ザイスポ!
2013年9月17日 ザイ・オンライン編集部

消費税増税は決断されるのか?
高橋洋一氏に聞いた3つのシナリオと今後の展開

消費税増税か否かの3つのシナリオ

――かなり外堀が埋められた印象ですが、10月の会見に向けてどんな展開が考えられるのでしょうか?

 ここまで既成事実化した消費税増税だが、実際には3つのシナリオがある。

 第一のシナリオは、消費税増税のシナリオだ。前述したように、10月1日に安倍首相は、経済指標などを見て判断するとしている。消費税増税の決断がされた場合は、それにふさわしい内閣の布陣で衆参の安定多数をバックに粛々と国会をこなす。仮に消費税増税を止めるとしたら、その国会で消費税凍結法案を成立させなければならない。現状では与党から法案を出すのは極めて困難だ。野党が法案を出しても国会審議すらしないだろう。

 第二のシナリオは、消費税増税ストップのシナリオだ。消費税増税は景気にマイナスに働く。日本が1997年に3%から5%に引き上げた際も景気は悪くなった。2011年イギリスが17.5%から20%へ引き上げ、それまでの好景気が失速した。そもそもアベノミクスの第一の矢「異次元の金融緩和」は、その効果が現れるまでに2年かかるのだ。金融緩和による景気回復の端緒についたばかりで増税すれば、アベノミクスが元の木阿弥になるのは自明の理のはず。しかし、先に述べたように、増税をストップするには、与党内の意見調整、法案提出、国会審議が必要だ。残念ながら、現在のところ、そのプロセスにはない。

 第三のシナリオは、第一と第二のハイブリッドだ。消費税は増税する。ただし1%ずつ上げて、景気への影響を段階的に吸収し、一方で財政支出なども緩やかに増加させるという方法。もしくは来年4月の消費税増税は1年先送りにするという方法。いろいろなバリエーションがあるのだ。しかし、このシナリオも国会で法案を成立させなければならず、政治的困難は第二のシナリオと大差ない。しかも民間からみても、毎年1%ずつ上げるという案では、コスト負担が重くなり反発が予想されるだろう。

 政治情勢をみれば、残念ながら第一のシナリオの可能性が高い。ただし景気後退するので補正予算で財政支出をして落ち込みを防ぐというものだ。これだと何のために増税かという議論が出てくるが、政治には馬鹿げたことがおおいので、それでも不思議でない。いずれにしても、残り10月の決断までの動きには注視しておく必要があるだろう。