2022年9月に新規上場した「IPO株」9銘柄の中で、アナリストが高く評価する「eWeLL」と「プログリット」に注目!
ダイヤモンド・ザイ12月号の連載「10倍株を探せ!【IPO株】研究所」では、IPO株の専門家であるダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチの小林大純さんが、2022年9月に新規上場した「IPO株」全9銘柄を「買い」「強気」「中立」「弱気」「売り」の5段階で評価している。今回はその中から、小林さんが特に注目している2銘柄を詳しく紹介!
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9月に新規上場した「IPO株」は全部で9銘柄!
初値は好調だったが反動が大きく、押し目買いが有効な戦略
9月に上場したIPO株は全部で9銘柄。それ以前の数カ月は新規上場する株が少なかったため、IPO株市場は久々に賑わったと言える。初値も好調で、すべての銘柄が公開価格を上回った。初値の平均騰落率は+62%。これは、4月(+80%)以来の高水準だ。
米国の消費者物価指数が市場予想を超える上昇となり、米国株が急落した「CPIショック」などで相場全体は大きく揺れていたが、IPOへの影響は限定的だった。ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチのアナリスト・小林大純さんは「個人投資家は安値買い・高値売りに徹していたため、実は損益状況がそれほど悪くなかった」と指摘する。9月半ばに株式相場が反発し、投資家の資金力が改善したこともあって、IPO株に対する買い意欲は強かったようだ。
しかし、後が続かない。「初値後に急失速するのは最近のIPO株の多くに見られる傾向ですが、9月は特にそれが顕著でした」(小林さん)
たとえば、ともに9月28日上場のキットアライブ(5039)とファインズ(5125)は、初値の直後から売られて、上場日の終値がストップ安という事態になった。
景気や金利への先行き不安で、中小型株の先高観が持ちづらい面もあるが、そもそも皆が初値買いに殺到すると、続く投資家が不在になってしまう。
「上場直後に買う場合は、“初値が割高すぎないか”に加え、“さらなる買い手がいるか”にも注意する必要があります。来期も含め、高い成長が見込めるかということが一つのポイントです。初値後の反動安が一服したところで、先行きに期待が持てる銘柄を押し目買いするのが無難な投資戦略だと思います」(小林さん)
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2022年9月の【IPO株】9銘柄を徹底診断! |
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上場日 | 公開価格 | 初値 (騰落率) |
株価 (10/4) |
PER (PBR) |
今後1年の 高値予想 (安値予想) |
投資判断 |
13日 | ◆ジャパニアス(9558・東G) | |||||
1020円 | 2010円 (+97.1%) |
1359円 | 14.7倍 (2.73倍) |
1800円 (1100円) |
中立 | |
【分析コメント】エンジニアの派遣等による開発支援、受託開発。先端テクノロジーに強み。業績拡大に期待も、PERは妥当な水準。 | ||||||
16日 | ◆eWeLL(5038・東G) | |||||
1700円 | 3910円 (+130.0%) |
3670円 | 72.4倍 (31.72倍) |
6000円 (3000円) |
買い | |
【分析コメント】訪問看護の業務をクラウドでサポート。公募・売出規模は小さくなかったが初値は大幅高に。高成長で注目度が高い。 | ||||||
22日 | ◆FPパートナー(7388・東G) | |||||
2600円 | 2750円 (+5.8%) |
3195円 | 18.3倍 (9.49倍) |
4000円 (2500円) |
中立 | |
【分析コメント】保険代理店。提供するFP相談「マネードクター」がCMで認知度向上。足元の業績拡大は好印象もPER水準は相応。 | ||||||
28日 | ◆キットアライブ(5039・札A) | |||||
1410円 | 1666円 (+18.2%) |
1068円 | 17.8倍 (3.16倍) |
1400円 (900円) |
中立 | |
【分析コメント】「セールスフォース」導入支援やシステム開発など。19年以来の札証IPOで、上場初日は賑わったがその後は低調に。 | ||||||
28日 | ◆ファインズ(5125・東G) | |||||
1800円 | 2703円 (+50.2%) |
2017円 | 18.0倍 (11.07倍) |
2500円 (1800円) |
中立 | |
【分析コメント】動画の制作、配信サービス。中小企業や店舗向けで潜在ニーズ大。業績や経営指標も順調だ。ただPERは類似企業並み。 | ||||||
28日 | ◆グラッドキューブ(9561・東G) | |||||
960円 | 1500円 (+56.3%) |
1274円 | 32.2倍 (15.79倍) |
1800円 (1000円) |
中立 | |
【分析コメント】ネット広告とサイト解析ツールが柱。営業強化もあってサイト解析が急拡大中だが、来期以降の成長ペースを見極めたい。 | ||||||
29日 | ◆ポーターズ(5126・東G) | |||||
1570円 | 3275円 (+108.6%) |
2750円 | 20.2倍 (7.27倍) |
4000円 (2100円) |
強気 | |
【分析コメント】人材派遣業界向けクラウドサービス。一段の成長加速待ちだが、PERに割安感あり。サービス拡充やアジア展開に注目。 | ||||||
29日 | ◆プログリット(9560・東G) | |||||
730円 | 1180円 (+61.6%) |
1070円 | 22.1倍 (10.75倍) |
1400円 (800円) |
強気 | |
【分析コメント】英語コーチングサービスを提供。需給良好で堅調な初値スタートの後、反動安に。しかし株価水準は上昇余地がある。 | ||||||
30日 | ◆グッピーズ(5127・東G) | |||||
1550円 | 2020円 (+30.3%) |
2155円 | 23.6倍 (9.74倍) |
3000円 (1700円) |
強気 | |
【分析コメント】医療系の求人サイトが柱で、歯科業界向けが強み。前期に行った値上げと顧客拡大で、今期も高成長が期待できる。 | ||||||
※データは2022年10月4日時点。 |
アナリストが注目するのは、在宅医療のDXに貢献する「eWeLL」と、
リカレント教育の関連株として話題の「プログリット」!
ここからは、9月のIPO株の中で、小林さんが特に注目する2銘柄を紹介していこう。
まずは、訪問看護システムのeWeLL(5038)だ。
eWeLLは、訪問看護専用の電子カルテ「iBow」を手掛ける。iBowは利用者情報の管理や看護記録の作成など、現場の業務を網羅的にサポートし、効率化に貢献。顧客にも好評で、契約数が急速に伸びている。
市場人気は高く、IPO時には公開株数を積み増している。公開価格の2.3倍という初値をつけ、PER水準は割安とは言いづらいが、すでに来期の大幅増益を見込む市場予想も。来期業績が意識されるタイミングで、上値を試す可能性は十分ありそうだ。
在宅医療の拡大が今後見込まれるなか、市場シェアが着実に向上中で、長期的にも視界良好。新機能の追加や2021年にスタートした事務管理代行サービスなどで、顧客単価の上昇とさらなる収益向上にも期待したい。
続いて紹介するのは、つい最近、社長と人気女子アナウンサーの結婚が話題になったプログリット(9560)だ。
プログリットは英語コーチングサービスを手掛ける企業。政策の後押しが期待されるリカレント教育(学び直し)の関連銘柄として注目を集めている。主力の英語コーチングサービスは、顧客一人ひとりに付くコンサルタントが、生活習慣の指導まで行い、学習をサポートするのが特徴だ。
コロナ禍で一時需要が落ち込むも、その間にサブスク型サービス「シャドテン」が伸長。経済活動の再開機運で需要は戻りつつあり、継続的な需要が見込める法人研修市場への参入にも意欲を示す。類似企業に比べると、株価水準は上昇の余地あり。今後は、広告宣伝などの積極的な成長投資で、短期的に利益が圧迫される可能性があるが、知名度向上による中長期的な事業拡大が見込めそうだ。
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【2024年12月2日時点】
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◆SMBC日興証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
19社 52社 |
24社 47社 |
26社 80社 |
10%:1人1票の平等抽選 最大5%:「ステージ別抽選」※1 |
345万 |
【ポイント】 大手証券の中でもIPOに力を入れており、例年、主幹事数・取り扱い銘柄数ともに全証券会社中でトップクラス! また、国内五大証券会社のひとつだけあり「日本郵政グループ3社」や「JR九州」「ソフトバンク」などの超大型IPOでは、主幹事証券の1社として名を連ねることも多い。10%分の同率抽選では、1人1単元しか申し込めないので資金量に関係なく誰でも同じ当選確率となっているのがメリット。さらに、2019年2月からは、預かり資産などによって当選確率が変わる「ステージ別抽選」がスタート。平等抽選に外れた人を対象にした追加抽選で、最高ランクの「プラチナ」だと1人25票が割り当てられて当選確率が大幅にアップする。 ※1 預かり資産残高などによって決まる「ステージ」ごとに、別途抽選票数が割り当てられる。 |
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◆SBI証券 | ||||
主幹事数(上)/取扱銘柄数(下) | ネット配分・抽選方法 | 口座数 | ||
2023 | 2022 | 2021 | ||
21社 91社 |
13社 89社 |
21社 122社 |
60%:1単元1票の平等抽選 30%:「IPOチャレンジポイント」順に配分 10%:知識・経験・資力と取引状況を踏まえて配分 |
1245万 ※ |
【ポイント】 ネット証券にもかかわらず、主幹事数、取扱銘柄数ともに大手証券会社に引けをとらない実績を誇る。特に取扱銘柄数がダントツで、2023年は全96社中91社と約95%のIPO銘柄を取り扱った。つまり、SBI証券の口座さえ持っていれば、ほとんどのIPO銘柄に申し込めると考えていいだろう。個人投資家への配分の100%がネット投資家へ配分されるのも魅力。1単元1票の抽選なので、多くの単元を申し込むほど当選確率は高くなる。当選確率がアップする「IPOチャレンジポイント」が、資金量・取引量と関係なく、IPOに申し込み続ければ誰にでも貯められるのもメリットだ。また、スマートフォン専用サイトでIPOの申し込みや情報確認ができるのも便利。 ※SBIネオトレード証券、FOLIOの口座数を含んだSBIグループ全体の口座数。 |
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※ 主幹事数、取扱銘柄数はREITを除く。口座数は2023年12月末時点。 |