今年最後のFOMC(連邦公開市場委員会)が開催
FFレートは0.25%引き上げの見込み
今週12月18日、19日の2日間に渡り、今年最後のFOMC(連邦公開市場委員会)が開催されます。
FOMCは、アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が年8回開催する会合で、FRB理事7名と連邦準備銀行総裁5人の合計12名が出席する政策金利を決めるミーティングです。
アメリカの政策金利は、フェデラルファンズ・レート(略してFFレート)と呼ばれます。今回のミーティングで、フェデラルファンズ・レートは0.25%引き上げられ、2.5%になると予想されています。この利上げ自体は、織り込み済みだと思います。
下は、1990年以降のフェデラルファンズ・レートの推移を示しています。
今回の利上げ局面は、2015年12月から開始され3年が経ちました。その間、政策金利は0.125から2.5%(今回利上げされたと仮定して)まで上昇してきました。
この2.375%という利上げ幅は、前回2004年7月から2006年7月にかけての利上げ幅4.25%より小さいです。その観点からは、「まだまだ政策金利はノーマルな状態まで戻っていない」という見方も出来るでしょう。
しかし10月以降、アメリカの株式市場は軟調な展開をしています。これは米中貿易戦争がアメリカ経済に与える悪影響を憂慮する投資家が居ることに加え、金利上昇が住宅販売に与える悪影響、欧州ならびに中国経済のスローダウンに対する懸念など、いろいろな要因が関係していると思われます。
いずれにせよ株価がかなり下がってきたので、中央銀行はそれに配慮せざるを得ない状況になっているのです。
利上げに関してどのようなシグナルが発せられるか、
FOMC声明文に注目!
そのような理由から、今回のFOMCでは声明文の表現がどのように変化するか、に市場関係者の注目が集まっています。言い換えれば、「今回の利上げをもって、一旦、利上げの手を止める」ということを何とかして投資家に伝達しなければいけないのです。
もしそれがシグナルされれば、2015年12月以降続いてきた利上げ局面が終わることを意味するので、3年ぶりの大きな方向転換になります。つまり、今回のFOMCは大変重要な転換点だということです。
過去にFRBが同様の状況に直面したケースでは、FRBと市場参加者との間でのコミュニケーションがしっくり来ず、市場がギクシャクした経緯があります。
具体的にどのようにそれをシグナルするか、ということですが、まずこれまで使用してきた「緩やかな引上げ(gradual increases)を予期している」が削除され、次回以降の利上げに関しては「経済指標次第(data dependent)」という表現が挿入されると思います。
経済予想サマリー(SEP)の中でも
FFレートのコンセンサス予想は要チェック!
次に、FOMC声明文の発表と同時に公表される「経済予想サマリー(SEP)」が注目されます。前回の発表は9月であり、もう随分時間が経ってしまいました。その間に株式市場は下げていますし、景況感にも変化が出ています。
このことから今回は「経済予想サマリー」、とりわけFFレートのコンセンサス予想に大きな変化が出るのではないか、と予想されています。
ちなみに上のチャートに見る通り、9月の予想では、2019年末のFFレートのコンセンサス予想として3.1%が見込まれていました。仮に今回、0.25%の利上げが実施されFFレートが2.5%になったとして、そこからさらに0.6%の利上げが行われるという計算になっているのです。
いま毎回0.25%刻みで利上げが行われると想定すれば、これは2.4回分の利上げを示唆する数字です。
しかし、市場関係者は2019年の利上げ回数は僅かに1回、それも2019年9月18日のFOMCまで利上げは無いと予想しています。つまりFOMCメンバーの予想と市場参加者の予想には大きな隔たりがあるのです。
したがって、経済予想サマリーの中のFFレートの予想がどれだけ下がってくるか、に注目したいと思います。
今年最後のFOMCの結果が予想通りでも
しばらくは保守的に投資を進めよう!
さて、今回のFOMCで、予想通り0.25%の利上げが行われると同時に、声明文から「緩やかな引上げ(gradual increases)を予期している」という表現が削除され、代わりに次回以降の利上げに関しては「経済指標次第(data dependent)」という表現が挿入され、さらに経済予想サマリーの2019年末のFFレート予想が現行の3.1%から少し引き下げられた場合、米国株式市場はそれを一応好感すると思います。また、ドルは若干弱含むことが予想されます。
なお、利上げ局面がストップし、政策金利が「水平飛行」に入ったからといって、それは直ぐにアメリカ経済が景気後退に入ることを必ずしも意味しません。
ただ、FRBが様子見の態度を取るということはそれだけ景気に対する不確実性が高まっている事に他ならないわけですから、「カンカンの強気」という相場観も慎むべきだと思います。ここは手堅く、保守的に投資を進めてゆくべきだと思うのです。
具体的には、1)普段より現金比率は少し多目にする、2)ディフェンシブ(=日用品、飲料、食品など景気後退に強い)銘柄の比重を高める、3)ハイテク・工業・消費循環のセクターをアンダーウエイトする、というようなスタンスが良いと思います。
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