2023年1月から藤野英人氏が「ひふみ投信」の運用責任者に復帰! 藤野氏が語る「ひふみ投信」復活への道筋とは?
ダイヤモンド・ザイでは、毎号巻頭の「ZAiニュースチャンネル」で、マネーに関する”最旬”トピックを取り上げている。発売中のダイヤモンド・ザイ4月号のテーマは「読者に代わってズバリ聞きました! 成績不振の【ひふみ投信】をどう立て直す?」。
人気も知名度もピカイチのアクティブ型投資信託「ひふみ投信」が、成績不振に陥っている。長期で見れば好成績だが、直近5年の成績はTOPIXを下回っており、不安を感じている投資家は少なくないだろう。そこで、今回は「ひふみ投信」の運用責任者に復帰した、藤野英人氏を直撃。投資家に代わって6つの質問を投げかけているので、ぜひチェックを!
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【ひふみ投信・藤野氏への質問①】
2023年1月から、藤野氏が運用責任者に復帰した理由とは?
ひふみ投信・藤野氏 もともと私が社長とCIO(最高情報責任者)、運用責任者を兼任していて、権限の分散化が課題でした。近年は、日本株だけでなく世界株型や債券型など、商品の幅も増えてきた。人材も揃ってきて、私以外に投資信託の運用を任せても、十分に稼働すると考えました。そこで、2021年の8月頃から少しずつ慣らし運転をして、2022年の4月に正式に交代したのです。
しかし、今回の復帰の理由は、成績を立て直すため。絶対的な成績だけでなく、指数と比べた相対的な成績も悪化。これを回復させるため、一度、ハンドルを譲った佐々木にはいったん助手席に座ってもらい、私がハンドルを握って立て直すつもりです。
【ひふみ投信・藤野氏への質問②】
ここ数年の「ひふみ投信」が成績不振になった理由は?
ひふみ投信・藤野氏 成績不振の理由は、いくつかあります。もともと「ひふみ投信」は成長株が得意で、成長株が強いときは勝ちやすくて、弱いときは負けやすいという特徴があります。特に、この1年はバリュー株が強く、成長株が弱い相場だったこともあり、ある意味「ひふみ投信」の弱さが出てしまったとも言えます。
ただ、もう一つの”「ひふみ投信」らしさ”と考えている「どんなマーケットの変化にも対応する」という点では、信頼を失ってしまった。最近は、成績を立て直したいという思いが強すぎて、組み入れ銘柄の回転率が高くなっていました。上位銘柄が比較的早く入れ替わるようになり、投信の保有者からも「会社を応援するという感じがしない」などと言われるようになっていました。
「純資産が大きくなりすぎて、機動的な運用ができないのでは?」と言われることもあります。ですが、もともと「ひふみ投信」の運用は、回転率が高くありません。ところが、最近は相場を見て動いてしまった結果、後追いになり、銘柄やセクター選択で逆を行く場面も。能力は十分なのですが、巨額投信を運用するという面で、後任者の心の土台が十分ではなかったかもしれません。
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【ひふみ投信・藤野氏への質問③】
成績を立て直すための具体的な策は?
ひふみ投信・藤野氏 根本的には売買回転率の高いバタバタした運用をせず、「ひふみ投信」のリズムを取り戻したい。それには、大きなトレンドをしっかり捉えるということが重要です。
時代は大きな波でいうと、30年ぶりの変化がきています。デフレからインフレになろうとしています。企業の成長の仕方や、さまざまな考え方が激変する。こうした変化に対応できる企業の業績が向上するでしょう。
立て直し策の一つは、大型株を調査する体制を作ること。これまで「ひふみ投信」は、大型株という規模ではなく、成長性を重視していました。なぜなら、2000年くらいから時価総額上位の大企業は業績が伸びず、株価も市場平均を下回り続けていたから。
でも、20年が経ち、日本の大企業の経営陣も世界に通じる感覚や、資本市場との対話力を身に付け始めています。これからは、日本の大企業からも、リスクテイクして成長を図る会社が出てくるでしょう。
もちろん、引き続き中小型株も狙います。たとえば、若手の2人に「テンバガーハンター」という呼称をつけて、その2人は10倍になる銘柄を探しています。特に今、ボロボロに低迷している小型株が多い。これから5倍、10倍になる会社が選びたい放題。将来、振り返ったときに「IPOがダメと言われて、過小評価されていた銘柄を『ひふみ投信』は全部拾えていたよね」と言われることになると期待しています。割合としては、大型株3、小型株7。超小型株~小型株は確実にとりにいきたい。
【ひふみ投信・藤野氏への質問④】
海外株への投資は今後も続けますか?
ひふみ投信・藤野氏 海外株を15%まで入れていた時期もありましたが、今後は、日本株の比率を高めに維持したいと考えています。
海外株の比率を上げていた理由は、日本の大企業に魅力的な会社がなかったから。その分をGAFAMのような米国の大型成長株でカバーしていた面があります。しかし、米国のGAFAMの成長は止まりつつありますし、日本の大企業にも、成長を目指す会社が出てきていると感じているので、その分を補う必要がなくなってきました。
だから、今後は日本株の中で“イケてる”会社に投資することにもっとフォーカスしていきたいです。でも、リオープン(経済活動の正常化)後の中国など、狙いたいところはある。プラスアルファを狙う手段として海外株を残したいです。
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【ひふみ投信・藤野氏への質問⑤】
立て直しにかかる時間はどのくらいですか?
ひふみ投信・藤野氏 1年はかからないと思います。運用方針の柱を立て直して、基本的な構造を作って狙ったポートフォリオになるには、3カ月~半年くらいでしょう。精密に作るということであれば10カ月くらい。成績も回復すると思います。
そもそも、ポートフォリオは「完成」するものではありません。マーケットの変化によって必ず組み替えたりするものですから。
【ひふみ投信・藤野氏への質問⑥】
後継の育成についてはどう考えていますか?
ひふみ投信・藤野氏 投資信託の保有者にとっては、いい成績を出し続けることこそが大事なこと。それができれば、誰が運用責任者でも構わないと思っています。
ただ、前回交代したときの反省があります。以前の私の目標は「自分を超えるファンドマネジャーを育てたい」ということでした。だから、あえて「教え込まない」ということを意識していました。
でも、チームのメンバーの一人に「藤野さんのコピーでも、ほかのファンドマネジャーやマーケットに勝てたらいいのではないか」と言われたんです。それはそうだな、と思いました。
そのためには、懇切丁寧に思っていることを話す。まずは自分の持っているもの全てをチーム全員に吐き出そうと思っています。また、細かいノウハウのところで引き継げていなかったのは、SNS(の批判)とのつきあい方などや、メンタル面。それを含めて育成したいです。
お客様にも伝えていますが、運用のチームには「声出していこうぜ」と言っています。これにはいくつかポイントがあります。一つは、みんなで思ったことを言い合うこと。「これが悪い」と思ったなら、「こうしたらいいのでは」と議論することです。
そしてもう一つは、声を出して社内外に情報を発信することによる、運用チーム内の士気の向上です。成績が悪いから萎縮するのでは、停滞につながります。成績がよくなるから声が出るのと同じで、声が出るから成績がよくなるという面もあると思います。
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