【個人投資家】「高配当株」が割安なときに買い、値上がりしたところで売る戦略で資産数億円を築いた個人投資家2人の投資手法を公開!
発売中のダイヤモンド・ザイ12月号の大特集は「使ってもお金が減らない!【高配当株】厳選78」。保有していると定期的にお金が入ってくる高配当株が人気だ。そこで、この特集では「連続増配株」や「減配リスクの低い株」「値上がり益も期待できる株」など、多様な高配当株を取り上げている。
今回はこの特集から「高配当株」の値上がり益を狙うことで”億り人“になった個人投資家の投資手法を紹介するので、投資の参考にしてほしい!
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高い配当利回りを”割安指標“として活用!
配当利回り5%超で買い、株価上昇⇒利回り低下で売る!
「高配当株」は持ちっぱなしで配当をもらい続けることを目標とする人が多いが、なかには値上がり益を同時並行で狙う人もいる。ここでは、高配当株が割安なときに買い、値上がりしたところで売る戦略により、数億円単位の資産を築いた個人投資家・配当鳥さんと御発注さんの投資手法を公開していこう。
配当鳥さんと御発注さんは、ともに配当狙いで持ちっぱなしにしている銘柄もあるが、値動きに乗って売買もする。2人に共通するのは、高い配当利回りを割安の指標として使って買い時を探り、値上がり益を狙う点だ。
高利回りになる要因の1つは株価の下落。配当利回りは年間配当金額を株価で割って算出する。そのため、配当額が一定なら分母である株価が安くなるほど配当利回りは高くなる。つまり、配当利回りが高いときは、株価が割安になっていると判断できるわけだ。
配当鳥さんも御発注さんも、配当利回り5%程度の割安株を売買して値上がり益をゲットしている。まず、配当鳥さんの手法を紹介しよう。配当鳥さんが狙う高配当株は、事業基盤がしっかりしていて実力はあるのに、足元の業績悪化で株価が下落した大型株だ。
「株価が下がって配当利回りが高いときに逆張りで買い、その後の値上がりを狙います。事業がしっかりしている大型株なら、一時的に株価が下落しても回復する可能性が高いからです」(配当鳥さん)
その後、想定どおりに株価が上昇して、配当利回りが4%台に下がってきたら売却し、利益を確定。配当利回り5%超の高配当株に乗り換えて、また値上がりを狙っていく。
実際に売買した例では、住宅設備で国内最大手のLIXIL(5938)。前期に最終赤字へ転落し、業績低迷中だ。
「2023年12月に株価が下落して1700円、配当利回りが5.3%になったところで買いました。その後、2024年2月に株価が2000円まで戻り、利回りが4.5%に下がった時点で売却。約18%の値上がり益を得たうえで、利回り5%超の別の銘柄に乗り換えました。2024年5月にまた株価が1700円を切ってきたので、買い戻し。利回りが下がってきたらまた売って、ほかの高配当株に乗り換える予定です。今は利回り5%超の銘柄も結構あるので選択肢は豊富です」(配当鳥さん)
当面はこの方法で、年率20%程度の値上がり益を狙いたいという。
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配当の権利がもらえる日に向かって上昇する株価に乗る!
利益確定狙いで選ぶなら、優良株や人気株を選ぶのが基本!
御発注さんも、株価が下がっている高配当株に投資している。ここでは、配当株特有の値動きを利用して値上がり益をゲットする手法を紹介しよう。
そもそも、配当をもらうには、企業が決める「権利確定日」に株主名簿に名前が載っていることが条件だ。権利確定日は、四半期決算が行われる月の月末が一般的で、本決算が3月で年2回の配当なら、中間決算の9月末と本決算の3月末になる。
ただし、権利確定日に株主名簿に名前が載るには「権利付最終日」、つまり権利確定日の2営業日前までに株を買わなければならない。そのため高配当株は、配当狙いの投資家の買いが集まる権利付最終日に向けて株価が上昇する傾向がある(権利付最終日の翌営業日の「権利落ち日」に株価は急落することが多い)。
御発注さんは、この高配当株によくある値動きを利用。2024年1月からの新NISAスタートによって、個人投資家に人気がある高配当型の投資信託に組み入れられている銘柄の株価が上昇すると予想した。
「2023年12月に、まだ株価が安く、配当利回りが4~5%になっていたJFEホールディングス(5411)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、ENEOSホールディングス(5020)、大和証券グループ本社(8601)などの大型株53銘柄を先回りして買いました。その後、予想どおりに期末に向けて株価が上昇したので、2024年3月末の権利付最終日の前に、買った株を全て売却。この売買で約350万円儲かりました」(御発注さん)
さらに、ここで儲けた値上がり益を、権利確定日が6月末にやってくるJT(日本たばこ産業・2914)に振り向け、同様に値上がり益をゲット。権利付最終日前に売るため配当はもらえないが、この方法で値上がり益を着実に増やしたという。
「ただし、これは上昇局面で効く手法。しばらく、大型株はそれほど上がらないと思っているので、これからは業績がいい高配当の中小型株を狙いたいと思います」(御発注さん)
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御発注さんの銘柄選びの基準は「事業内容がいいこと」と「みんなが欲しがるかどうか」。個人投資家が欲しがって、人気になりそうな銘柄を配当利回りが高いときに、先んじて買って値上がりを狙う。新NISAスタートに向けたタイミングで大型の高配当株を狙ったのもそのためだ。
前述のとおり、この先は個人投資家の関心が大型株から中小型株に移ると予想している。ただし、NISA関連の銘柄は今後も個人投資家の資金流入が期待できるため、「日経平均高配当株50指数」の組み入れ銘柄などは引き続きチェックしていくという。
事業内容がいい優良銘柄を選ぶのは、配当鳥さんも同様。当たり前だが、株価が下がっている高配当株の値上がり益を狙うため、株価はいずれ上昇に転じる可能性が高いものを選ぶ必要がある。そのためにも、事業基盤がしっかりした大型株や、中小型株でも事業成長が見込める優良株であることが必須条件だ。この手法をマネする場合は、利回りだけでなく業績などをチェックすることを忘れないようにしよう。
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