日本企業の多くが2019年3月期の想定為替レートを「円高」と見込むなか、専門家75人は2019年6月まで「円安」が続くと予測! 今後の円安の進行で業績の「上方修正」が期待できる株をに投資して、株価上昇を狙え!
ダイヤモンド・ザイでは「人気の株500激辛診断&2018年後半の勝ち戦略」を大特集! 投資のプロ100人による日経平均株価の「高値」と「安値」の予測に加え、2018年後半の勝ち戦略を公開。お馴染みの人気株500の激辛診断では、2019年3月期の最新予想を分析している。
今回は、この先1年間、円安が進行するとみられるなかで、業績予想の想定為替レートが円高のため「上方修正」が期待できる銘柄に投資する方法を、抜粋して紹介しよう!
米国金利の上昇で、年末に向けて円安が進展!
2019年6月までの1年間、ドル円レートは円高に進むのか、それとも円安に進むのか──。専門家75人に聞いてみた。日本企業は輸出産業が多いため、円安のほうが業績は上ブレしやすくなる。
2018年は年明けから円高が進み3月に1米ドル=105円になった。しかし、4月に入ると一転、今度は円安に。6月6日時点で1米ドル=110円となっている。そして2019年に向けて「円安に進む」と見る専門家が多い。理由は日本と米国の金利差の拡大だ。
米国は利上げペースを加速しており、昨年は3回も政策金利の引き上げを実施。今年は3月に1回目の利上げを行ない、あと2~3回の利上げが見込まれる。対して、日本はいまだにゼロ金利政策を維持している。
このため、米国債10年の利回りは日本国債10年のそれより2.9%ほど高い。今後、米国の利上げが進めばこの金利差はさらに拡大し、ドル高円安が進展するというのが大まかなストーリーだ。
もちろん、為替相場を動かすのはそんな単純なものではなく、地政学リスクや各国の政治・社会情勢の影響を受ける。リスクが生じると、円は「安全資産」として買われやすい。特に11月の米中間選挙前は、ドル安円高に進むと予測する声が多い。しかし、それも一時的なもので、その後は「米国の好調な景気と金利上昇を受けて、米国に資金が向かいやすくなる」という見方が大勢だ。
日本企業の2019年3月期の想定為替レートは
円高予想の「1米ドル=105円」が多い
為替の専門家75人へのアンケートによると、この先1年間の円安の上限を予測した平均値は1米ドル=115円、円高の下限を予測した平均値は1米ドル=104円だった。
これに対して、日本企業の2019年3月期の想定為替レートは1米ドル=105円程度が多い。円高下限の予測に極めて近い水準だ。仮に期中に1米ドル=110円で推移すれば、想定よりも5円の円安となり、海外での売り上げが大きい企業はそのぶん利益が上ブレしやすくなる。
想定為替レートが「1米ドル=100円」と保守的な企業も!
業績の「上方修正」が期待できる株を探そう!
為替は企業活動に多大な影響を及ぼす。「トヨタ自動車(7203)」では、米ドル/円のレートが1円の円安になっただけで、利益を400億円押し上げるといわれている。それだけに、特に輸出企業は「想定為替レート」をいくらに設定するかは、期初予想よりも実績が上ブレるか、下ブレで終わるかを左右する大きな要因となる。
「2019年3月期は1米ドル=105円設定の企業が多い。保守的なので利益の上ブレが期待できます」(三井住友アセットマネジメントシニアストラテジストの市川雅浩さん)
想定レートが円高水準になった背景は、企業が決算をまとめる2~3月の為替が、今年は1米ドル=105円前後だったためだ。ところが4月以降は円安が進行し、6月5日時点では1米ドル=110円前後で推移していた。
「5円の円安になると、日経平均株価の主要銘柄の利益は平均で3%の上ブレが期待できます」(市川さん)
特に「コマツ(6301)」や「日立建機(6305)」、「三菱電機(6503)」は、1米ドル=100円と極めて保守的な設定で、上ブレが濃厚だ。
■想定為替レートが「1米ドル=100円」の銘柄 | |||
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◆コマツ(6301・東1・100株) | 100円 | 強 | |
◆日立建機(6305・東1・100株) | 100円 | 買 | |
◆三菱電機(6503・東1・100株) | 100円 | 強 |
ダイヤモンド・ザイ8月号では、想定為替レートが円高(1米ドル=100円~105円)の50銘柄を一挙公開しているので、ぜひ参考にしてみてほしい。
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