日経平均株価は3月23日に1万9778.60円の高値を付けた後、やや調整色を強めています。とりわけ、投資家に失望を与えたのは、3月期決算企業の権利付き最終日の26日と、配当権利落ち日の27日の値動きでした。
まず、26日の日経平均株価は前日比275.08円安の1万9471.12円、高値は1万9623.11円、安値は1万9397.01円でした。日経平均株価の下げ幅は1月14日以来の大きさでした。配当狙いの買いは入りましたが、利益確定売りが優勢でした。配当権利取りの買いを原動力に日経平均株価の2万円台回復を期待した向きは、この値動きに失望したことでしょう。
そして、翌27日の日経平均株価は前日比185.49円安の1万9285.63円、高値は1万9590.03円、安値は1万9099.87円でした。日経平均株価の日中の値幅は490.16円と昨年11月17日の501.89円以来約4カ月ぶり大きさでした。日経平均株価の配当落ちの額は110円強で、これを埋めることはできませんでした。225先物6月物は、10時32分に1万9620円まで上昇したものの、後場に入り下げ足を速め、14時2分には1万9100円を付けました。
26日にドイツ証券がTOPIX先物を8315枚の大幅な売り越したことで、翌27日も外資系証券経由で大口の先物売りが出るのではないかとの警戒が強まる中、後場は短期筋からの先物への売り仕掛けで先物がディスカウント状態になり、裁定解消売りが誘発され、日経平均株価現物指数は連日で急落しました。
海外投資家の買いは一巡した
ところで、東証が26日に発表した3月第3週(16~20日)の投資部門別株式売買動向では、海外投資家は6週連続で買い越しました。買越額は1334億円でした。しかし、財務省が発表した対外及び対内証券売買契約等の状況(週次・指定報告機関ベース)では、3月15~21日の海外投資家による日本株投資は3528億円の売り越しと、6週ぶりの売り越しでした。
海外の投資ファンドが市場を通さずに株式を売却した影響が、この東証と財務省との集計の差となったとみられてます。よって、足元では、海外投資家の買いが一巡しつつあるとみてよさそうです。また、含み益たっぷりの国内機関投資は、新年度入りから早速、益出しをしてくることでしょう。
それでも、目先については、信託銀行、投資信託などの機関投資家による配当の再投資の買いが入る見通しです。信託銀行、投資信託は日経平均株価で110円程度の配当分を6月末に受け取ることになります。この期間中に株価指数が上がってしまうと、配当の分指数に負けてしまうため、彼らは権利落ち日近辺で株価指数先物や現物を買っておきます。これが配当の再投資です。
また、第18回統一地方選挙が、4月12日と26日の2回に分けて行われる予定です。現在は、「官製相場」の色彩が強いため、選挙前に相場を崩さないのではないかとの思惑が強まることでしょう。
「5頭のクジラ」が買い支える
ちなみに、「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」「共済年金」「かんぽ生命保険」「ゆうちょ銀行」、そして、「日銀」のいわゆる「5頭のクジラ」が、今の東京株式市場で、悠々と泳いでいます。欧州系外資系証券の試算では、この5頭の日本株の買い余力は合計で27.2兆円だそうです。そして、このクジラ達が統一地方選挙前の相場を支える見通しです。
そうこう考えると、4月相場は仮に、外国人の買いが一服し、国内機関投資家の益出し売が出ても、「5頭のクジラ」が相場を支える可能性が高そうです。
一方、これまでずっと出遅れが指摘されている、新興市場や仕手系材料株は厳しい状況が続きそうです。
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