個人投資家の「株で勝つ!」投資手法を徹底解剖!
2018年7月9日 ザイ編集部

「バリュー投資のカリスマ」ジョン・テンプルトンの
投資術を公開!"暴落時こそ絶好の買い場"を実現する
ため、買うべき株のリストと現金を常に用意すべし!

伝説的なバリュー投資家・ジョン・テンプルトン卿の、割安株を買うための投資ルールを公開!

ダイヤモンド・ザイでは、記者が集めたマネー・経済関連の最新トピックを「ZAi NEWS CHANNEL!」で毎号2本紹介している。今回はその中からダイヤモンド・ザイで掲載された「バリュー投資家・テンプルトンのワザ」に関する記事をピックアップ!

伝説的なファンドマネージャーのジョン・テンプルトン卿を大叔父に持ち、その手法に倣って自らもバリュー投資を実践する、ローレン・C・テンプルトンさんにインタビューを敢行。テンプルトン卿の5つの格言とともに紹介する。バリュー投資家・テンプルトンのワザをぜひ学んでみてほしい。

成長性を重視しPEGレシオで決める

ローレン・C・テンプルトンローレン・C・テンプルトン

伝説的なファンドマネージャーのジョン・テンプルトン卿を大叔父に持つ。大叔父に倣い自らもバリュー投資を実践。ローレン・テンプルトン・キャピタル・マネジメントの単独所有者。著書に『テンプルトン卿の流儀』。

──あなたの大叔父にあたるジョン・テンプルトン卿の有名な言葉に、「みんなが悲観しているときに買う」というものがあります。ここ数年は米国株も日本株も上昇を続けていますが、いま株を買ってもいいのでしょうか?

 いまのような市場全体の株価が高い時期はリサーチに時間を要しますが、常に買うべき株は存在します。現在、私たちの投資会社では相場が下がったときに割安で株を買えるように、金融資産のうち3割は現金です。株式市場は常にいい状態を保つことはできませんから。長期的な視野を持っていれば、冷静に市場を判断することができるでしょう。

【テンプルトンの格言(1)】 悲観で買い、楽観で売る
”強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育ち、楽観とともに成熟し、陶酔の中で消えてゆく。悲観のときが最高の買い時であり、楽観のときが最高の売り時である”


──どうしたら割安な銘柄を見つけられますか?

 テンプルトン卿は世界に投資することの大切さを説いていました。日本や米国が割高だとしても世界を見渡せば、必ず割安な株はあります。

 たとえば、テンプルトン卿は、1960年代のまだ割安だった日本株に注目し、大きな利益をあげることに成功しました。

 いま私たちの運用会社では、エクセルシートで世界中の2万銘柄以上の株をランク付けしており、この中で相対的に割安な株を見つけています。

【テンプルトンの格言(2)】 世界中を探す
”素晴らしいバーゲン銘柄を探したいなら、米国だけに限定しないこと。世界のどこかに割安で買えるチャンスがある”


──買うときの基準はどのようなものですか。

 その銘柄の適正価値の半分以下に放置されている株を探します。テンプルトン卿は株の価値を測るには100以上の方程式があると話していました。特に私たちが重視しているのはPEGレシオ(PER÷成長率で算出)で、10年間の平均成長率がPERの1倍以下であれば買いの対象になります。ただ割安なだけではなく、成長性を加味したうえで割安かどうかを見ています。

 ほかには業界平均よりも売上高成長率が高い、収益力が高い、負債比率が低いなどといったことを見ます。

 また、ブランド力の強さや経営者が長期視点で株主への還元を考えているかどうかも重視しています。

──そのような株はすでに買われており、割高なのではないですか。

 それでも必ず割安な株を見つけることができます。ベストな買いタイミングは2つあります。1つは経済危機が起きて相場全体が大きく下落したとき。優良成長株を安く買えるチャンスです。

 もう1つは高成長が期待できるのに、まだ誰にも注目されず割安に放置されているときです。このような株をみんなが注目する前に買えれば、株価の大幅上昇が期待できます。

【テンプルトンの格言(3)】 過去の誤りに学ぶ
”市場の歴史において、英語で最も高くつく言葉は「今回こそは違う(This time it’s different)」だ。歴史は繰り返す”


──市場全体が暴落しているときに株を買うには、屈強な精神が求められます。

 本来の価値を知っていれば、極端に割安なときが買い時です。

 私は24歳の時にテンプルトン卿から約30億円の資金を提供されて投資会社を始めました。2001年6月にスタートしたのですが、9月11日に米国同時多発テロ事件があり、株式市場にとっては最悪の時期でした。この時、テンプルトン卿からFAXが届き、すべての航空会社の株を調べるよう書かれていました。いくつかの航空会社は倒産する可能性がありましたが、複数の航空会社の株を分散して買い、後に大きく儲けました。

 当時は、最悪の時期に投資をスタートする羽目になったことを呪いましたが、いまは逆です。当時のような暴落相場が来るのを待ち構えています。

 2008年に起きたリーマンショックのときもバリュー投資家にとっては最高の買い場になりました。

銘柄リストと現金を常に持つことが大切

──失敗したことはないのですか。また、失敗を最小限にするためのルールは設けていますか。

 失敗はたくさんありますよ。テンプルトン卿も60%くらいしか成功していないでしょう。もちろん、私の場合はそれよりも低い確率です。

 ルールとしては、一つの銘柄を買いすぎてしまうのを避けるために、上限のポジションを決めています。

【テンプルトンの格言(4)】 全てを知ることはできない
”すべての答えを知っているつもりの投資家でも、じつは質問の内容すら分かっていないことがある”


──どのようにメンタルを鍛えたらいいのでしょう。

 平時から準備していることが一番大切になります。

 1997年に通貨危機が起きたとき、慌てふためく若いアナリストたちに、大叔父でもあるテンプルトン卿は落ち着くよう諭しました。

 「下落相場だが、それはもうほとんど終わりに近づいている。いま買うべき銘柄のリストを見せなさい。これこそが、私が待ち続けていた最良の結果を生み出すだろう」と。

 常に買うべき銘柄のリストと現金を備えていることが大切なのです。

【テンプルトンの格言(5)】 大衆の後追いをしない
”人と同じことをしていては同じ結果しか得られない。他人よりもいい結果を望むなら、人と違うことをしなければならない”