累計利益100億円を達成した個人投資家・テスタさんが振り返る2024年の投資と、2025年の目標、個人投資家へのアドバイスを公開!
発売中のダイヤモンド・ザイ3月号は、特集「テスタさんも登場!【最強投資家】の2025年も勝ち続けるワザ」を掲載。この特集では、累計利益100億円を達成した個人投資家のテスタさんと5人の”億り人“に、2025年も勝ち続けるための戦略などを聞いている。
今回はこの特集から、個人投資家・テスタさんのインタビューを公開!
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大暴落時にはディフェンシブな株に資金を移動!
高配当株が増えて年間での配当収入は3億円近くに!
──テスタさんにとって、2024年は投資家として20年目という節目でした。相場も大きく動きましたよね。
テスタ 本当に歴史的な1年でした。日経平均株価がバブル後の最高値を更新したのは感慨深かったです。自分としても、2024年2月に累計利益が100億円に到達しました。日本株の上昇を見越して、2023年末に日経平均先物を大量に買っていたのが大きかった。単年利益のプラスも20年連続で継続できました。
──2024年8月の“令和のブラックマンデー”は、テスタさんにとっても衝撃だったのでは?
テスタ 1カ月で日経平均株価が1万円以上も下げるのは、前代未聞ですよね。暴落に際しては、値動きが激しい銘柄から、きちんと配当が出るディフェンシブな銘柄に資金を移しました。結果的に高配当株が自然と増えて、年間配当額も1億5000万円から3億円近くまで伸びました。
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ただ、これが誰にとっても正解になるとは限りません。僕にとっても正解じゃなかったのかも。というのも、指数はすぐ元に戻ったので、ディフェンシブ銘柄に移し替える必要はなかった、という見方もできるから。むしろ値動きが激しいグロース株を買っていれば、もっと大きいリターンを得られたはず。
でも、それは株価が戻ったから言えることです。もっと下がる可能性も想定して防御に回りました。僕の場合はとにかく防御が一番。常に大きく負けない投資でリスクを取らず、コツコツ型でやってきたので。
今はメインで中期のスイングトレードをしている口座のほかに、米国株の口座、高配当株の口座があります。これも防御の一環です。口座別の成績はメイン口座が一番いいんですけど、リスクを分散させるためにこうしています。
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──2024年11月には「オルカン」こと「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」も購入されたと聞きました。
テスタ 投資信託を買ったのも人生で初めてだったんですよ。オルカン、一度に2億円分買おうとしたらできなくて……。仕方なく1億円ずつ2日に分けて買いました。これもリスクを減らすことの一環です。日本の高配当株や米国の大型株にはすでに投資しているので、それ以外をカバーするという目的。日本を除く全世界株に投資するタイプのオルカンを買ってます。
──新NISAでは「オルカン一択でいい」という人がいるほどブームですが、どう思われますか?
テスタ いいんじゃないでしょうか。オルカンやS&P500に投資するのは理にかなっていると思います。僕も少し前までオルカンって知らなかったんですが、便利ですよね。少なくとも、円を現金で持っているよりよっぽどいい。僕自身は個別株で資産を増やしてきましたが、人それぞれだと思います。投資に割ける時間も、考え方も違うわけですから。
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ノートに取引記録や反省を記入する習慣を長年継続!
書いて言語化することで、経験を次に活かせるようになる!
──2005年から株式投資を始められて、7年目で億り人になり、ザイにも初登場されています。
テスタ うわ、これ懐かしいな(当時の誌面を見ながら)。このとき、取引記録と反省を記入するキャンパスノートを使っているという話をしていますが、これは今もずっと使ってます。エクセルが使えないので、いまだに電卓とノートでやっています。
当時はブログも毎日書いてました。その日の取引を振り返ったり、予習したり、記録したりっていうのは大事だと思います。書いて言語化することで、経験を次に活かせるようになりますから。
──投資の手法はどうやって勉強していたんですか?
テスタ 始めた当時は投資ブログを毎日300本読んでました。ブログを通じていろんな仲間に出会えたのも大きかった。ネットで仲間を見つけて、切磋琢磨して、教えてもらうことで自分も成長できました。
活字の本ってぜんぜん読めないんですよ。だから2024年にはマンガで読める初心者向けの本『マンガでわかるテスタの株式投資』(大和書房)を、マンガ家さんと一緒に作りました。
でも『バフェットとソロス 勝利の投資学』(ダイヤモンド社)は繰り返し読んでいます。この2人は全く異なる投資スタイルですが、突き詰めると結局は「期待値が高いほうを選ぶ」ことの積み重ねなんです。「自分が感覚的にやってきたことは正しかった」と、この本を読んで確信できました。
──あらためて、なぜ20年間、投資家として勝ち続けることができたと考えていますか?
テスタ 僕はプレッシャーがないと真剣にできないんです。なので、いろんな形で無理やり自分にプレッシャーをかけてきました。
資産が増えてくると危機感もなくなって、プレッシャーも減っていく。だから、家賃をどんどん上げたり、兵庫から東京に来たり、高い車を買ったり……。そうやって逃げ場がないようにしてきました。毎日、朝起きてトイレに行って吐いてからトレードを始めているような時期もありましたね。
自分にとっては、勝ちにいくにはこの方法しかなかったわけですけど、ほかの人もこれをやるべきとは思いません。稼げるかもしれないけど、一番大事なのはお金じゃなくて、自分の人生が楽しいと思えるかどうかなので。
──最初から、株が楽しいという気持ちはあったんですか?
テスタ いや、最初のころはずっと、つらいことのほうが多かったです。楽しいと思ったことはなかったかな……。苦しい、しんどいの繰り返し。でも、それも含めて株は好きでした。魅力があって、夢がある世界。やりがいはずっとあります。
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──今は株を楽しんでいますか?
テスタ 今は楽しいと思えてますよ。逆に「勝ちにいこう」という気持ちが薄まっているのが問題ですね。車も、ついに前より安い車を買いましたし。家も、今より家賃が安いところとか、都心から離れてもいいかなと思うようになってきたので。なかなかもう一度追い込もうという気持ちになれない。
2024年の11月に取引時間が30分延長されて、取引時間中も意図的に休むことが増えました。1日30分伸びると、1カ月では合わせて2日分くらい増える計算なので、相場を見る時間を自分で減らしていかないと付き合いきれないですし。
──今後は何を投資の目標にしていきますか?
テスタ 累計利益100億円を達成して、もう金額を公表するのもやめました。キリがいいですし。ノートにも細かい金額までは書かなくなりました。多分、金額的なものに興味がなくなってきたんですね。まずは単年利益を21年連続プラスにすることが、自分にとって一番大事です。
ここ数年、いい相場が続いてますが、僕が株を始めた2005年から2012年ぐらいまでは基本的に下げ相場。それでも毎年プラスにしてきました。下げ相場が6年、7年続くことは今後もありうるので、そうなっても勝って生き残れるようにしたいです。
──今年の日経平均株価は上がると思いますか?
テスタ そういう予想はとくにないですね。2023年、2024年の日経平均株価は上がると予想できたのですが、この2年がむしろイレギュラーでした。
大事なのは、下がったときにどうするか。仮に日経平均株価が2万円になったとしても破産しないようにしておく。何より、相場からは退場しないことですね。続けていけば上手になっていくので。やっぱり勝つことより負けないことを考えたほうが、いい結果につながると思います。
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