今回は今年4月に一部のカードで料金体系が変更になった「ANAカード」の中で、あまり飛行機に乗らず、主にクレジットカードでANAのマイルを貯める「陸マイラー」にとって、どのクレジットカードを選べば有利なのかを紹介していきます。
現在、「ANAカード」を発行している会社はJCB、三井住友カード、アメリカン・エキスプレス、三井住友トラストクラブ(ダイナースクラブカード)の4社となります。
発行会社が異なっても、ANAが提供するサービスは発行会社で異なることはありません。例えば、「ANAカード」には「一般カード」「ワイドカード」「ワイドゴールドカード」「プレミアムカード」の4つのグレードがあり、「一般カード」の場合は搭乗時ボーナスマイルとして10%増量、入会・継続特典が1000マイルです。また、「ワイドゴールドカード」の場合は搭乗時ボーナスマイルとして25%、入会・継続特典が2000マイルとなります。
これらの部分は、発行会社が三井住友カードでも、JCBでも、サービスに違いはありません。しかし、クレジットカードで貯まるポイントなどは、発行会社によって異なります。この部分で大きく獲得ポイント数や年会費が変わってきますので、「同じANAカード」でもよく検討して選ばなければなりません。
では、陸マイラーの場合、どのクレジットカードでANAマイルを貯めるのがいいのでしょうか。
ANAカードを上手に利用するコツは、
「ポイント移行手数料」を抑えること
まずは、年会費を抑えつつ、マイルを最大化する方法を考えるために、「一般カード」で考えてみます。
なお、アメリカン・エキスプレスが発行する「ANAアメリカン・エキスプレス・カード」だけ年会費が高額で、年間利用額によるボーナスポイントの付与もありませんので、陸マイラーとしては選択肢から外してもいいでしょう。残るのは、JCB発行の「ANAカード」か、三井住友カード発行の「ANAカード」になります。「ANAダイナースカード」は「ゴールドカード」扱いとなるため。この表には最初から入っていません。
| ■「ANAカード」の「一般カード」のスペックを一覧で比較! | |||||||
| カード名 | ANA JCB カード |
ANA To Me CARD PASMO JCB (ソラチカカード) |
ANA VISA カード (ANAマスター カード) |
ANA TOP&ClubQ PASMO マスターカード |
ANA VISA Suicaカード |
ANA アメリカン・ エキスプレス・ カード |
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年会費 (税込) |
本会員 | 2200円 | 7700円 | ||||
| 家族会員 | 1100円 | ― | 2200円 | ||||
| 搭乗時 ボーナスマイル |
10% | ||||||
| 入会継続マイル | 1000マイル | ||||||
| ポイント プログラム |
Oki Doki ポイント | Vポイント | メンバーシップ ・リワード |
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| ポイント付与率 | 1000円につき1ポイント | 200円につき1ポイント | 100円につき 1ポイント |
||||
| ポイント交換単位 | 1ポイント=10マイル | 1ポイント=2マイル | 1ポイント =1マイル |
||||
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ポイント移行 手数料(税込) |
5500円 | 6600円 | |||||
| 年間利用額による ボーナス マイル |
50万円 以上 |
10%アップ | ― | ||||
| 100万円 以上 |
20%アップ | 15%アップ | |||||
| 300万円 以上 |
30%アップ | ||||||
| ボーナスポイント 交換単位 |
1ポイント=3マイル | 通常の ポイントと同じ |
|||||
| ボーナスポイント 移行手数料 |
無料 | ||||||
| 上級 カード |
ワイド カード |
○ | ― | ○ | ― | ||
| ワイド ゴールドカード |
○ | ― | ○ | ― | ○ | ||
| プレミアムカード | ○ | ― | ○ (VISAのみ) |
― | ○ | ||
| 搭載されている 電子マネー |
楽天Edy | PASMO | 楽天Edy | PASMO | Suica | 楽天Edy | |
上の表の中で注目しなければいけないのは、5500~6600円もかかる「ポイント移行手数料」です。「ポイント移行手数料」とは、各発行会社のポイントをANAマイルに交換するために必要な手数料になります。
この「ポイント移行手数料」は、「JALカード」には存在しません。そのため、「JALカード」の場合は年会費が2200円(税込)、還元率が2倍になる「ショッピングマイル・プレミアム」に加入しても3300円(税込)の追加で、合計5500円(税込)の年会費となります。
ところが、「ANAカード」では、年会費が比較的安いJCBと三井住友カードの「ANAカード」ですら「ポイント移行手数料」を考慮した場合の年会費がJCBで7700円(税込)、三井住友カードで8800円(税込)と、一般的なゴールドカード並みの年会費となり、「JALカード」よりもかなり高額となります。
しかし、「ポイント移行手数料」は、使い方次第で毎年必要なわけではありません。そこで、まずは「ANAカード」の年会費を押し上げる要因となっている「ポイント移行手数料」を抑える方法を紹介しましょう。
まず、1年目、2年目は「ANAカード」で貯まったポイントをANAマイルに交換しないようにします。そして、3年目の4月1~15日までに1年目に貯めたポイントを交換します。さらに、3年目の3月23~31日までに残ったすべてのポイントを交換するようにしましょう。
これを実践すると、「ポイント移行手数料」が必要になるのは3年目だけで、4年目、5年目は移行手数料が不要になります。6年目に3年目と同じ方法でポイントをマイルに交換することで、「ポイント移行手数料」は3年に1回だけ支払えば済むことになります。
三井住友カードは「ポイント移行手数料」は高いが、
「年会費割引特典」によって総コストは安くなる!
さて、それではいよいよ「ANAカード」の「一般カード」をどうやって選べばいいのかを考えていきましょう。
「ANAカード」を選ぶのが難しいのは、上記の表でJCBと三井住友カードの「ANAカード」を単純比較するだけでは、本当の意味で比較することができないためです。
というのも、「ANA VISA Suicaカード」など、三井住友カードが発行する「ANAカード」の場合、条件をクリアすれば「年会費割引特典」が受けられるからです。
三井住友カードが発行する「ANAカード」で「年会費割引特典」が受けられる条件は、以下の2つです。
(1)『WEB明細書サービス』への登録
(2)リボ払いの「『マイ・ペイすリボ』への登録+利用
「マイ・ペイすリボ」による年会費優遇の条件が、従来は「『マイ・ペイすリボ』に登録かつ、年1回以上の利用」でしたが、2021年2月の年会費支払い分から「『マイ・ペイすリボ』に登録かつ、年1回以上のリボ払い手数料の支払いがある」に変更されました。
「『WEB明細書サービス』への登録」では、「一般カード」で550円(税込)、「ゴールドカード」で1100円(税込)の年会費が割引になります。また、リボ払いの「『マイ・ペイすリボ』への登録+利用」では、「一般カード」で1072円(税込)、「ゴールドカード」では3850円(税込)が割引になります(「ゴールドカード」の場合は2つを併用すれば税込4950円に割引金額がアップ)。
この「年会費割引特典」と3年毎の「ポイント移行手数料」、さらに年間利用額が50万円、100万円、150万円、300万円に達するともらえる「ボーナスポイント」で比較すると、以下のような表になります。
| ■JCBと三井住友カードの「ANAカード」のコストと獲得マイル数(税込) | ||||||
| 発行会社 | JCB | 三井住友カード | ||||
| カード名 | ANA JCB カード |
ANA To Me CARD PASMO JCB (ソラチカカード) |
ANA VISA カード (ANAマスター カード) |
ANA TOP&ClubQ PASMO マスターカード |
ANA VISA Suicaカード |
|
|
年会費 (三井住友カードは 「年会費割引特典」の 2条件をクリアした場合) |
本会員 | 2200円 | 1127円 | 826円 | ||
| 家族 会員 |
1100円 | 522円 | ― | |||
| 3年ごとの ポイント移行手数料 |
1833円 | 2200円 | ||||
|
年間利用額に対する 獲得マイル数 (ボーナスマイル含む) |
50万円 | 5150マイル | ||||
| 100万円 | 1万600マイル | 1万500マイル | ||||
| 150万円 | 1万5900マイル | 1万5750マイル | ||||
| 300万円 | 3万1800マイル | 3万2700マイル | ||||
JCBが発行する「ANAカード」の中で人気の「ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)」の場合は3年に1回のポイント交換をする場合の年会費が4033円(税込)と考えることができ、三井住友カードが発行する「ANAカード」の中で人気の「ANA VISA Suicaカード」の場合は3026円(税込)と考えられます(厳密には「ポイント移行手数料」は3年に1回支払うため、金額自体が1/3になるわけではありませんが、便宜上1/3で計算しています)。
この状態で、年間150万円を利用すると、「ANA To Me CARD PASMO JCB(ソラチカカード)」のほうが150マイル多く獲得できますが、年会費(「ポイント移行手数料」含む)は「ANA VISA Suicaカード」のほうが1007円(税込)安いのです。
どちらの「ANAカード」が得かは、1マイルの価値を考えればわかります。獲得マイルの差が150マイル、年会費の差額が1007円(税込)ということは、「150マイルを1007円で購入する」のと同じことになり、1マイルを約6.7円で購入する計算になります。しかし通常、1マイルは1.5円程度で換算することが多いので、1マイルを約6.7円で購入するというのは割高だと考えられます。
つまり、年間利用額が150万円の場合、獲得マイル数が150マイル少なくても、年会費(「ポイント移行手数料」含む)が1007円(税込)安い「ANA VISA Suicaカード」を選択したほうが得をすると言えるのです。
| ■ANA VISA Suicaカード | ||
| 還元率 | 1.5%(※ 1マイル=1.5円換算。「10マイルコース」申込時) | |
| 発行元 | ANAカード | |
| 国際ブランド | VISA | |
| 年会費(税込) | 初年度無料、2年目以降2200円 (マイル移行手数料は年6600円) |
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| 家族カード | なし | |
| おすすめポイント | マイル移行手数料は割高だが、モバイルSuicaの年会費無料やSuicaチャージでのポイント付与はメリット大 | |
ただし、「マイ・ペイすリボ」は「リボ払い」のため
最初に手数料を支払わないように設定するのを忘れずに
もちろん、「年会費割引特典」の「『マイ・ペイすリボ』への登録+利用」は、クレジットカード利用代金を「リボ払い」に設定することになるので、普通に使うと高額な手数料が発生します。
「マイ・ペイすリボ」による年会費優遇の条件が、従来は「『マイ・ペイすリボ』に登録かつ、年1回以上の利用」でしたが、2021年2月の年会費支払い分から「『マイ・ペイすリボ』に登録かつ、年1回以上のリボ払い手数料の支払いがある」に変更されました。
ただし、「『マイ・ペイすリボ』への登録+利用」をしても、手数料を回避する方法があります。つまり、「年会費割引特典」を活用しながら、実際にはリボ払いの手数料を支払わなくて済む“裏ワザ”があるのです。その方法は下記の記事で紹介していますので、詳しくはこちらを参考にしてください。
(※関連記事はコチラ!⇒「Amazon MasterCard」が新登場!「Amazon」で得するのは「リーダーズカード」か、それとも「Amazon MasterCard」か!?(後編))
簡単に説明しておくと、「マイ・ペイすリボ」では「毎月○円を支払います」と金額を設定できるので、クレジットカードの利用枠のうち、リボ払いが可能な「内リボ払い」の金額を「リボ払いの設定金額」にしておけば、「利用金額≦リボ払いの設定金額」となるので、「マイ・ペイすリボ」に登録していても、「一括払い」同様、手数料を支払う必要はありません。
「年会費割引特典」は、三井住友カードが発行する「ANAカード」以外のクレジットカードでも受けられるので、自分が持っているクレジットカードを見直してみることもおすすめします。





