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ウクライナ情勢の後に
個人投資家が気を付けるべきこと

【第101回】 2014年3月11日公開(2022年3月29日更新)
藤井 英敏
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 ウクライナ情勢への懸念はとりあえず杞憂に終わりました。

 思い返せば、前週はウクライナ情勢に投資家は右往左往させられ、その後、売り方が踏まされ続けた1週間でした。緊張感のピークは、「ロシア黒海艦隊は3日、半島内のウクライナ軍に対し、現地時間4日午前5時(日本時間同日正午)までに降伏しなければ攻撃すると最後通告した」と伝わった3日の前場でした。そこで、市場の武力衝突への恐怖はピークに達し、日経平均は1万4443.10円のボトムを付けたのです。

米国経済への安心感と中国問題のリスク

 しかしその後、市場では徐々に武力衝突は避けられるとの見方が優勢となり、結局3日の終値は1万4652.23円と安値から下げ幅を大幅に縮小させました。そして、4日は、現物取引終了後、「ロシアのプーチン大統領が軍事演習中の部隊に帰還を命じた」と相次いで伝えたことで、225先物3月物は15時6分に1万4890円を付けました。4日のキャッシュの終値は1万4721.48円ですから、この報道を受け相当量の225先物には買戻しが入ったとみられます。ここで売り方の命運は決まりました。

 止めを刺したのが、米国時間4日にロシアのプーチン大統領がウクライナへの武力行使は最終手段との認識を示したことが伝わり、米国株が急反発し、円相場も1ドル=102円台の円安水準となったことです。こうして、週末7日の日経平均は一時1万5312.60円まで上昇し3日安値1万4443.10円から869.50円(6.02%)も上がりました。

 一方、記録的な寒波の影響が懸念されていた2月の米雇用統計では、失業率は6.7%と前月から0.1ポイント上昇したものの、非農業部門の雇用者数の伸びは市場予想の前月比15万人増に対して17.5万人増と、昨年11月分以来の水準に回復しました。一応これで、米国経済への安心感が強まりました。

 ただし、足元では中国問題はリスクとして意識されています。

 春節(旧正月)の影響が出て、2月の中国貿易統計は輸出額が前年同月比18.1%減となり、市場予想の5%増を大きく下回りました。減少は昨年9月の0.3%減以来、5カ月ぶりのことです。輸出の減少率は2009年8月以来、4年半ぶりの大きさでした。また、中国の2月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比2.0%上昇でした。上昇率は1月の2.5%から鈍化しました。このため、市場では景気減速懸念が強まりつつあります。

 これだけではありません。中国の四大国有銀行である中国銀行の李礼輝前行長(前頭取)は10日、個人向け高利回り商品の理財商品について「一部は債務不履行(デフォルト)を容認すべきだ」と述べたと伝わっています。代表的な理財商品である信託商品のデフォルト懸念に加えて、社債にもデフォルト懸念が高まっています。このため、10日の上海総合指数の終値は前週末比58.843ポイント(2.85%)安の1999.065と、心理的節目の2000を下回りました。

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