スマホ向けゲーム「ポケモンGO」の世界的な人気爆発を受け、任天堂(7974)の爆騰が止まりません。19日前場終値は前週末比3000円高の3万780円で、時価総額は4兆3605億円と4兆円を超えました。一時前週末比3610円(12.99%)高の3万1390円まで上昇し2010年4月30日以来、およそ6年3カ月ぶりの高値を付けました。
「ポケモン」のみならず、「マリオ」「カービィ」「ドンキーコング」など、世界中の幅広い年齢層に親しまれるキャラクターを数多く抱えていることも、改めて評価されているようです。また、任天堂関連銘柄のサノヤスホールディングス(7022)も大変な人気です。大阪府吹田市の万博記念公園内の大型複合施設「EXPOCITY」において、同社子会社が事業主体となる「ポケモンEXPOジム」が、2015年11月19日にオープンしたことが買い材料になりました。
ちなみに、任天堂の株価は人気化する直前の6日終値は1万4380円です。また、同日のサノヤスの終値は163円でした。19日前場のサノヤスの株価は前週末比80円(18.31%)高の517円のストップ高買い気配です。
LINE関連株が急落し評価損が膨らむ投資家も
日経平均株価は順調だが相場の体感温度は高くない
一方、注目度の高かったLINE(3938)及び関連銘柄は酷いことになっています。
LINE株は上場初日の7月15日(金)は公開価格の3300円を48.48%上回る4900円で初値を付けましたが、5000円の上場来高値を付けた後は失速し、4345円で初日の取引を終えました。そして、上場2日目の19日(火)は売り気配で始まった後、前週末比450円(10.36%)安の3895円まで下落する場面がありました。値動きの悪さが嫌気され、見切り売りが加速しています。
また、LINE関連銘柄として人気化し、LINE上場で材料出尽くしとなり急落したアドウェイズ(2489)などの株価も酷いことになっています。アドウェイズの株価はLINE上場前日の14日終値は1163円でしたが、19日前場終値は前週末比150円(17.38%)安、ストップ安の713円です。
19日前場まで日経平均株価が6日続伸し堅調に推移する中、なんと意外なことに、前週末15日には、個人信用中心に予想外の追証が相次いでいるとの観測が浮上しています。
まずは、任天堂(7974)やサノヤスホールディングス(7022)を空売りした投資家の評価損の膨張です。そして、これまでの人気株であるそーせいグループ(4565)などの株価下落継続に加え、LINE関連銘柄群の急落の影響だそうです。
こんな状況ですので、今後、仮に日経平均株価が強い動きを続けたとしても、全員が儲かるというよりは、「勝ち組」と「負け組」の2極化が加速し、相場の体感温度自体はそれほど上がらないのかもしれないと、現時点では危惧しています。
次期デリバティブ売買システム(次期J-GATE)が稼働スタート
取引時間延長で「寝れなくなる投資家」が増える可能性も
ところで、今週から、指数先物などのデリバティブ取引を行う投資家にとっては、大きな環境の変化がありました。なぜなら、19日から次期デリバティブ売買システム(次期J-GATE)が稼働したからです。
これにより、東証マザーズ指数先物取引及びJPX日経インデックス400オプション取引が開始されました。
また、従来の翌日3時までのナイト・セッションは翌5時30分まで延長(2時間半の延長)されました。そして、指数先物取引の日中立会の開始時刻が従来の9時から、8時45分に前倒し(15分前倒し)されました。さらに、一部商品に注文の訂正・取消しを認めない時間帯(ノンキャンセル・ピリオド)を導入しました。これにより、日中セッション及び夜間セッションの寄付き前の1分間と夜間セッションの引け前の1分間においては、注文の訂正及び取消しが出来ません。
日本取引所グループは、「デリバティブ市場の拡大」をインフラ面から支える重要な施策を打ち出しており、今回の次期J-GATE稼働は、その一環です。確かに、今回の稼働により、デリバティブ売買を積極的に行う投資家の利便性は大幅に高まりました。しかしながら、取引可能時間の延長で、ますます「寝れなくなる投資家」が増えそうです。
多額の評価損を抱える多数の個人投資家の影響で
7月19日に上場のマザーズ先物は出来高が膨らまない
なお、19日上場のマザーズ先物は、事前に話題になった割には、商いが膨らみません。9月物の19日前場の出来高はたったの1793枚です。お寒いスタートになりました。今後、人気化し商いが膨らむかどうかに注目しておきましょう。
お寒いスタートになった主因は、ゴールデン・ウィーク前後まで盛り上がった人気銘柄への人気が離散し、株価が高値から大幅な調整局面にあることです。
多額の実現損を出して撤収した投資家はまだいいですが、損切りができず、現在も多額の評価損を抱えて、「にっちもさっちもいかない」個人投資家も相当数いることでしょう。だから、閑古鳥が鳴いているのです。その意味では、最悪のタイミングでの先物の上場となりました。
株式投資で成り上がりたいのなら、
強い・弱いの基準を持って強い株だけを買え!
株式投資で成り上がりたいあなたへのアドバイスとしては、「強いものを買え、強いものは空売るな。」「弱いものは買うな。しかし、よほど自信がある場合以外は、弱いものでも空売るな。」ということです。
つまり、結局「成り上がりたいのなら、強いものだけを買え!」ということです。
言い換えれば、「上昇トレンドに乗り、上昇トレンドに向うな。また、下落トレンドに向うな。そして"損失限定・利益無限"のポジションだけを持ち、"損失無限・利益限定"のポジションを持つことをなるべく避けろ」ということです。
なお、強いか弱いかの基準は、ザックリ言えば、短期なら5日移動平均線の上か、下かを基準にすればよいでしょう。当然、上なら強い、下なら弱いです。5日移動平均線では、テクニカル上のダマシが多く、売買が忙し過ぎると考えるなら、25日移動平均線を基準にしてもよいでしょう。
いずれにせよ、あなたにとって必要なことは、強い・弱いの基準を明確に持ち、強い銘柄を持ち続ける一方で、弱い銘柄を可能な限り早い段階で見切り、持ち続けないようにすることなのです。
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