェルスナビ<7342>Kaizen Platform<4170>が同時上場する。

◆「ヤプリ」IPOに申し込めるおすすめ証券会社
大和証券[最短翌日に取引可能]
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ヤプリの業績データ

■業績推移(単位:百万円・% )
決算期 売上高
(伸び率)
経常損失
(伸び率)
純損失
(伸び率)
2016/12 244
(―)
▲ 155
(―)
▲ 157
(―)
2017/12 599
(144.9%)
▲ 63
▲ 73
2018/12 1,021
(70.6%)
▲ 162
▲ 205
2019/12 1,721
(68.4%)
▲ 798
▲ 789
2020/12予 2,370
(37.7%)
▲ 653
▲ 658
2020/9 3Q 1,701
(―)
▲ 395
(―)
▲ 399
(―)
予想EPS(※)
/配当
単独:-円/0.00円
※予想EPSは「今期(IPO時)予想純利益÷上場時発行済株式数」で計算したもの。

ヤプリの業績コメント

 2020年12月期の業績は、売上高が前期比37.7%増の23.7億円、経常損失が6.5億円(前期は7.9億円)と増収・赤字縮小の見通しとなっている。

 同社が属するモバイルアプリ業界においては、アプリの利用企業の裾野がさらに広がり、ビジネスやマーケティングのあり方を次々に刷新していくとみられている。

 このような環境において、同社は、プログラミング不要で誰でも手軽にスマートフォンアプリを開発・運営できるYappliシステムを提供している。世の中のあらゆる体験がスマートフォンにシフトするのに合わせ、企業の自社アプリのニーズは急速に高まっている。

 その結果、同社のメインサービスであるYappliシステムの月額システム利用料及び初期制作収入が好調に推移した。また、新規顧客獲得のために積極的な広告宣伝を実施している。この結果、今第3四半期累計期間(2020年1-9月)の業績は、売上高17.0億円、営業損失3.8億円、経常損失3.9億円、四半期純損失3.9億円となっている。各段階損失が発生した主たる要因としては、売上高は順調に推移しているものの、先行投資としての人件費や広告宣伝費等の回収に至っていないためである。

ヤプリの詳細情報

■基本情報
所在地 東京都港区六本木三丁目2番1号 住友不動産六本木グランドタワー41階
代表者名(生年月日) 代表取締役社長 CEO 庵原 保文(昭和52年2月28日生)
設立 平成25年2月14日
資本金 14億7240万円(令和2年11月13日現在)
従業員数 170人(令和2年9月30日現在)
事業内容 スマホアプリの開発・運用・分析をノーコード(プログラミング不要)で提供するアプリプラットフォーム「Yappli」の運営
■売上高構成比率(2019/12期 実績)
品目 金額 比率
アプリ運営プラットフォーム事業 1,721 百万円 100.0%
合計 1,721百万円 100.0%
■大株主上位10位
順位 株主名 保有株数 保有シェア
1 庵原 保文 234万8100株 20.75%
1 佐野 将史 234万8100株 20.75%
3 YJ1号投資事業組合 210万2400株 18.58%
4 Eight Roads Ventures Japan II L.P. 113万3700株 10.02%
5 グロービス4号ファンド投資事業有限責任組合 111万2700株 9.84
6 黒田 真澄 82万8900株 7.33%
7 Globis Fund IV, L.P. 66万7200株 5.90%
8 Salesforce.com, inc. 42万株 3.71%
9 テクノロジーベンチャーズ4号投資事業有限責任組合 18万株 1.59%
10 川田 尚吾 4万8000株 0.42%
合計   1118万9100株 98.90%
■その他情報
手取金の使途 運転資金(広告宣伝費及び人件費)に充当する予定
関係会社
VC売却可能分(推定) -社 -株(売出し・保有期間などの制限があるもの以外)
直近有償第三者割当 年月日 2019年6月14日
割当先 Eight Roads Ventures Japan II L.P.
発行価格 1,750円 ※株式分割を考慮済み
◆「ヤプリ」IPOに申し込めるおすすめ証券会社
大和証券[最短翌日に取引可能]
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野村證券
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SBI証券[最短翌日に取引可能]
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マネックス証券[最短翌日に取引可能]
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ヤプリの銘柄紹介

 同社は、「Mobile Tech for All~モバイルテクノロジーで世の中をもっと便利に、もっと楽しく~」という経営理念のもと、アプリ開発技術がなくてもノーコード(プログラミング不要)でネイティブアプリ(※1)を開発、運用できるクラウド型のアプリ運営プラットフォーム(「Yappliシステム」)の企画・開発・販売を行っている。

■Yappliシステムの機能

 Yappliシステムでは、ノーコードでありながら、スクラッチ開発(※2)に見劣りしない40以上の充実した機能を搭載している。以下が主要な機能となる。

1. プッシュ配信機能…配信タイミングと対象者の掛け合わせからプッシュ通知(※3)を送ることができる機能
2. ポイントカード機能…API(※4)により顧客ポイントサービスと連携しポイントカード/会員証を表示できる機能
3. スタンプカード…QRコードを読み取り、スタンプカードにスタンプを付与することができる機能
4. エンベッド動画(※5)…アプリ内に動画を埋め込み、自動再生できる機能
5. 電子書籍…商品カタログやルックブック、チラシ等のあらゆる紙媒体を配信できる機能
6. アプリ内課金機能 … 配信コンテンツに対して毎月継続型の月額課金が実施できる機能
7. 認証機能 … 事前に登録しているメールアドレス/パスワードでユーザー認証を実行する機能

 Yappliシステムは1アプリ(iOS及びAndroidの両方を含む)1契約としており、主な収入源は、導入時に同社が初期制作サポートを実施した対価として受領する「初期制作収入」、Yappliシステム利用料及び保守運営料として毎月受領する「月額利用料」である。「月額利用料」は、ベース利用料金と有料オプション機能やプッシュ通知を受領できる端末数に応じた従量課金方式により加算される追加料金により構成されている。

 料金の定価はプランによって異なり、「初期制作収入」で280~360万円、「月額利用料」のベース利用料金は20~70万円、オプション料金は1機能で10万円~となる。Yappliシステムの機能性・利便性が顧客企業から評価され、2020年9月末時点でYappliシステムの契約アプリ件数は527件、累計アプリダウンロード数は約6500万ダウンロードと順調に推移している。

 また、月次解約率(※6)は2016年12月期より1%未満を継続し、2020年12月期第3四半期累計期間では新型コロナウイルスの影響もあるなか、0.88%程度にとどまっている。さらに、有料オプション機能や従量課金方式による月額料金の追加などで顧客単価も順調に成長し、結果、Net Revenue Retention Rate(※7)は100%以上となる。

(※1)ネイティブアプリとは、アプリケーションソフトウェア(Application software)の略であるスマートフォンやタブレットで動作するコンピュータ・プログラムをいう。
(※2)スクラッチ開発とは、特定のパッケージ製品のカスタマイズや機能追加などによらず、全ての要素を個別に最初から開発することを指す。
(※3)プッシュ通知とは、スマートフォンのアプリにユーザーにとって必要な情報を配信し、表示や音で通知する機能を指す。
(※4)APIとは、アプリケーションプログラミングインターフェース(Application Programming Interface)のことで、あるコンピュータ・プログラムの機能や管理するデータ等を外部の他のプログラムから呼び出して利用するための手順やデータ形式等を定めたものである。
(※5)エンベッド動画とは、アプリ上に埋め込まれた動画を指す。
(※6)月次解約率とは、既存契約の月額課金額に占める、解約に伴い減少した月額課金額の平均割合である。
(※7)Net Revenue Retention Rateとは、既存顧客の売上の対前年度比率を指す。

ヤプリの投資のポイント

 IT人材の不足が社会問題となるなか、「ノーコードでアプリ開発・運用できるプラットフォーム」を提供している同社の事業はユニークな存在として注目されそうだ。一方、公開規模がマザーズ上場案件としてはかなり大きく、ベンチャーキャピタル保有株も多いため、需給状況は良好とは言えない。契約アプリ数などは順調に伸長しているものの、人件費や広告宣伝費などの先行投資で今期も赤字見通しのため、業績への評価が分かれる可能性はある。とはいえ、10/28マザーズ上場で公開規模111.9億円のプレミアアンチエイジング<4934>は公開価格比+37.0%という初値を付けており、成長期待で十分な需要を集める余地はあるだろう。

 同社は、アプリ開発技術がなくてもノーコード(プログラミング不要)でネイティブアプリを開発、運用できるクラウド型のアプリ運営プラットフォーム「Yappliシステム」の企画・開発・販売を行っている。一般的に企業にとってのアプリ開発は、Webの開発よりも多くの手間とコストがかかる挑戦であると考えられている。

 「Yappliシステム」では、アプリ開発、運用の多くの課題をSaaS型のアプリ開発プラットフォームの提供により解決しており、アプリ開発技術がなくても、ドラッグ&ドロップなど直感的な操作でデザインの設計、変更、機能の登録、プッシュ通知の送信などiOSとAndroidの2つのネイティブアプリの開発、運用が同時に可能となっている。2020年9月末時点で契約アプリ件数527件、累計アプリダウンロード数約6,500万ダウンロード、月次解約率0.88%、月額利用料割合79%。

 業績面について、2020年12月期は売上高が前期比37.7%増の23.7億円、経常損失が6.5億円(前期は7.9億円)と増収・赤字縮小の見通しとなっている。期末時点の契約アプリ件数は546アプリを想定。業績が赤字段階のため株価評価しづらいが、想定仮条件水準の株価売上高倍率(PSR)は14~15倍程度となり、売上高成長率や収益モデル等を考慮すると十分許容されそうな水準。なお、類似のノーコードアプリ開発プラットフォームは未上場の新興勢や海外勢が手掛けている。類似企業には業務アプリ開発ツール(グループウェア)のサイボウズ<4776>、ECプラットフォームのBASE<4477>などを挙げた。

 公開規模については160~170億円程度となる見込み。ベンチャーキャピタルによる売出株が多いうえ、上場後も保有株が165万1700株(上場時発行済株数の14.2%)残る。ただ、このうち119万1300株は上場日後6カ月間の継続所有の確約が取られており、残る46万400株は上場日後180日間のロックアップ(但し公開価格の1.5倍以上で解除)がかかっている。一方、12/22はウェルスナビ<7342>Kaizen Platform<4170>が同時上場するため、初値買いの分散を想定する必要がある。

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主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
19社
52社
24社
47社
26社
80社
10%:1人1票の平等抽選
最大5%:「ステージ別抽選」
※1
345万
【ポイント】
大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。
※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。
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◆SBI証券
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) ネット配分・抽選方法 口座数
2023 2022 2021
21社
91社
13社
89社
21社
122社
60%:1単元1票の平等抽選
30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分
10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分
1245万
【ポイント】
ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。
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