世界投資へのパスポート

米国株の「決算発表シーズン」が今週から開幕!
金利環境がよく、資金が米国に流れ込んでいる今、
来週以降のテクノロジー株や石油株の決算に期待!

2018年7月9日公開(2018年7月9日更新)
広瀬 隆雄
facebook-share
twitter-icon
このエントリーをはてなブックマークに追加
RSS最新記事
印刷向け表示

第2四半期決算発表シーズンがスタート!
今週は期待薄だが、来週以降は好調に?

 今週から、2018年第2四半期の決算発表シーズンが始まります。今週の主な企業の決算発表日とコンセンサス予想は、以下の通りです。

■今週に決算発表する主な企業
 日付 銘柄(ティッカーシンボル) EPS 売上高
7月10日(火)寄付前 ペプシコ(PEP) 1.53ドル 160.9億ドル
7月12日(木)寄付前 デルタ・エアラインズ(DAL) 1.72ドル 116.5億ドル
7月13日(金)寄付前 シティグループ(C) 1.57ドル 185.9億ドル
7月13日(金)寄付前 JPモルガン・チェース(JPM) 2.23ドル 272.2億ドル
7月13日(金)寄付前 ウエルズファーゴ(WFC) 1.12ドル 216.9億ドル

 ペプシコは、食品・飲料など景気の影響を受けない商品を売っています。しかし、このところのドル高で利益は圧迫されているはずです。だから、あまり大きな期待を寄せることは出来ません。

 デルタ・エアラインズは、燃料コストの高騰が今後の収益に与える影響が懸念されます。

 シティグループJPモルガン・チェースウエルズファーゴの各銀行は、最近、長短金利差が狭まっていることが気がかりです。

 なぜなら銀行は、主に短期市場で資金を調達し、それを長期で貸付ける、ないしは長期債の購入に充てるからです。上のチャートのように金利差は狭まっているのだから、銀行の純金利マージンは圧迫を受けているはずです。

 加えて第2四半期中、世界の金融市場のボラティリティーは、第1四半期に比べると低かったです。これは、各行のトレーディング部門が利益を出しにくい環境だったと言えると思います。

 以上の理由から、銀行株の決算にも多くは期待できません。

 すると、今週から始まる第2四半期決算発表シーズンは、やや精彩に欠くスタートにならざるをえないと思います。

 しかし来週以降、決算シーズンは尻上がりに好調になると見ています。その理由はテクノロジー株や石油株の決算発表が始まるからです。

 この2つのセクターは、素晴らしいEPS成長を記録すると思われます。アナリストのコンセンサスでは、テクノロジー株のEPS成長率は前年比+24.6%、石油株は+142.5%が見込まれています。特に石油株に関しては、このところの原油価格の上昇で収益環境は改善している筈です。

S&P500の予想PERを見る限り
アメリカ株はまだまだ割高ではない!

 今年のS&P500指数のEPSは、160.99ドルがコンセンサスとなっています。来年は176.91ドルです。

 向こう12カ月のEPS予想に基づいた現在のS&P500の株価収益率(PER)は、16.2倍です。これは過去5年間の平均値とピッタリ一致しています。つまりアメリカ株は、適正なバリュエーションだということです。

予想に反して停滞する長期金利は
株式にとってはポジティブな要因に

 一方、長期金利に目を転じると、10年債利回りは2.84%で取引されています。

■米国10年債利回りチャート/日足・1年
米国10年債利回りチャート/日足・1年米国10年債利回りチャート/日足・1年(出典:SBI証券公式サイト)
※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
拡大画像表示

 年初、「今年は長期金利がいよいよ3%を超え、ずんずん高くなるだろう」と言われていました。しかし実際には、景気が強い割に債券利回りは低い水準のままです。

 そのひとつの理由は、いまアメリカだけでなく、世界各国で長期金利は下がり気味になっていることによります。つまり。アメリカ国外では景気拡大局面に「中だるみ」が見られるのです。

 このまま直ぐに世界経済が暗転し、景気が悪くなるという風には、私は考えていません。世界経済は「小休止」した後、再び元気を取り戻すと思っています。

 足下で諸外国の景気がアメリカより減速しているため、「アメリカに投資資金を集中させよう!」という結論を下す投資家が増えています。海外からの投資資金が、米国財務省証券だけではなく、投資適格社債やジャンクボンドなどに流入しています。

景気の先行指標と言われる「ジャンク債ETF」は
2月の安値と同水準

 下は、米国のジャンク債を組み込んだETF(上場型投信)、iシェアーズ・アイボックス・ハイイールドETF(ティッカーシンボル:HYG)の過去1年の株価の推移です。

■iシェアーズ・アイボックス・ハイイールドETF(HYG)チャート/日足・1年
iシェアーズ・アイボックス・ハイイールドETF(HYG)チャート/日足・1年iシェアーズ・アイボックス・ハイイールドETF(HYG)チャート/日足・1年(出典:SBI証券公式サイト)※画像をクリックすると最新のチャートへ飛びます
拡大画像表示

 普通、このETFの株価が下落しているときは、企業の資金のやりくりが困難になっていることを示しています。同じ理由から、このETFは景気の先行指標であるとも考えられています。

 このETFの株価推移を見ると、2月に米国市場全体が急落した際、ETFが売られていることがわかります。そして現在の水準は、2月の安値とほぼ同じです。ETFの株価が横這いになっているということは、企業のおカネの借りにくさには、あまり変化は出ていないことを示唆していると思います。

中国ではシャドーバンキング抑制政策などにより
「金詰り」になっている

 中国では、これと好対照に「金詰り」を訴える経営者が多いです。中国政府はシャドー・バンキング(=銀行の帳簿に載らない隠れた融資)の抑制政策を進めています。折悪く米中貿易戦争がエスカレートしていることもあり、上海総合指数は高値から20%を超える調整となりました。

決算シーズンにおける米国株のリスクは
米中貿易戦争とトランプ政権

 そこでアメリカに話を戻し、「この決算シーズンにリスクはあるのか?」ということについて考えてみたいと思います。

 まず、ハイテクが米中貿易戦争の焦点として浮かび上がりつつあることから、アメリカのハイテク企業の経営者から、貿易戦争のエスカレートを危惧するコメントが飛び出すかもしれません。これが、決算カンファレンスコールの聞きどころのひとつになるでしょう。

 それと、トランプ政権の言っていることがコロコロ変わるので、経営者は安心して長期の経営計画を立てにくくなっています。それは、設備投資計画に影を落とすリスクがあります。特に、半導体製造装置などは影響を受けやすいと思います。

【今週のまとめ】
いくつかのリスクはあるものの、
全体としては素晴らしい決算発表シーズンに

 今週から2018年第2四半期の決算発表シーズンがはじまります。今週は銀行株など、経営環境がそれほどよくない企業の決算ばかりなので、いまひとつ冴えないスタートが予想されます。しかしハイテク株、石油株などの決算は大いに期待できます。

 全体としては今期も素晴らしい決算発表シーズンになるでしょう。いまは金利環境も良いし、おカネは世界からアメリカへ集まっています。

 リスクとしては、米中貿易戦争のとばっちりを受けやすい、設備投資の動向に敏感なビジネスが、見通しの暗転を訴えるかもしれないということです。

【今週のピックアップ記事!】
「億り人」になったサラリーマン投資家の投資条件は「独自技術」と「社長&社員の愛社精神」に加えて、「日経VI」で“暴落”のタイミングを見極めて購入!
株主優待名人・桐谷さんがサラリーマンにおすすめの投資法を伝授! 二度の大損を経験して悟った鉄則は「配当+優待利回り4%以上」の優待株を狙うこと!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2020年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2020年の最強クレジットカード(全8部門)を公開!
【2020年1月2日時点】

「米国株」取扱数が多いおすすめ証券会社

◆マネックス証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税抜)
3500銘柄以上 約定代金の0.45%
最低手数料0米ドル、上限手数料20米ドル
【マネックス証券のおすすめポイント】
米国株取引に力を入れており、取扱数5400銘柄以上! 成行注文や指値注文のほか、逆指値注文、連続注文、ツイン指値(OCO注文)など、多彩な注文方法が使えるのも魅力だ。取引手数料もお得で、米国株なら最低手数料0ドルから購入可能。さらに、外国株取引口座に初回入金した日から20日間は、米国株取引手数料(税抜)だ最大3万円がキャッシュバックされる。また、米国ETFの中で「USAプログラム」対象銘柄は実質手数料無料(キャッシュバック)で取引ができる。しかもNISA口座なら、日本株の売買手数料が無料なのに加え、外国株(海外ETF含む)の購入手数料も全額キャッシュバックされ、実質無料になるのもメリット!
【関連記事】
◆【マネックス証券おすすめのポイントは?】日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
【米国株投資おすすめ証券会社】マネックス証券の公式サイトはこちら
◆楽天証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税抜)
2600銘柄以上 約定代金の0.45%
最低手数料0米ドル、上限手数料20米ドル
【楽天証券おすすめポイント】
米国株だけではなく、中国(香港)やアセアン各国(シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア)の株もラインナップ。海外ETFの取り扱い数も、米国ETF約300本を含む、約360本と業界トップクラス! 2019年7月の値下げにより、米国株式の取引手数料は最低0米ドルからになった。米国株式の注文は、最大90日先まで指値注文が有効で、「約定通知メール」サービスとあわせて利用すると便利。NISA口座なら買付手数料が無料(売却時の手数料は必要)なのもメリットだ。また、取引から情報収集までできるトレードツールの元祖「マーケットスピード」が有名で、数多くのデイトレーダーも利用。ツール内では日経新聞の記事を無料で読むこともできる。
【関連記事】
【楽天証券おすすめのポイントは?】トレードツール「MARKETSPEED」がおすすめ!投資信託や米国や中国株などの海外株式も充実!
◆【楽天証券の株アプリ/iSPEEDを徹底研究!】ログインなしでも利用可能。個別銘柄情報が見やすい!
【米国株投資おすすめ証券会社】楽天証券の公式サイトはこちら
◆SBI証券 ⇒詳細情報ページへ
米国株の取扱銘柄数 取扱手数料(税抜)
2300銘柄以上 約定代金の0.45%
最低手数料0米ドル、上限手数料20米ドル
【SBI証券のおすすめポイント】
2019年7月の値下げにより、米国株は手数料が最低0米ドルから取引可能になった。また、一部の米国ETFは売買手数料が実質無料で取引できる。あらかじめ設定した金額か株数(口数)で定期的に買付する「米国株式・ETF定期買付サービス」が便利。 NISA口座なら、日本株の売買手数料だけでなく、海外ETF(米国・中国・韓国)の買付手数料も無料に。また、米国株の情報入手には、各企業情報が1ページにまとまったレポート「One Pager」、米国株・米国ETFをテーマで検索できる「米国テーマ・キーワード検索サービス」、さらに銘柄検索やソートができる「米国株式決算スケジュールページ」が使いやすい。
【関連記事】
◆【SBI証券のおすすめポイントは?】IPOの多さ&夜間取引、銀行との連携など独自サービスも充実!
◆「株初心者&株主優待初心者が口座開設するなら、おすすめのネット証券はどこですか?」桐谷さんのおすすめは松井、SBI、東海東京の3社!
【米国株投資おすすめ証券会社】SBI証券の公式サイトはこちら
本記事の情報は定期的に見直しを行っていますが、更新の関係で最新の情報と異なる場合があります。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。

【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2020年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2020年の最強クレジットカード(全8部門)を公開!
【クレジットカード・オブ・ザ・イヤー 2020年版】2人の専門家がおすすめの「最優秀カード」が決定!2020年の最強クレジットカード(全8部門)を公開! 最短翌日!口座開設が早い証券会社は? アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは? 高いスペック&ステータスを徹底解説!アメリカン・エキスプレスおすすめ比較 おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き
ZAiオンライン アクセスランキング
1カ月
1週間
24時間
「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証 最強のマイル系クレジットカードはこれだ!専門家2人がおすすめするクレジットカード SPGアメリカン・エキスプレス・カード 楽天カードは年会費永年無料で、どこで使っても1%還元で超人気! ANAアメックスならANAマイルが無期限で貯められて還元率アップ! じっくり貯めて長距離航空券との交換を目指せ!
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!

2020年「株」全予測
人気の株500銘柄
激辛診断!

2月号12月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!Amazonで購入される方はこちら!

【2020年「株」全予測株500銘柄激辛診断!

プロ100人に聞く2020年「株」大予測&儲け方
東京オリンピック後、
日経平均は2万6000円
・[PART1]

日経平均と為替の高値・安値を大公開
日本株&ドル円を大予測!
・[PART2]
2019年に好不調だった株もおさらい
2020年に上がるテーマ&株!
・[PART3]
NYダウの高値・安値や
米大統領選後はどうなる
米・中国株の予測と上がる株!
・[PART4]
低コスト投信の最新データや勝ち戦略
人気&買いの投資信託を分析!

人気の株500銘柄 「買い」「売り」激辛診断!
買っていい「10万円株」が82銘柄も!

桐谷さん+有名投資家5人のゆく年くる年
桐谷さんの2019年に儲けた株&損した株&2020年の戦略
億超え投資家6人の2019年の成績&2020年の戦略

●2019年読者の投資の大反省会
儲けた&損した株TOP5
成功&失敗の理由
・株以外の
投資成績
2020年の投資戦略

●自腹でガチンコ投資! AKB48「株」ガチバトル
●AKB48武藤十夢のわくわくFX生活
●株入門マンガ/恋する株式相場! 
●本誌崖っぷち部員の同時進行ドキュメント
定年退職までのロードマップ

【別冊付録】
上場全3752銘柄の理論株価
3月期企業の中間決算を経て理論株価も刷新

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

【重要なお知らせ】
>>定期購読の価格改定について


>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

【法人カード・オブ・ザ・イヤー2020】 クレジットカードの専門家が選んだ 2020年おすすめ「法人カード」を発表! 「キャッシュレス決済」おすすめ比較 山本潤の超成長株投資の真髄で、成長株投資をはじめよう!(ザイ投資戦略メルマガ)

ダイヤモンド不動産研究所のお役立ち情報