実店舗は期待に反して苦戦
好調なネット・ショッピングに対して、実店舗でのクリスマス商戦は波乱含みのスタートとなっています。全米のショッピングモールの業界団体である国際ショッピングセンター・カウンシルは、今年の実店舗の売上高予想を+3%と見ています。
ただし今年は、ウォルマートやターゲットなどの大手小売店がブラック・フライデーの特売日をサンクスギビング・デーに繰り上げました。このため一部の売上高がブラック・フライデーからサンクスギビング・デーに移り、単純比較を困難にしているので、今年の数値は実態より悪く出ている恐れがあります。
スマホによる比較ショッピングが売上げに影響
実店舗でのブラック・フライデーの売上げが不振だったもう1つの理由として、スマートフォンの普及で価格の比較がすぐにできるようになったことも指摘されています。
実店舗で商品の実物を見た後、スマホでネットでもっと安いバーゲンがないかどうか調べ、ネットの方が安ければそちらで買うという消費行動が増えてきているのです。
このため小売店はリアルタイムで競争的値下げを強いられるケースが増えてきており、利幅的には今年のクリスマス商戦はかなりきつくなりそうな雲行きです。
うわべの好調さでは楽観できない米国株式市場
先週の米国株式市場は力強く反発しました。しかしホリデー・ウィークということもあり出来高は少なく、テクニカル的な信頼度はいまひとつ低いと思います。
「財政の崖」問題に対する楽観論にしろ、クリスマス商戦に対する期待にしろ、うわすべりなムードでフラフラ相場が上がっている観が否めません。「財政の崖」問題が正念場を迎えるのは、まだひと月以上も先のこと。もっと安いところで買い出移動できる場面があると思います。
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