闇株新聞[2018年]

米大統領になるのはヒラリーかトランプか!?
本選挙1カ月前、世界の経済・金融はどうなる?闇株新聞が追う米大統領選と経済のゆくえ

2016年9月23日公開(2022年3月29日更新)
闇株新聞編集部
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米大統領選挙の本選投票日が迫っています。刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』では、米大統領選挙の行方について「候補者選びはスタートダッシュで、本選は1カ月前の米国の(世界のではありません)状況次第で決する」と解説してきました。本選投票日は11月8日、いよいよ運命の「1カ月前」が近づいてきました。大統領になるのはヒラリーか、それともトランプか? 結果次第で世界はどう変わるのか――世界の政治・経済・金融をくまなく監視し分析してきた闇株新聞の見方やいかに!?

米大統領選は最後に莫大な金がかかる
ヒラリーとトランプの資金格差は歴然

 ヒラリーとトランプのどちらが勝つのか、本紙の考える結論をまず述べましょう。本紙はかなり以前から「ヒラリー当確」を予想し、メルマガやブログでお伝えしてきました。

[参考記事]
●死に体のオバマ政権で世界経済が大混乱も。次期大統領がヒラリーなら日本には最悪!? (2015年10月23日)

 最近の世論調査では健康問題もあって、ヒラリー支持は伸び悩んでいます。ここからの世論調査では接戦あるいは逆転もあるでしょう。しかし、蓋を開ければ同じ結果となるはずです。本紙の結論は変わりません。

 今回の大統領選挙は民主党の支援をいちおう取り付けているヒラリーと、共和党候補とはいえ党の支援をほとんど取り付けていない“無所属候補”トランプの争いです。

 本選ではここから全米のテレビコマーシャルに巨額資金を投入しなければなりません。資産家として知られるトランプですが、選挙資金では完全に金欠に陥っており(もともと大統領選を自分のビジネスのためとしか考えず自己資金を投入するつもりなど毛頭ない)、ヒラリーとの差はここからさらに拡大するでしょう。

 トランプが逆転するには、これから共和党支援団体の意向をすべて取り入れて政策を(もともと明確な政策など何もありませんが)180度転換することが必要ですが、その可能性も限りなくゼロでしょう。

次期大統領が誰でも政策は変わらない?
世界の政治・経済の混沌はますます深まる

 しかし、次期大統領がヒラリーになろうがトランプになろうが、政治はほとんど変わらないはずです。経済的には内向き(保護貿易や米国企業の優遇)、バラ撒き(緊縮財政からほど遠い)のドル安、財政赤字拡大から長期金利が上昇するでしょう。

 唯一違いが見えるのは外交面で、ヒラリーは親中国ですが、トランプは中国との距離感が不明です(かといって親ロシアとも言えない)。とはいえ、基本的には両者とも「ややこしいところにはクビをツッコまない」政策で、オバマ時代のような混沌が続くと考えます。

 もちろん中東問題でもイニシアチブを取ることはなく、原油価格は低迷したままとなりそうです(これは今回の米大統領選が日本経済にもたらすであろうほぼ唯一のメリットです)。

 こうやって並べると、向こう4年間(ヒラリーでもトランプでも任期は1期4年だけと考えます)の米国の問題点がはっきりと浮かび上がってきます。それは、財政赤字の急拡大とドル安政策の組み合わせが、どこかの時点でドル不安・ドル離れとなる可能性です。

 米国の連邦債務残高は1981年のレーガン就任時点は1兆ドル弱でしたが、レーガン→ブッシュ(父)→クリントンの20年間で5兆ドルになりました。ところがそこからブッシュ(息子)の8年間で10兆ドルを超え、オバマの8年間で20兆円に達しようとしています。

 つまり、現在の米連邦債務15兆ドルのうち75%が、ブッシュ(息子)とオバマというたった2人の大統領の時代に積み上げられたのです。

米国発の金融・経済の混沌はさらに深まる
日本がこれからとるべき道は!?

 次期大統領候補の二人も緊縮財政についてはまったく言及していません。トランプに至っては相変わらず大減税をぶち上げていますし、自分のことしか考えないヒラリーは本選が接戦になると安直に減税を公約にしかねません。

 一方で、米国の経常赤字は年間5000億ドルを超えており、多少の保護貿易で赤字が減少しようとも焼け石に水です。このままドル安・金融緩和・財政赤字拡大に手を打たなければ、どこかでドル不安・ドル離れを引き起こさないとも限りません。

 基軸通貨「米ドル」の信認が揺らいだ時、世界の経済と金融はどこまで混乱に陥ってしまうのか想像が尽きません。

 日本にとっても、大変に厳しい4年間となるでしょう。わが国は、円の価値を棄損させるだけの量的緩和やマイナス金利政策など「さっさ」と止めて緩やかな円高政策に切り替え、いざというときドルから逃げる資金の受け皿にならなければなりません。

 米国が保護貿易に向かわなくても世界の貿易量はとっくに増加ペースが鈍っています。ここは円安にして貿易で稼ぐのではなく、緩やかな円高で円資産と日本経済の価値を引き上げ、世界の投資資金を集める方向に早急に切り替えるべきです。

 世界的に低成長であるなら、円高で日本の経済規模を膨らませる方がはるかに簡単なはずです。しかし今週(9月20~21日)の日銀政策決定会合の結論は、相も変わらず緩和強化・円安促進……日銀はいつ目を覚ますのでしょうか!?

 なお、日銀の金融政策に関する詳しい分析と今後の見通しについては、本紙メルマガでも掘り下げてお伝えしていますので、ぜひお読みいただければと思います。

本連載は金融・経済のプロも愛読し”ネタ元”にしていると評判の刺激的な金融メルマガ『闇株新聞プレミアム』で配信された記事から、一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガにご登録いただくと、政治経済や金融の話題を中心に、歴史文化や娯楽まで他のメディアでは決して読めない、濃くて深くてためになる記事が、毎週1回5本程度の本編と付録、番外編、速達便がお読みいただけます。日々のニュースを読み解くセカンドオピニオンとしてご活用いただければ幸甚です。
 

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