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【信用取引入門:第2回】信用取引3つのメリットと松井証券の手数料無料の新サービス「一日信用取引」を紹介!

2014年5月30日公開(2022年3月29日更新)
久保田正伸
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今回は信用取引の3つのメリットについて。従来のメリットに加えて、2013年信用取引の制度改革により、短期的な売買もしやすくなった。制度に加えて登場した証券会社の新サービスも紹介しよう。

*連載第1回「なぜ2013年から信用取引の売買が増えたのか。信用取引と現物取引、何が違う?」

 信用取引のメリットは、次の3点にまとめられる。

その1 自己資金以上の取引ができる
 その2 空売りができる
 その3 デイトレードに便利

 以下、それぞれについて説明しよう。

【メリットその1】自己資金以上の取引ができる

 信用取引を利用すれば、自己資金以上の株取引が可能だ。これを「レバレッジ取引」と言う。「レバレッジ」とは、少ない力で大きな物を動かす「テコの原理」を意味している。

 信用取引では、預けた保証金の最大3.3倍の株を売買できる。実際の委託保証金率は、30%、33%、40%など証券会社によって異なる。各証券会社の保証金率は、こちらのページ(ネット証券を信用取引コストで比較!)に掲載してある。

 たとえば、30万円の保証金を預ければ、最大100万円の株取引が可能だ(手数料などを考慮しない場合)。「A株を買うチャンスだが、少し資金が足りない」といった場合に、現物株の取引はできなくても、信用取引なら可能。チャンスを逃さず取引ができる。

 信用取引は少ない資金で大きな利益が狙える「ハイリターン」の可能性を秘めているのだ。ただし、同時に「ハイリスク」をも意味する。株価が思惑と反対方向に動いた時には、一気に資金を失う危険性がある。レバレッジ取引を行う場合には、リスク対策や資金管理など、戦略を決めてから投資をするべきだろう。

【メリットその2】空売りができる

 信用取引なら相場の下落局面でも利益をあげられる。それが「空売り」と呼ばれる取引方法だ。空売りは、最初に「売り建て」からはじめる。高値で売り建てて、安値で決済すれば利益になる。たとえば、株価が1000円の時に新規で売り建てて、950円に下落した時に、決済を行えば50円の利益になる。

 もちろん現物株と同様に上昇局面で、買い建てれば利益が上げられる。つまり、上げ・下げ両局面で利益が狙えるのだ。

 ただし、売り建て時に株価が上昇すれば損失となる。これを「踏み上げ」という。上昇は下落と違い、伸びしろは無限大だ。下手に空売りをして、どんどん踏み上げられると、思わぬ大損失を被ることもあるので要注意だ。

一般信用と制度信用、どちらを使う?

 信用取引には、制度信用取引一般信用取引の2種類がある。実際に取引する場合は、両方の信用取引が利用できる場合がある。用途に応じて使い分けが必要だ。

 制度信用取引は、弁済期限や対象銘柄など、取引所が決めたルールにもとづいている。一方、一般信用取引は、各証券会社がルールを決めている。それぞれの違いを比較したのが【図表1】だ。

 また、対象銘柄を区分したのが【図表2】。金利は「制度」より「一般」が若干高めなので、普通は制度信用を使うことが多いだろう。一般信用は金利が高めだが、サービスは多彩だ。たとえば、弁済期限が「無期限」のサービスもある。

 「空売り」を行う場合、通常は制度信用で貸借銘柄を利用する【図表2】。ただし、一部の証券会社(カブドットコム証券松井証券など)では、一般信用でも空売りが可能だ【図表3】。一般信用の売り建て銘柄には、制度信用で売り建てできない銘柄も含まれている。


    【図表3】一般信用で売建てができるサービス 

証券会社名 サービス名 概要 返済期限 買方金利 貸株料(売方) 売建可能銘柄数
 カブドットコム
 証券
長期 買い建てに加え、
制度信用取引では売建できない
指定銘柄の売建が可能
3年 3.6% 1.5% 1441
売短 売り建てのみ 13日 3.9% 719
 松井証券 無期限信用 買い建てに加え、制度信用
取引では売建できない
指定銘柄の売建が可能
無期限 4.1% 2.0% 701
一日信用取引 デイトレード限定。手数料無料 当日売買 2.0%
(約定300万円未満)/0%(約定300万円以上)
760
一日信用取引
(プレミアム空売り)
新興市場銘柄を含め、他の証券
会社で空売りできない銘柄の
空売りができる。追加料金
(プレミアム空売り料)あり。
59

 *表は5/28時点

 また、一般信用なら「逆日歩」(売り建て銘柄が不足した時に発生する追加の銘柄レンタル料)がつかないメリットもある。

 空売り活用の一例に、株主優待の権利を、ほぼノーリスクで取る「クロス取引」と呼ばれる方法がある。過去の記事(実践!株主優待の基本からお得なトレード法まで教えます!)で解説しているので、興味のある方はご一読を。

【メリットその3】デイトレードに便利~同じ保証金で何度も取引OK

 2013年から信用取引の制度が変わり、同一資金を使って同じ日に何度も回転売買ができるようになった。その結果、デイトレードや短期売買がしやすくなった。

 この制度変更に合わせて松井証券が打ち出した独特なサービスがある。それがデイトレード限定の「一日信用取引」だ。このサービスは手数料が無料で、その他にかかる金利も低く設定されている【図表3】。低コストで空売りもできるため、現物取引より便利なケースも多い。実際、松井証券の一日信用取引比率は、右肩上がりに上昇しており、その人気ぶりがうかがえる【図表4】。

松井証券の株式売買代金に占める一日信用取引の比率。2014年3月期(平成26年3 月期) 決算報告資料より。

 信用取引は、制度改革や証券会社の新サービス導入により、日々進化している。新情報や新サービスを活用すれば、投資のチャンスが拡大し、コストダウンの工夫もできるだろう。

 次回は信用取引の手数料や金利などの「コスト」について。信用取引でかかるコストの基礎に加え、ネット証券各社が提供するユニークな料金プランもお伝えする。また、実際の口座開設の方法についても紹介する予定だ。

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10万円/日 20万円/日 50万円/日
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注)この表は2024年12月8日時点の情報に自動更新されているため、記事執筆時の情報とは異なっている場合があります。
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株式売買手数料(税込) 投資信託 外国株
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米国、中国
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2547本
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(1日定額)
0円/日 1885本
米国
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1日定額制プランしかないものの1日の約定金額の合計が50万円以下であれば売買手数料が無料という手数料体系は非常に魅力的。また、25歳以下なら現物・信用ともに国内株の売買手数料が完全無料! 資金が少なく、複数の銘柄に分散投資する初心者の個人投資家にはおすすめだ。その使い勝手は、チャート形状で銘柄を検索できる「チャートフォリオ」を愛用している株主優待名人・桐谷さんも「初心者に特におすすめ」と太鼓判を押す。また、デイトレード限定で手数料が無料、金利・貸株料が0%になる「一日信用取引」や手数料が激安になる「一日先物取引」など、専業デイトレーダーにとって利便性の高いサービスも充実している。「J.D.パワー2024年カスタマーセンターサポート満足度調査<金融業界編>」では、ネット証券部門で1位を受賞した。
※ 株式売買手数料に1約定ごとのプランがないので、1日定額制プランを掲載。
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1約定ごと(税込) 1日定額(税込) 投資信託
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外国株
10万円 20万円 50万円 50万円
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99円 115円 275円 550円/日 1767本
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米国
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※1
外国株
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