2022年8月に新規上場した「IPO株」2銘柄のうち、投資判断が“強気”な「日本ビジネスシステムズ」に注目! さらに、直近1年のIPO株の中からアナリストがおすすめする2銘柄を解説!
ダイヤモンド・ザイ11月号の連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」では、IPO株の専門家であるダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの小林大純さんが、2022年8月に新規上場した「IPO株」2銘柄を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価している。加えて、今回は特別に、直近1年のIPO株のうち、成長性も投資家の注目度も高いおすすめ銘柄を公開!
ここでは、8月上場のIPO株で「強気」と診断された1銘柄と、直近1年に上場した株で、おすすめの2銘柄を取り上げるので、銘柄選びの参考にしてほしい。
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8月に新規上場した「IPO株」は2銘柄のみ!
注目は成長率が高く上値余地がある「日本ビジネスシステムズ」
2022年8月に新規上場したのは2社。8月は例年IPOが少ない時期だが、昨年の4社と比べても寂しい数だ。
そんななかで登場した日本ビジネスシステムズ(5036)、クラシコム(7110)の両社は、公開価格を上回る初値に。いずれも公募・売出規模が30億~40億円台とやや大きめで、株式需給面が懸念されたが、相場全体が上昇する状況だったことが追い風となった。
また、初値直後は出来高を伴って大きく株価上昇しており、IPO株に対する個人投資家の物色意欲が感じられた。
「ただ、足元では物色が一服しています。7月にいったん低下した米国の長期金利も再び上昇してきており、新興株を取り巻く環境は楽観できません。今後の株価推移を占ううえでは、“本当の成長性”が重要となるでしょう」(ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの小林大純さん)
最近のIPO株ではよく見られるケースだが、8月の2社は決算期前後の上場だったことにも注意。クラシコムはすでに始まった2023年7月期、日本ビジネスシステムズは目前に迫った2023年9月期の業績動向も要チェックで、新しい会社予想の内容に注目したい。
さて、前述の2銘柄のうち、小林さんが「強気」と高く評価したのは日本ビジネスシステムズのほうだ。
日本ビジネスシステムズは、主にマイクロソフトのクラウド製品を取り扱い、企業のDX計画策定から利活用促進まで、一気通貫で手がける企業。デジタル化やクラウドシフトが追い風になるとの期待で、初値は堅調な出足となっている。成長率が高く、今後も上値の余地は十分ありそうだ。
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直近IPO株の中でおすすめは、VTuber運営の「ANYCOLOR」と
パーキンソン病専門の老人ホームを手掛ける「サンウェウルズ」
ここからは、直近1年(2021年8月~2022年7月)で上場した109銘柄の”その後”を分析した結果を紹介していく。直近1年のIPO株の公開価格に対する初値の平均騰落率は42%。ちなみに、2021年(暦年)は86%、2020年は123%だったので、この1年は厳しい相場環境だったことがわかる。上場後の推移となると、さらに厳しい。初値と8月末の株価で比較した平均騰落率は、マイナス18%。しかも109銘柄中、84銘柄がマイナスだ。
「市場環境もさることながら、取引状況による差が大きい。上場直後はにぎわっても、数日たつと見向きもされなくなる場合が多く、そうした銘柄は株価も厳しい結果です」(小林さん)
言い換えると、上場で注目を浴びた後も活発な取引が続いている銘柄は、好成績ということだ。小林さんは「注目を集め続けるのは、それだけ高い成長性があることの表れ」と指摘する。
以下では、好成績ゆえに上場後も注目される銘柄のうち、小林さんがおすすめする2銘柄を紹介していこう。
一つ目の銘柄は、VTuberグループ「にじさんじ」をマネジメントするANYCOLOR(5032)だ。
ANYCOLORはVTuber運営初の上場で注目度が高い。ファン増加により、ライブストリーミングやコンテンツ販売の収益が拡大、企業のプロモーション案件も伸長している。海外でのVTuber浸透にも期待だ。
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続いて紹介するのは、パーキンソン病専門の有料老人ホームを手掛けるサンウェルズ(9229)だ。
サンウェルズの業績は、第1四半期が大幅増収で、運営する「PDハウス」の新設費用を吸収して営業黒字。再来期にかけて、さらに年8~10棟を開設予定だ。PERは高水準だが、専門性や成長性の高さから、引き続き注目を集めそうだ。
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【2024年12月2日時点】
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◆SMBC日興証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
19社 52社 |
24社 47社 |
26社 80社 |
10%:1人1票の平等抽選 最大5%:「ステージ別抽選」※1 |
345万 |
【ポイント】 大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。 ※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。 |
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◆SBI証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
21社 91社 |
13社 89社 |
21社 122社 |
60%:1単元1票の平等抽選 30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分 10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分 |
1245万 ※ |
【ポイント】 ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる。当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。 ※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。 |
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。 |