【今回のまとめ】
1.雇用統計からは米国経済が意外に強いことがわかった
2.債券買い入れプログラム縮小議論が再燃
3.イエレン次期FRB議長の承認投票が山場
4.意外に猛々しい面も?
米国株式市場は揉み合い商状
先週の米国株式市場は高値で揉み合い商状となりました。ダウ工業株価平均指数は+1.0%、S&P500指数は+0.5%、ナスダック総合指数は、ほぼ変わらずでした。

非農業部門雇用者数は意外に強かった
先週金曜日に発表された非農業部門雇用者数は事前予想12万人に対して、結果20.4万人と大きく上に外れました。

言うまでもなく、この一因は、米国政府機能の一部閉鎖や債務上限引き上げを巡る議会での話し合いが難航し、それが雇用主のマインドに与える影響が、極めて読みにくかった事にあります。
しかし8月と9月の数字も今回上方修正されたことから、過去3カ月を平均してみると20万人くらいのペースで雇用が拡大していることがわかりました。つまり米国の景気は思ったほど弱くないのです。

これは「もう今年はない」と思われてきた連邦準備制度理事会(FRB)における債券買い入れプログラムの縮小(=これをテーパーリングといいます)の是非を巡る議論が再燃することを示唆しています。
11月14日のイエレン次期FRB議長承認投票に注目
そこでいきなりひとつの山場がやってきます。それは今週木曜日(14日)に上院で行われる、ジャネット・イエレン次期FRB議長の承認投票です。
FRB議長は大統領が指名し、それを上院が承認しなければいけません。問題は、近年、上院の共和党と民主党が党派主義(パルチザンシップ)の色彩を強め、政党の方針に従って投票する議員が増えてきている点です。
イエレンの場合は民主党のオバマ大統領が指名した候補ですので、「民主党の候補である」というイメージが強いのです。
上院は全部で100議席あり、そのうち民主党が占めている議席は55です。承認投票は二回に分かれて実施され、まず「これで審議を打ち切ってOKですね?」という、審議打ち切り投票が行われます。これをクローチャー投票と言います。
クローチャー投票では60票の賛成が必要となります。つまり、共和党からも賛成者が出ない限り、ダラダラとした審議引き延ばし策による議事進行妨害で、イエレンが「晒しモノ」になるリスクがあるわけです。既に三名の議員が「議事進行妨害をする!」と息巻いています。
クローチャー投票が終わると、すみやかに本投票に移るわけですが、そこでは単純過半数、つまり51票だけを獲得すれば、承認されます。また本投票は後々まで記録に残るので、単なる嫌がらせから反対投票する議員は減ります。つまり本投票の方が楽勝なのです。
バーナンキ再選の時、苦労した実績がある
昔は、FRB議長の承認というのは上院の議題の中でもとりわけ紳士的に扱われる案件であり、そもそも反対票が入るという事自体が、珍しかったのです。
しかし前回、ベン・バーナンキ議長の二期目の承認投票では、「あわや!」という危ない場面がありました。リーマン・ショックで絶体絶命の危機に瀕した米国経済を、大胆かつ断固とした緩和政策で救った功労者であるバーナンキ議長が、クローチャー投票で70票という、過去最低の賛成しか得られなかったことで、FRBの威信は大きく傷つきました。
なぜバーナンキ議長に反対票が多く投ぜられたかというと共和党の中には「小さな政府」を信奉する議員さんが多く、彼らは実質的にFRBが輪転機を回しておカネを刷るのと同じ効果を持つ債券買い入れプログラムには懐疑の念を抱いているからです。
するとジャネット・イエレンは上院での投票に先立つ、議員サンとの質疑応答に全力で臨むことが必要となります。
それはつまり、市場に配慮した発言ではなく、反対派議員に配慮した発言をせざるを得ないという事なのです。言い換えると、思わぬタカ派的な発言が飛び出すリスクがあるわけです。彼女の本心がどうであれ、そもそも承認投票に「合格」しなければ、金融市場は大混乱に陥ってしまいます。
意外に猛々しい? イエレン
さて、イエレンはバーナンキ議長の下で量的緩和政策のメカニズムを具体的に策定した本人だと言われています。だから現在の緩和政策を肯定する立場を彼女が取ることは、当然です。
ただハト派だから、あるいは女性議長だからバーナンキ議長がそうであったように、あるいはそれ以上に、根回しを重視し、コンセンサス形成に配慮する議長になるかといえば、それはそうとは限りません。
イエレンはもともとサンフランシスコ連銀の議長でしたが、その下で働いていたサンフランシスコ連銀調査次長、メアリー・デイリー氏は「イエレン氏はスタッフに対し、時に挑発的で、いきなり議論を吹っ掛けることもあり、爽やかな新風を吹き込んだ」と回顧しています。
上院での承認投票という、全力で臨まなければいけない試練に直面して、市場参加者が予期していない彼女の意外な側面があらわになる可能性もあるわけです。
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