最近のネット証券各社のテクニカル分析レポートをまとめた結果、日経平均10月、11月の近未来予想は、上下に大きく分かれた! 9月18日に約8カ月ぶりに1万6000円の大台を回復した日経平均だが現在のトレンド、節目となる株価、今後の展開はどうなるのか。移動平均線などのテクニカル指標を使った各社の分析レポートを読んだ。
短期~現在、上昇トレンドが継続している
「現在は上昇トレンド」と見ているレポートは多い。今年7月30日から8月8日まで日経平均は大きく下げたが、その後7月30日(1万5646円)を上抜いたことにより「上昇基調が継続中であることが確認された」(*2)。
たとえば、25日移動平均線が上向いていれば上昇トレンドと見ることができる。他にもトレンドを示す指標がある。支持線・抵抗線や、ボリンジャーバンド、DMI(トレンドの発生と勢いを示す方向性指数)といったテクニカル指標で最近の日経平均を分析したのが【図表1】(*4)。
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・緑色の抵抗線を上抜けした後、サポートできるか。
・ボリンジャーバンド+2σ(株価の上にある赤いライン)が上向きなら1万6000円台回復。
・DMI(方向性指数)で、上方向を示す+DIがトレンド発生の目安とされる30%ライン上。今後、+DIが30%ライン上推移と、下向きの方向を示す-DIが低下するか。
現状は上昇基調だが、各種指標が逆に動けば、トレンド反転となる。その場合「高値掴みや売りそびれがないようにしたい」と注意をうながしている。
今回参照したレポートの出所一覧が【図表2】。
【図表2】テクニカル分析レポート、当面の目標株価まとめ
※ 番号 |
トレンド 判断 |
目標・節目の株価 | 注目指標 | 出所・レポート | 証券会社 情報へ |
1 | 岡三オンライン証券 | ||||
上昇 | 1万6121円(1/6)射程圏 | 騰落レシオ (警戒ゾーン) |
伊藤嘉洋の週間株式相場見通し(9/15週号) | ||
2 | SMBC日興証券 | ||||
上昇 | 1万6291円(13/12/30)。10月中に1万7700円 | 日柄と値幅 | 隔週刊テクニカル分析レポート「流転」中期見通し No.194(7/11)。「流転」 No.198(9/5) | ||
3 | SBI証券 | ||||
上昇 | 1万5942円(13/5/23)、1万6320円(13/12/30)。上値めど、1万6262円、1万6765円前後【図表3】参照 | 騰落レシオ(投資家の押し目買い下値支え)、25日移動平均線 | DZHフィナンシャルリサーチ・週刊日本株式アウトルック(9/12) | ||
4 | SBI証券 | ||||
上昇 | 1万6000円台回復?SQ値1万5915円98銭 | ボリンジャーバンド+2σの向き。DMIの+DIが30%ライン上 | 福永博之氏のテクニカルレポート(9/16) | ||
5 | 楽天証券 | ||||
上昇。三角保ち合いかも |
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「押さえ込み線」「上位の陰線5本」(坂田五法) | 土信田雅之「テクニカル風林火山」(9/12) | ||
6 | カブドットコム証券 | ||||
ピーク- 転換 |
今年11月前後1万3193円~1万1262円下落リスク。年末までに4月安値下回るアノマリー | エリオット波動(調整局面)。一目均衡表の雲(転換点近い) | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券・エリオット波動マーケット分析 (9/16) | ||
【図表2】詳しくは各レポートの原本を参照してください。*1、*3、*5はネット上で公開、その他レポートは各証券会社のログイン後の画面で読めます。 |
今後どこまで上がる? 目標となる株価は?
日経平均株価は1万6067.57円(9月18日終値)で過去の高値付近にある。昨年5月(1万5942円)、昨年12月30日(1万6320円)。SQ値(先物取引の取引期限に決済される価格)1万5915円98銭も節目と見られる。節目の価格はサポートライン、利食い・損切りのポイントとして見られやすい。
上値めどは、1万6262円、1万6765円前後【図表3】がある(*3)。さらに「当面1万6300円」から「10月中旬までに1万7700円処まで上昇が拡大」と見るレポートもある(*2)。このレポートでは、過去の上昇値幅3846円(13/6/13~13/12/30)を、直近の安値(14/4/14、1万3910円)にあてはめ、今後の高値めどを1万7756円としている。
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中期~大幅下落を警戒する見方も
順調に上を目指しているかに見える日経平均だが、警戒を示す指標も出ている。そのひとつが「騰落レシオ」だ(*1、*3)。
騰落レシオ(%) = (値上がり銘柄数)÷(値下がり銘柄数)×100
騰落レシオは、120%を超えてくる(値上がり銘柄数が多い)と相場の過熱を示すサイン。現在の騰落レシオ(東証1部、25日移動平均)は、120%近辺で推移している【図表4】。
また、「今年11月前後に向けて、日経平均は1万3193円~1万1262円」という下落リスクを指摘するレポートもある(*6)。その理由のひとつが、「11年11月から始まった現行3年サイクルが終わる」こと。
さらに、前出の「10月中旬に1万7700円」を予想したレポート(*2)でも、中期的視点では、7054円(09/3/10)基点の上昇からすでに5年が経過したことで、「10月ピークアウトの後は、3180円幅か4300円幅程度の大きな揺り戻しが生じる可能性が高まる」としている。
「短い時間で一気に崩壊」がいつもの下落パターン。1万6000円突破にうかれることなく、常にリスク対策などの準備が大切だろう。
なお、テクニカル分析レポートの詳細を読みたい場合は、是非、ネット証券各社に口座開設して、【図表2】の原本を参照していただきたい。
※証券や銀行の口座開設、クレジットカードの入会などを申し込む際には必ず各社のサイトをご確認ください。なお、当サイトはアフィリエイト広告を採用しており、掲載各社のサービスに申し込むとアフィリエイトプログラムによる収益を得る場合があります。 |
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