JPX日経400先物の取引が11月25日(火)から始まる。この先物商品は、株式市場にも影響を与えそうだ。JPX日経400先物取引の概要と、その影響・関連する個別銘柄などを紹介する。
今年1月から公表が始まった新たな株価指数「JPX日経インデックス400」は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による同指数銘柄の資産組み入れや、10月末発表の日銀バズーカによるJPX日経400ETFの買い入れなど、何かと話題になる旬の株価指数だ。JPX日経400、日経平均、TOPIXを比較したチャート【図表1】では、そのパフォーマンスの良さが目立つ。
ネット証券でJPX日経400先物を取引する方法
JPX日経インデックス400先物取引は、JPX日経インデックス400を原資産とする指数先物取引だ。【図表2】にその概要をまとめた。
先物取引では、JPX日経インデックス400指数が、株のように取引できる。信用取引のように買建・売建が可能だが、金利は不要だ。自己資金以上の金額が動かせるレバレッジ取引であり、取引をする場合には証拠金を証券会社に預ける。最低限必要な証拠金は、当初5万2500円(2014年11月25日~2014年11月28日)と設定されている(実際の証拠金はさらに証券会社の掛目が加わる)。
取引される金額は先物価格の100倍。これは日経225mini先物の倍率と同様だ。1枚取引する場合、先物価格が1万2800円ならば、実際には128万円の取引となる。先物価格が5円動けば、現金は500円動く。証拠金5万2500円を預けて128万円の取引ができるのだから、最大レバレッジは24.4倍となる(証拠金額は週替わり)。
11月25日当初から取引できる個人投資家向けネット証券は、SBI証券とカブドットコム証券だ。ともに手数料は1枚あたり46円(税抜)で、一般的な日経225miniの手数料と同水準となっている。
JPX日経400先物取引開始で今後注目されそうな個別株
JPX日経400先物の取引開始は、個別株にも影響を与えそうだ。過去のTOPIXや日経平均構成銘柄の例から見て、「株価指数先物が上場すると裁定取引が行われるため、指数構成銘柄の流動性が高まる」という(SMBC日興証券「Weekly Outlook」11/13)。
先物取引の流動性向上は、個別株にも影響を与える。
「GPIF等公的年金などが、今後、数兆円規模でパッシブファンドを組成すれば、時価総額の割に流動性が低い銘柄にポジティブインパクトが予想される」(同レポート)。
パッシブファンドとは、この場合、JPX日経400連動のファンドを意味している。JPX日経400指数の構成銘柄の特徴は、東証1部に限らず、東証2部やマザーズ、JASDAQ市場の銘柄も構成対象として選ばれる点にある。そこで、「東証1部以外の構成銘柄のポジティブインパクトが相対的に大きくなる」と見込まれている。
上記レポートでは、2兆円のJPX日経400パッシブファンドが組成され、、1兆円のTOPIXファンドが解約された場合の試算から、インパクトの大きな銘柄として、第一興商(7458)、日本パーカライジング (4095)など、JASDAQ銘柄を含む20銘柄を紹介している。
海外投資家からプレッシャーがかかりそう銘柄とは
もうひとつ注目の個別銘柄が掲載されたレポートを紹介しよう。マネックス証券で閲覧できる「週刊相場観測誌Market展望」(11月17日号。フィスコ提供)だ。
JPX日経400先物では、ROE(自己資本利益率)という経営指標が重視される。「低ROE企業などは、自社株取得などを行い、ROEを高めてくる可能性がありそう。また、海外投資家の株主比率の大きい企業などは、プレッシャーになりそうである」。
こういった観点から「海外投資家持株比率の大きい低ROE銘柄(東証1部)」として、コナミ(9766)、フジクラ(5803)など、34銘柄が紹介されている。
先物取引、株式取引ともにJPX日経400インデックスは、投資テーマとして重要性が増していくことは間違いない。関連情報は今後も要チェックだ。
*関連記事>>JPX日経400指数登場で注目度アップ!「高ROE銘柄」を買うために必要な工夫とは?
*11月25日からJPX日経400先物を売買できるのはカブドットコム証券とSBI証券。
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