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【第13回】 2012年5月8日 ザイ編集部

日経平均はイケてないポートフォリオだ! 
「インデックス投資」VS「アクティブ投資」(後編)

2人の識者が誌上で対決!

『日本株で有効な投資法はどっち? インデックス投資 VS アクティブ投資(前編)』からつづく)

●インデックス投資派代表
山崎 元(Hajime Yamazaki)
楽天証券経済研究所客員研究員・マイベンチマーク代表取締役
1958年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現職に至る。週刊ダイヤモンドなどへの執筆多数。ダイヤモンド・オンラインに「山崎元のマネー経済の歩き方」を連載中。

●アクティブ投資派代表
藤野英人(Hideto Fujino)
レオス・キャピタルワークス取締役・最高投資責任者(CIO)
1966年富山県生まれ。90年早稲田大学卒。国内外の運用会社で運用者として活躍、特に中小型株および成長株の運用に強い。03年に独立し、現在は直販の「ひふみ投信」を運用し高成績を継続中。

日経平均はありえないほど不恰好なポートフォリオ

──ここでお二人の意見が一致している「日経平均はイケていない」、「アクティブ投信はコストが割高」という2つの問題を主軸に、投信の選び方、日本株投資のあり方について語っていただきたいと思います。

山崎 インデックスにはいくつかの機能があって、必ずしも投資されるべきポートフォリオとしては設計されていない。顕著なのが日経平均で、時価総額の高い大企業のウェートが非常に高く、225銘柄もあるのに分散度合いは十分ではない。ファンドマネジャーから見て、ありえない不恰好なポートフォリオですよね。

藤野 おっしゃるとおりで、ようは日経平均の組み入れ銘柄の大半を占める大企業の経営がダメ。手厳しい言い方をすれば、実質的な議論をしていない不真面目な会社が多い。

 一方で、私が強い成長エネルギーを感じた会社に通販サイト「ZOZOTOWN」を手がけるスタートトゥデイ(3092)があります。同社の前沢友作社長に初めてお会いした際、彼は「会社経営の究極の目的は世界を平和にすることだ」とサラリと語ったのです。

 以前、インドのIT最大手のインフォシステクノロジーの会長も同様のことを言っていましたが、こうした夢や野望、社会に対する貢献といった議論が、残念ながら日本の大企業のトップからは聞こえてきません。

 先ほど、経営者の情熱と株価との相関性に触れましたが、大企業の不祥事が噴出している現状を見ても、不真面目な大企業が日経平均の足を引っ張る傾向は続くのではないか。結果、アクティブ運用の優位性が上がっていくだろうと考えています。 

山崎 そこで問題となるのがコストです。アクティブ投資が成功するかどうかはきわめて不確実な中で、高い手数料は確実にマイナスになります。そうすると、現状ではインデックス投信に投資したほうがいいと言わざるをえない。もちろん、私も昔はアクティブファンドのファンドマネジャーだったので、手数料さえ下がれば喜んでアクティブ投信を勧めたい。

藤野 企業努力の問題だと思います。ひふみ投信では販売会社を通さない直販方式なので販売手数料は0円。さらに、信託報酬についても「資産形成応援団(信託報酬一部還元方式)」を設け、5年間保有すると0.2%、10年で0.4%相当分を実質減額しています。

 管理の手間がかかりますが、投資家の方々に長期的に成長企業の恩恵を享受いただきたいという考えから、そのインセンティブとしての試みです。