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ゆうちょ銀行(7182)の株は「今は買っちゃダメ」?
ROE2.4%と収益性が低く、新たな収益源にも期待薄
で、アナリストは「当分、株価は上がらない」と判定!

2019年10月31日公開(2019年12月23日更新)
ザイ編集部
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ゆうちょ銀行(7182)」の株価は上がるのか? 2019年8月に947円の上場来安値を記録して、上場直後の2015年11月の高値(1823円)から約半値まで株価が下落した「ゆうちょ銀行」に対するアナリストの評価は?

発売中のダイヤモンド・ザイ12月号は、人気銘柄や金融商品の買い時を探る特集「気になる銘柄&商品……今から買って大丈夫?」を掲載。人気で株価が上がりすぎている銘柄、あるいは叩き売られて安くなりすぎている銘柄などを対象に、アナリストが「今買ってOK!」「今買っちゃダメ!」「時期を見て買え!」などと、わかりやすく判定。その根拠や、今後の展望なども紹介している。

今回は、特集内で「価格が下がりすぎ!」として取り上げられた銘柄の中から、「ゆうちょ銀行」の判定結果を紹介しよう!

企業への貸出ができず「国債」や「株」などの運用益頼み
ROEが2%台で収益力が非常に低い!

 2015年11月の新規上場時には人気が殺到したゆうちょ銀行(7182)だが、上場から約4年が経過した現在の株価は、上場直後の高値から50%も下落している(株価などのデータはすべて2019年10月4日現在)。

 ゆうちょ銀行の配当利回りは4.8%、PBR(株価純資産倍率)は0.3%台と一見すると割安なため、「そろそろ株価は上昇に転じるのでは」との見方もある。しかし、智剣・Oskarグループ代表の大川智宏さんは「低い収益力と運用益頼りのゆうちょ銀行の株価上昇は期待できない」と言う。

 「2008年のリーマンショック以降、PER(株価収益率)などが低い割安株は放置され、高ROE(自己資本利益率)で利益を着実に稼げる高収益株ばかりが買われています」(大川さん)

 2019年9月末現在、日経平均株価の予想ROEは8.8%だが、ゆうちょ銀行の予想ROEはわずか2.4%。ROEが市場平均を下回るような稼ぐ力が弱い企業は、投資家に見向きもされないというのだ。

 また、ゆうちょ銀行の収益構造が運用益頼りなのも不人気の理由だ。ゆうちょ銀行は、企業への貸し出しが制限されているため、預金者から集めた資金の多くを債券や株式などの有価証券で運用している。全体の利益に占める有価証券による運用益の割合は、メガバンクが1割前後、地銀でも2~3割といったところだが、ゆうちょ銀行は7割以上にも及ぶ(下の図)。しかも、これは運用がうまいというわけではなく、金利低下により日本国債の運用で安定的に稼ぐのが難しくなり、よりリスクが高い株式や海外債券の運用を拡大している結果なのだ。

「投資信託販売」や「運用の見直し」など新たな収益源にも暗雲!
「不適切販売問題」で投資信託の販売が伸びない

 新しい収益源として期待されている「投資信託の販売」や「オルタナティブ投資(株式や債券以外の新しい投資)」の拡大にも暗雲が立ち込めている。収益が伸びていた投資信託の販売だが、高齢者に不適切に販売していた問題が発覚。1万9500件に上る不正で、早期の解決が難しく、投資信託販売の拡大が難しくなっている。

ゆうちょ銀行イラスト

 また、「オルタナティブ投資」の拡大についても、投資額を当初予定した額から大きく引き下げた。そのため、海外債券などの運用を拡大せざるを得ない状況なのだ。

「世界景気の見通しが不透明な中、海外投資による収益力も低下しています」(大川さん)

 ゆうちょ銀行の海外投資での主な収益源は、為替リスクをヘッジした米国債からの利息。しかし、米国債の利回り低下や為替ヘッジコストの上昇で利益は先細りしている。

 このように、収益増が期待できないゆうちょ銀行だが、グループの持ち株会社である日本郵政(6178)に支払う「委託手数料」の支払い方法の見直しで経費削減にも逆風が吹いている。ゆうちょ銀行かんぽ生命(7181)は、日本郵政に対して、全国一律のサービスを維持するための経費として、「委託手数料」を支払っている。2018年6月の法律改正で「委託手数料」の一部を独立行政法人「郵便貯金・簡保生命保険管理機構」に“交付金”として支払うことになった。これにより、将来期待されていた支出の削減策の一部の実施が難しくなった

 このような現状ではゆうちょ銀行は、大幅な収益増も支出減も難しい。 当面は有価証券の売却益などで穴埋めすることで大幅に利益が減る可能性は小さいものの、「配当性向」(利益からどれくらい配当を出しているかの割合)が約8割と高いため、長期的には減配リスクもありえる。長期的に稼げる施策が見つかるまでは、ゆうちょ銀行への投資は控えるほうが得策といえるだろう。
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