【今回のまとめ】
1.向こう数カ月のうちに債券買い入れプログラムは縮小へ
2.そのタイミングは経済指標次第
3.FRB議長後任人事がタイミング繰り上げに関係している
4.難しいことは現職議長がやっておくというのがFRBのエチケット
5.今後、良い経済指標は全て米国株売り材料
バーナンキ議長の証言がいつになく歯切れが悪かった
5月22日、連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長が議会で証言しました。
今回の答弁は、普段、明瞭な対話を心掛けているバーナンキ議長としては、いつになく歯切れが悪いもので、投資家を混乱に陥れました。
しかし先週1週間を終えて、そこで起きた事を振り返ってみると、FRBが市場に対して送ろうとしている警告は明らかです。それは:
1.向こう数回の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で、債券買い入れプログラムの縮小を打ち出す可能性がある。
2.この縮小は小手調べに少し実施し、市場が荒れるようなら引っ込める。
3.縮小を打ち出すタイミングはその時の経済指標次第
ということです。
これは今までのFRBが堅持してきた債券買い入れプログラムを終わらせる目安とは、打って変わった曖昧さだといえます。ちなみに過去のものとなってしまったガイドラインは「失業率が6.5%まで下がるか、消費者物価指数が2.5%を超えたら終了する」というものでした。
FRBのメンバーは「米国の失業率が6.5%を切るのは早くても2015年」と予想してきたわけですから、「向こう数回のFOMCのうちに縮小を打ち出す可能性がある」という今回の説明は、投資家からしてみれば「随分、急な話だな」と感じざるをえません。
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