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インド株はまだ上がる?「人口が中国を抜いて世界一」「2028年にGDPが世界3位の予想」など、インド経済の魅力をインド株投信のファンドマネージャーが解説!

2024年6月28日公開(2024年6月24日更新)
ザイ編集部
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NISAでも人気の「インド株」はまだまだ上がるのか? インド経済の見通しをインド株投信のファンドマネージャーに直撃!

発売中のダイヤモンド・ザイ8月号では、特集「ファンドマネージャーに聞いた! どうなる【世界株】」を掲載! この特集では、日本の投資家に人気の米国株やインド株の見通しについて、世界株とインド株の有名投資信託を運用するファンドマネージャーに話を聞いている。

今回はこの特集から、インドのインフラ企業に投資する「SBI・UTIインドインフラ関連株式ファンド」のファンドマネージャーであるサチン・トリヴェディさんのインタビューを公開!
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インドの経済規模は2028年に世界第3位となる見通し!
GDP比で政府債務が低いところが、高い経済成長を支えている!

──日本でもインド株の人気が高まっています。インドに投資する魅力について教えてください。

サチン・トリヴェディさんサチン・トリヴェディさん●2001年にインドの投信会社・UTIアセットマネジメントに入社。現在は同社の調査部門ヘッド兼ファンドマネージャー。ムンバイ大経営学修士、米CFA(証券アナリスト資格者)。

トリヴェディ 世界中の多くの国で経済成長が減速するなか、インドは他国よりも速いスピードで成長しています。

 IMF(国際通貨基金)の見通しでは、この先2年は年率6%台の成長で、その先も成長が続くとされています。GDPは過去30年で11倍になり、現在は3.4兆ドルですが、2028年には5.6兆ドルが見込まれます。

 一方で政府債務は横ばいを維持し、GDPに占める政府債務の比率は、コロナ以降下がり続けて今83%。他国に比べて低く、健全な状態です。これは、インドが速いスピードで成長している要因にもなっており、政府は引き続き財政規律をより健全なものにしていくスタンスです。

──GDPは2028年には世界3位になると予測されていますね。また、昨年は人口が中国を超えて世界トップになりました。

トリヴェディ インドが持つ優位性は人口動態が若いこと。毎年1100万人以上が新たに労働市場に流入しています。中国はすでに若い人口が減っていますが、インドではいまも出生率が2.0倍以上あり、この先20~25年はこのメリットを享受できます。

──2014年から続くモディ政権による構造改革の効果もあるのでは?

トリヴェディ モディ政権下で税金と給付の両面で改革が進みました。インドは28州あり、以前は州ごとにバラバラな税体系でしたが、これを一本化したことで国の徴税力が高まりました。

 一方で、アドハー(国民の識別番号制度)によって約14億人の国民が生体認証によりID登録されました。これにより、新たに5億の銀行口座が開設され、政府が貧しい人たちに補助金などを直接給付できるようにもなりました。

 また、インドは銀行の不良債権問題で苦しんだ時期があります。不良債権を早期に認識して処理できるようにし、不良債権比率は過去20年でもっとも低い状態にあります。

──製造業を振興する「メイク・イン・インディア」も有名です。

トリヴェディ 製造業を育成し、GDP比17%のところ25%まで高める目標です。そのためには鉄道、港湾、道路といったインフラも必要になる。政府による設備投資への支出は過去5年で3倍になりました。

 インド国内での製造品の売上が増えたら補助金を出す政策も打ち出し、インドに生産拠点を移す外資企業も増えました。アップル製iPhoneの生産は中国一辺倒でしたが、インドでも生産されるようになり、グーグルもピクセルの生産を始めます。

──6月の総選挙結果を受けて、モディ政権の政策実行力が弱まるとの懸念が出ています。インドはこれまで通りの成長を続けられるでしょうか。

トリヴェディ インド人民党(BJP)主導の国民民主同盟(NDA)は、過去の選挙で十分な信認を得て、改革や政策を打ち出してきました。国民の支持が弱まれば、政策遂行について若干のリスクが生じる可能性はあります。

 ただし、これまでの選挙結果を見れば、今回の連立政権も前政権の政策を継承し、経済成長に重点を置いた政策が推進されるでしょう。

──インド株は期待先行で割高だという指摘もあります。

トリヴェディ 株価の割高感でいうとインド株全体のPBRは長期平均よりも15~20%割高な水準です。ただ、インド企業の成長力は高く、収益力も改善しているので、株価に多少のプレミアムがついてもおかしくありません。

──インド株に投資するリスクや注意点があれば教えてください。

トリヴェディ インドは原油の80%を輸入に頼っているので、想定以上の原油価格上昇はインフレの要因になり、インド経済に悪影響を及ぼします。また、課題としては、労働市場に入ってくる多くの若者たちに適切な雇用機会を与えること。これが強化されれば、製造業の強化にもつながるでしょう。
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